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トヨトミ自動車が少子化対策~特別奨学金やマイカー貸与など発表(エイプリルフール)

 トヨトミ自動車は4月1日、政府の異次元の少子化対策を補完する独自の支援策「わくわく1%クラブ」を試行すると発表した。若者が結婚や出産に希望が持てる社会環境が不可欠としており、法人税を優遇されている企業が身を切ることで、国内マーケットの縮小に先手を打つ狙いもある。
 原資は経常利益の1%程度を想定している。1990年代から企業メセナ協議会や経団連が1%の指針を示したことはあるが、少子化対策版として企業が打ち出すのは初めてで、他企業への広がりが注目される。
 プランは、結婚前の婚活ステージと結婚後の出産・育児ステージ。婚活ステージでは、結婚を決めたカップルをトヨトミ経営の結婚式場「ジュラクダイ」(聚楽第)に招き、食事会で祝う。希望すれば披露宴当日に新車を「プレゼント」。3年間無償で貸与する。若者のクルマ離れを食い止める狙いもある。
 出産・育児ステージでは、子どものいる世帯へトヨトミ車を無償貸与する。自社の営業店や販売店を活用した保育施設を拡充させて、出産・育児休暇後も働くことを支援する。さらに大学進学のための無利子奨学金制度も創設する。
 このほか、子どもの貧困解消やシングルマザー支援のため、公益財団法人「あすのば」(東京都港区赤坂)などの支援団体へ高額寄付をする予定だ。原資は内部留保を取り崩す。 
 また、同社販売店の「こども店長」の実績を生かし、4月1日発足の「こども家庭庁」へ社員数人を期限付きで派遣する。今後、社内や地域の外国人を含めたこども支援につなげる。
 非正規労働者の増加が少子化の背景にあるとして、同社は2023年度から工場の期間従業員を短期正社員とすることで、労働組合と話し合っていることも明らかにした。
 わくわく1%クラブの諸施策に対して、自社の車貸与など「ひも付き支援」との批判も出そうだ。トヨトミ担当記者の間では長年、会社の儲けに対して、福祉などの社会的支出が極端に少ないとの批判も根強かった。
 これに対して、4月1日に就任したトヨトミ自動車新社長は、「少子化対策を政府だけに任せない。わたくしごととして実行していかないと、いずれ自分たちの首を絞めることになる」と危機感をあらわにした。そのうえで「クルマづくりと一緒で、結婚や育児にわくわくできる環境を創っていきたい」と話し、創業家出身の新会長の発案であることを強調した。
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 エイプリルフールに終わらせたくないものです。
(2023年4月1日)
※トヨトミ自動車の名称は「トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業」(梶山三郎)から使用。公益財団法人名や「経団連1%クラブ」は実在します。
※「トヨトミ」は、大手暖房・空調機器メーカーの株式会社トヨトミ(名古屋市瑞穂区)が実在します。筆者は本社工場を取材したことがあり、技術革新を続ける優良企業で、「トヨトミの野望」とは関係ありません。

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