ゲーム感想(ロレーナと遺跡の国)※R-18

作品名:ロレーナと遺跡の国
サークル:しめなわん
ジャンル:アクション(R-18)
総合評価:S

過ぎ去った歴史を想いながら、遺跡を駆けるガンアクション。
アクション系を普段やらないため、自分はゲーム性などについては語れないが、音楽・グラフィック・世界観など、どれもレベルが高い。また、普段アクションをやらない自分でも、それなりにできるくらい操作がやりやすかった。カスタマイズも細かくでき、プレイ自体にストレスは少ない。

物語として、主人公周りのストーリーは単純なものである。病気の妹を治す薬を買うため、遺跡をめぐってお金を稼ぐ。簡素にも見えるかもしれないが、このゲームの肝は主人公周りの物語ではなく、主人公を通してプレイヤーが目にする歴史の痕である。
遺跡に残されたわずかな資料から想像されるかつての世界。滅びたものはなにか。残ったものは何か。その時、何が起こっていたのか。断片情報で語られる遠い過去は、どこまでも希望を信じ続けた人々の姿が哀しさと共に描かれていて……。
……これは、もう終わった歴史。その事実が涙を誘う。

自分が見たエンディングは一種類。攻略情報など全く見ていないため、このゲームがマルチエンディングなのか否か、これを書いている時点ではわからない。実績は一つを除きクリアしたため、おそらくは別のエンディングはないんじゃないかと思っている。そのエンディングではいくつか「語られないこと」があった。ただ、あれはあえて語らなかったのではないかと思う。そういった部分も含めて、雰囲気作りというか、世界の描き方がすごく上手いと感じた。

ゲーム部分について。
自分は先述の通りアクションをめったにやらないため、どうかするとノーマルでさえ苦労するレベルだが、慣れれば進めていける程度には初心者にも優しい。実績解除は悲鳴を上げたが。ノーミスきっつい。ラスダンノーミスクリアまだできてません。
難易度をハードに上げると単純に相手が強くなるだけでなく、トラップが追加されたりと、だいぶ変わってくる。自分にはきつかったが、歯ごたえが欲しい人には良い難度だろうと思う。
ベリーハードはマゾい。すっごくマゾい。

またプレイ時間は長くなりがち。通常ステージをクリアだけするならそこまででもないが、討伐系は評価基準が「長く生き残る」のため、そもそも長時間前提。寝る前にやるもんじゃない。

エロシーンについて……は、自分は特に語れない。いや、実は一つ二つくらいしかまともに見ていない。それよりも実績だ!って負けても飛ばしてた。今になって思えば、そんなプレイやるなら設定でエロシーンOFFにしてりゃ良かったんだな、とか。ううむ。
衣装チェンジもあったが、ちょっとバリエーションが少ないような気もする。ただ、これに関しては3Dモデルを動かす都合上、仕方ないのかなとも思う。このゲームにこれ以上を求めるのは酷。

クリアして全てを振り返って。
ややあっさり気味かな、とも思った。かつての過去に思いを馳せる、それによる感動はある。ただ、主人公の活動範囲も拠点と遺跡の往復だけなので、そこからの世界の広がりはないし、登場人物だって多くはない。紛れもなく名作ではあるけれど、ではこれの続編を求めるかというと、語るべきことは全て語りつくされているため、すでに完結した物語感はある。一つの作品としてすごく美しくもあるが。

主人公のロレーナについて。
嫌味はなく、怒るべきところでは怒り、弱音を吐くところでは吐き、かなり好感を覚えた。声優さんの声ともベストマッチ。長時間プレイが苦にならなかったのは、ここら辺を好きになれたからかもしれない。

最後に製作者様へ。
楽しいゲームをありがとうございました。思わずムキになって徹夜するくらいに夢中になれました。また、こういう作品を出されるようでしたら、その時はプレイさせていただきます。


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