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中部産業連盟総会~15年目迎える次世代リーダー育成の木曽駒塾の思い出

 コンサルタント事業やセミナー開催など中部企業の経営を支援する一般社団法人中部産業連盟(名古屋市東区)。2024年6月11日、名古屋東急ホテルで定時総会を取材しました。

中産連の定時総会冒頭、会長交代前にあいさつする伊奈会長

■新会長に愛知製鋼会長の藤岡高広氏
 役員改選があり、新会長に藤岡高広愛知製鋼会長が選任されました。
 藤岡新会長のあいさつ要旨です。
 「ものづくりは人づくりだと言われてますように、我々産業界は人をしっかり育てて作っていくということは非常に大切なことだと体感しております。特に、これから百年に一度の大転機の中、しっかりと人づくりをやり、それを基盤に既存事業、それから新規事業においてしっかりとリノベーションを進めていくことが非常に大切なことと痛感しております」
 経営の人づくりに75年の歴史がある中産連。その歩みの上に新しい価値創造を加える方針を示し、会員企業654社との連携を強調していました。
■前会長のダイハツ工業会長の伊奈功一氏
 伊奈前会長は2020年7月に任命され4年間務めました。トヨタ自動車とダイハツで勤務しています。 
 伊奈さんは「協力企業さん、私はパートナーと言わせていただきますが、中小企業の方が大半で、素晴らしい技術こだわった会社がたくさんあって、日本の産業構造の強みではないかと思っています」 
 「今の状況は、電動化とかカーボンニュートラルとか作り方もドラスチックに変わるというなか、中小企業の方はどうやって生き延びていけばいいかということを模索されていると思っています。中産連の中で連携をよくして、中産連全体でいろんなニーズに対して応えていく施策を引き続きやっていきます」と4年間を振り返りました。
■期待したい「木曽駒塾」
 木曽駒塾とは、中産連が次世代を担う幹部社員を集めたリーダー研修会です。第15期の今年は、8月から2025年3月まで開催予定です。
 事業計画では「中部産業界から優れたリーダーを輩出したいという経営者の方々の想いにより、未来の空部産業界を担う高い志を持リーダーを育成することを目的に、講義による想いの共有とディスカッションによる研修を全6回実施」とあります。
■木曽駒塾の名称は
 木曽駒とは、長野県と岐阜県にまたがる中央アルプスの主峰木曽駒ケ岳です。塾名は、中部産業界のゆかりの地にちなんだ名称としています。
 中産連の副会長だった竹内弘之氏は2009年12月の中部経済新聞「持論時論」で、「華と力のある次代経営者」と題して次代の経営者の育成の必要性を訴えています。
 2010年に初回の木曽駒塾を取材したことを思い出します。会場は名古屋市中区のホテルでした。発起人のひとりで、中産連顧問の多賀潤一郎イビデン名誉顧問の講義などが印象に残っています。
■多賀さんへのインタビュー
 その多賀さんに岐阜県大垣市のイビデン本社でインタビューしたのは、2010年10月のこと。当時の肩書はイビデン最高顧問で年齢は87歳でした。地元経営者が集まった「多賀塾」を20年近く続けていました。お話を聞くと、2か月に1回のペースで課題図書を読み、意見を述べあうというもの。
 多賀さんに次回の課題図書を伺うと、米ハーバード大学のマイケル・サンデル教授の「これからの『正義』の話しをしよう!」(早川書房)でした。
 図書を選ぶのは多賀さんご本人。「選ぶ以上は1冊につき2回は目を通している」と話していました。
■塾生との真剣勝負
 「塾生との真剣勝負」とは、本人の弁。木曽駒塾もまたしかりです。私が取材していたころ、塾生の中から上場企業の社長も生まれていました。中産連の想いが形になって現れてきていると感じています。
(2024年6月16日)
※表紙写真は中部産業連盟の機関誌「プログレス」
 
 


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