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「中京の信州人」記念号発行~名古屋長野県人会125年史など盛りだくさんの特集

 名古屋長野県人会が年1回発行している会報誌「中京の信州人」70号記念号(A4判・カラー120㌻)が刷り上がりました。ふるさと信州への思いがこもった内容です。
 記念号は発行のタイミングが絶妙でした。長野の善光寺御開帳が1年延期されたことで、諏訪の御柱祭(諏訪地域)や飯田お練りまつり(飯田市)、穂高神社小遷宮(安曇野市)など大きな祭りが重なるという希有な年になったからです。
 「中京の信州人」の表紙は御開帳と御柱祭、お練りまつりの写真です。中面には、それそれの祭りの歴史や概要をまとめています。 
 特集も組みました。ひとつは「輝く信州人」。名古屋にいるとなかなか長野県内の記事に接することが少ないので、目にとまった記事を元に取材して会員向けに掲載しました。廃業した養蚕農家を引き継いで春蚕、秋蚕を出荷している駒ヶ根市の竹内慶子さんとは電話やメールでやりとりしながら話を伺いました。養蚕文化を地域の子供たちに伝えていきたいという熱意が感じられました。
 もう一つは「発足125周年記念特集」です。125年を四半世紀で区切って、愛知県や長野県、社会情勢の項目で動きをまとめてみました。発足の年は名古屋の御園座が開場した年です。御園座社長に連絡を入れて開場当時の貴重な写真を提供いただきました。
 14㌻にわたる125年の年表は、事務局作成です。「文字ばかりでは」と、印刷会社の原啓印刷(名古屋市)が過去の会報誌のなかから写真を選んでレイアウトしてくれたので、大変見やすくなっています。
 通常の企画「我が郷里のうた⑩」は、記念号ということで県歌「信濃の国」を選びました。「我が母校の紹介⑯」は長野県各地に学部が分散している信州大学です。
 「我が郷里の名士⑳」は私が担当しました。鉄道王と呼ばれた五島慶太(青木村出身)と岩波書店を創業した岩波茂雄(諏訪市出身)のふたりを一度に掲載できました。岩波茂雄と筑摩書房の古田晁(現塩尻市)、みすず書房の小尾俊人(茅野市)の3人の生家を線で結ぶと、約20キロメートルのほぼ直線の線が引けることを知りました。地元では「スワ・パブリッシャーズ・ライン」と呼ぶ人もいました。出版文化の「点と線」との出会いも収穫のひとつです。
 さて、名古屋長野県人会は1897年(明治30年)に発足し、今年で125年目。愛知県内にある県人会のなかでは最古参です。
 会の名称は「東海五県長野県人会」から「東海信州人連合愛知」を経て、1955年(昭和30年)から「名古屋長野県人会」となっています。最盛期の会員数は私の知る限りでは1200人を超えていたときもあったようです。現在は300人ほどです。
 2月に年1回の総会と懇親会が開かれ、通常なら県歌「信濃の国」の合唱に始まり、お国自慢の景品抽選会などで大いに盛り上がります。
 また、大相撲名古屋場所で郷土力士を応援したり、長野県出身者が多い名城大学女子駅伝部の応援などアスリート支援にも力をいれているのが特色です。このほか、親睦ゴルフ会を開催。感染症が収まれば、郷土訪問旅行も再開する予定です。
 会報誌「中京の信州人」には、自治体の観光地PRやスキー場、ホテル、地酒の蔵元、道の駅などから広告をいただいています。感染症で経営環境が厳しい中、県人会の活動を応援していただける方々のためにも、ふるさとを訪ねたり、観光情報を発信したりすることが恩返しだと痛感しています。「中京の信州人」が長野県を旅行するときのガイドブックになればと思って、編集作業にも力が入りました。
 県人会への入会は長野県出身者に限っていません。最近も信州に縁のあった北海道出身の方が入会されました。個人会員は年会費3000円(初年度2000円)、法人会員は2万円(初年度1万円)です。
 県人会事務所は名古屋市中区栄4丁目16番36号 久屋中日ビル4階
(naganokenjinkai06.07@festa.ocn.ne.jp)
(2022年1月10日)

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