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アフマ大陸作者とゆくVRChat生き延びてみせると!:「Organism」編

Organism by DrMorro

ロシアの集合住宅の中庭が入口

オープニング:

世界一周飛行日誌697日目。
VRChatワールドの頂点に君臨する王者、DrMorro氏による「Organism」に行ってきました。
このワールドを訪れてからというもの、日常生活でも心の片隅に、頭のどこかにOrganismが存在していて、ずっと離れず、何回も訪れてしまう。
そんな不思議な魅力あふれる本ワールドについて、別の意味で「おまえのワールドは頭から離れない」と評してもらったことのあるわたくし新 arataが、ふらっと書いていきます。

このnoteは、ほかの「Organism」についての記事やサイトとは違い、考察とかは一切ないです。ただただ、わたしの感想をつらつらと書いてみる、そんなnoteにしたい。

まずは簡単な自己紹介:

「新 arata」といいます。
VRChatというVR仮想世界でワールドクリエイターをしていて、これまで作った主なワールドは「アフマ大陸」、「マッド世紀末鎌倉」、「マッド誕生日鎌倉」、「タツジパーク」、「ゾッと世紀末真夜中」、「時報ジホジホ公民館」、非公開ですが「ラップ幕末鹿児島」などなど。
ごめんなさい、ヒエログリフの羅列が続いてしまいましたね。ついてきてくれていますか?(※インパクトの強いネーミングが大好物)
リアルでは、130日間世界一周を達成しました。2023年元旦はイヌイットの女性と花火を上げ、犬ぞりで北極の大地を駆けました(最高のスタート)!

過去作の中でも「アフマ大陸」は、初めてのボリューミーな超大作ワールドで、VRアトラクションテーマパークを手掛けたのですが、制作中も本当に楽しくて、訪れてくれた皆さんが楽しんでくれているのを見るのが何より幸せでした。
現在は、アフマ大陸のアトラクション群とはまた異なるタイプの最新アトラクションを鋭意制作中です。新しいエンタメの可能性を模索していきたい。

※「ワールド」というのは仮想空間のこと。
 ワールドクリエイターとは、新たな世界を創り出す、まさに天地創造なのだ!

新 arataさんのありがたい脚注

自己紹介もこれくらいにして、それではさっそく本編へ参りましょう。
※このnoteは、Organismのネタバレを含みます。
まだ訪れていない方は、このnoteを閉じて、まずはご自身の目で体験されることをお勧めします。

アフマ大陸作者の「ここが好き!」Organism編:

①駅のプラットフォーム

雨が降っていて、水面に映るライトがエモいぜ

ここめっちゃ良いよね。
Organismってめっちゃ入り組んだワールドで、前半の集合住宅エリアを迷子になりながらも進んでいって、ようやくひらけた場所に出て、グワーっと奥まで広がる巨大建築群のなかにたたずむこのプラットフォームの美しさたるや、まさに夜の都心部の雨の日のタクシーの窓ガラスの水滴に映る摩天楼。
美。美の中の美。いま気づいたけれど、美の中に「羊」がいるね。

巨大建築物群。雨がふりしきる。

※補足説明。Organismは「ひとりの男の人生を描いたワールド」で、全部で4章構成(多分)。以下、新 arataの考察。

①「誕生」:集合住宅編。おそらく主人公は集合住宅で生まれ育った。
②「社会の歯車」:駅のプラットフォーム編。このエリアは「通勤」を思わせる電車やプラットフォーム、一人暮らしを思わせるアパートなどがある。
③「近未来」:ジョージ・オーウェルの『1964』を思わせるようなエリア。
④「老いと死」:病棟と土星エリア。晩年の主人公は寝たきりとなり、心拍を告げる電子音だけが弱々しく無人の病室でこだまする。

新 arataさん、考察はないと言っておきながらバチバチの考察
地下遊園地サリーナ・トゥルダ(ルーマニア)に雰囲気が似ていて、すごく落ち着く。

②水の壁

水道代バカにならないよね

③青い通路

集合住宅エリアの一角。人間の本能に訴えかけるデザイン

Organismは人間が本能で「美しい」、「なんか良い」と思えるような作りが随所に凝らされています。たとえば、この「青い通路」。
―――左右対称ですよね。

ワールドのゲームデザインも美しいです。
手前の扉が大きく見え、奥に向かって細く見える。
Organismはワールド全体で「非常口」が進む方向を示してくれているのですが、それ以外にも自然と「どっちに進めばいいか」がわかるような作りになっています。

