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花粉の顕微鏡世界と花のサブスク~コロナ禍で生まれたコラボ

 写真をながめていると、銀河系の星雲のようにも見えてきます。
 表紙写真は、ミモザの花粉です。理化学分析サービス会社、ユニケミー(名古屋市熱田区)が、自社の走査電子顕微鏡で撮影したミクロの世界です。それらの花粉に対応した花が、次の6コマのカラー写真。こちらは花の店美里を運営する美里花き流通グループ(名古屋市瑞穂区)の提供する季節の花々です。

走査電子顕微鏡を使って撮影した花粉のミクロ写真

 ユニケミーは理化学分析サービスを広く知ってもらおうと、社内で話し合い、材料分析で使用する走査電子顕微鏡を使って、一般の人々の視覚に訴えるような題材をインスタグラムにアップすることになりました。その第1弾が花粉でした。

ミクロ写真に対応した「花の店美里」提供の季節の花々

 2022年3月14日に走査電子顕微鏡写真専用のインスタグラム「micro_eye_land」を開設。5月6日までに16種類、6月6日現在で25種類の花と花粉の走査電子顕微鏡の画像を紹介しています。
 私がユニケミーを知ったのは、2020年3月。コロナ禍で緊急事態宣言が出ていたときで、各地からマスクや紙タオルなどが品薄になってきたときでした。
 たまたま、地元紙でユニケミーのディスポーザブル紙タオルのことを知って、会社に伺ったことがあります。
 このタオルは本来は、検査・分析試験所や検査機関、研究所、精密部品・食品・化粧品など汚染を嫌う事業所に適している使い捨ての紙タオルです。本来なら一般消費者とは縁がない会社ですが、このときは本社に消費者が詰めかけていました。通信販売でも人気で、ユニケミーという名前を初めて知ったという人も多かったのではないでしょうか。
 このあと取材した会社が、花粉の顕微鏡写真のモデルとなる季節の花を提供している花の店美里の櫛田篤弘社長でした。2020年6月に好きなときに花を交換できる定額制(サブスクリプション)のサービスを始めたことを記事にしました。初回3か月で月2500円など一定の料金を払って花瓶を購入すれば、好きな時に店を訪れて花を差し替えることができるサービスです。
 櫛田さんは「花は高い、枯れるという若い人たちにも自宅で気軽に楽しんで欲しい」と願っていました。サービスの名称は「魔法の花瓶」です。これも巣ごもり需要が高まったコロナ禍に咲いた「一輪の花」でした。
 ユニケミーの知名度を高めていく今回の試行は案外、BtoBの会社から、BtoCの分野を見い出すきっかけになるかもしれません。例えば、季節の花とその花粉のミクロの世界をカレンダーにしたら、私はきっと買うでしょう。みなさんはいかがですか。
 いまだに続くコロナ禍ですが、新しいサービスや企業・業態の枠を超えた新たなコラボレーションが生まれるとしたら、まるで宇宙の星雲誕生のようで、わくわくしてきました。
(2022年6月22日)
 
 



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