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758スクラップブック コラム集

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新聞記者が歩いて、見て、感じたことをコラム調に配信します。「ふと思い出しました」のフレーズで、昔の取材経験を織り込みながら、地域経済や文化の「今」をスケッチする「歩きメディア」で…
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#終戦の日の地域版

横井庄一さんに見た戦後~(続々)全国の地域版にみる戦争を語り継ぐ人々

横井庄一さんに見た戦後~(続々)全国の地域版にみる戦争を語り継ぐ人々

 写真は生前の横井庄一さん(1915~97年)を名古屋市中川区の自宅で取材したとき、ご本人からいただいた一輪挿しです。手にすっぽり収まるサイズで、飴色の素朴さが気に入って自宅に飾っています。
 元日本兵・横井さんがグアム島で発見されたのは、終戦から27年後の1972年1月24日でした。高校生だった私が、まさか横井さんを取材することになるとは、思ってもみませんでした。
 今年の終戦の日の前日です。横

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終戦の日に思い出す表と裏の遺書~(続)全国の地域版にみる戦争を語り継ぐ人々

終戦の日に思い出す表と裏の遺書~(続)全国の地域版にみる戦争を語り継ぐ人々

 新聞記者生活が長かったせいか、節目ごとに記事を書くのが習い性になっています。8月15日の終戦の日は特にその意識が高まります。埋もれている事実を掘り起こして、伝えていきたいからです。
 現役時代の話です。戦争を語り継ぐ記事で、私自身が記憶に残っているのが2013年8月に書いた経済コラムです。製薬大手のエーザイが運営する内藤記念くすり博物館(岐阜県各務原市)を取材したときの話です。
 薬にまつわる資

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終戦の日を前に~全国の地域版にみる戦争を語り継ぐ人々からの「後事之師」

終戦の日を前に~全国の地域版にみる戦争を語り継ぐ人々からの「後事之師」

 8月15日を前に新聞紙面に貴重な戦争体験が載っています。14日付の読売新聞地域版を一覧すると、今年はロシアによるウクライナ侵攻と重なり、いつも以上に平和への思いが強く伝わってくる内容でした。
 「後事之師」は、私が前日書いたnoteの記事の見出しです。過去から学びつつ、大事なことは「どのような教訓を得るか」ということです。
 では、「前事不忘、後事之師」を念頭に置きながら、北から順に25道府県の

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