ゲームデザインのセンスもすごくて見習いたい

どっちに進めばいいかわからないワールドしか作ってこなかった男より

アフマ大陸に来たゲストにまず初めに乗ってもらいたいアトラクションは「NEKO旅クルーズ」なのですが、なぜか皆さん「ひろかバトルバース」とか「MAD世紀末DIE車輪」に直行するんですよね

それはおまえのワールドのデザインが壊滅的だからだろう

④近未来エリア

近未来
階段を上がって、病室エリアへ
病棟エリア。精神病棟っぽい。足音が聞こえたりして結構怖い(当方、ホラー苦手全日本代表)

⑤緑の病院の窓際のベッド

「ベッドと窓と緑の壁」コーナー

ちらっと見ただけで通りすぎそうなコーナーだが、
新arata氏はこの「ベッドと窓と緑の壁」コーナーがOrganismの中でも
1位、2位を争うくらい好きだ。
寂しさ、悲しさ、虚しさ、苦しさ、つらさ、みじめさ、色んな感情が具現化したようなコーナーだと思う。だれかの人生がこのベッドで終わりを告げたのかと思うと、色んなことを考えさせられる。

そしていよいよ最終章―――――「死」へ

左右に何個も並べるこの感じ。。。
私のワールドに顕著に見られる光景。
もしかして作者のDrMorroさん、
アフマ大陸、マッド世紀末鎌倉のファン?
(ちがう)

⑥土星

土星にしか見えない。

「ひとりの男の一生を描いたワールド」の最後は、「死」。
震えた。「死」をこうやって表現するんだって、感動した。
美しく、それでいてどこか寂しい、人生の終点。周りをまわっている点のひとつひとつに思い出がこもっているに違いない。
中央の円に向かっていく。
(※業務連絡:新arataから新arataへ。
深夜4時を突破。流石に眠くなってきた。どうぞ)

帽子の男

雪に反射する光が美しい。最後まで美しい。

終局

落下してリスポーン地点へ。
死を表す落下のように見えて、
実は「新たな命」が
産道を通っている可能性も。

落下してリスポーン地点の冒頭の集合住宅エリアの中庭に戻るのですが、それがまた「生まれ変わり」、「転生」の意味にも取れて、深い。
深い深い落下のトンネルはまるで産道のようで、新しい命が産道を通って、生まれ落ちる。
生まれ落ちた先は、物語の始まりの地リスポーン地点。
「ひとりの男の一生」はふたたび始まるのだ。

エンディング:

今回は初めてのnote執筆で、こうしたブログ記事を書くことすらも初めてだったので、文章が拙い部分が多々あったと思いますが、ここまで読んでくださり本当にありがとうございました。
よかったらOrganism、行ってみてくださいね。続編のEpilogue1、2もよかったですよ。

アフマ大陸も来てくれたらうれしいです。

――――最後に作者のDrMorroさんのお言葉を載せておきます。

当時、リアルのほうでもVRのほうでもセンチメンタルになっていた新arata氏。そんなときOrganismに訪れ、このワールドの、どことなく寂しいし、悲しいんだけど、「心をさすってくれる」ような温かさも感じて、すごく救われたのでお礼のメッセージをお送りさせていただきました。
自分の想いをつづった文章をロシア語翻訳して、送りました。
ワールドクリエイターとして、Organismのように自分の世界観を打ち出して、表現している姿にあこがれ、自分もそんなワールドを作ってみたいと送ったところ、DrMorroさんはお忙しい中、お返事を下さいました。

私のようになる必要はありません。
自分だけのスタイルやストーリーを見つけ、それを他人に与えることが重要なのです。
難しいけど面白い道です。がんばってください。

DrMorro氏(ロシア語から翻訳)

――――――自分だけのスタイルやストーリー。
次回は、自分だけのスタイルやストーリーを追求し続けた例のワールド、
アフマ大陸作者による「アフマ大陸解説記事」を書こうと思います。

世紀末でまた会おう! アディオス!

探検家 アラタ・アポカリプス3世

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