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俺は家事育児が出来ると思っていたあの頃の俺へ

拝啓
どうも、リュウジのバズレシピを見ながら今日のご飯を作ってる47歳の俺です。やっぱりカレーよね。

あの時の俺は43歳、結婚して3年が経った位かな。
教科書のお手本のようなできちゃった結婚をした俺。結婚当初から元妻と意思疎通がうまくいかず、ずっとイライラしてたね。そんな中、無事に生まれてきてくれた息子、あの時の感動は今でも忘れない。

共働きだった我々夫婦は、それなりに家事を分担してやっていたね。寧ろ子供が小さい時は俺よりも元妻の方が帰りが遅く、他の旦那さんに比べれば、俺は家事をやっていた方かもしれない。
仕事終わって子供を保育園に迎えに行き、その足でイオンで買い物して、帰って晩御飯作って、できたぐらいに元妻が帰ってくる。毎日買い物してたので野菜が高くなったか安くなったかも分かりようになったし、困ったときのレシピもそれなりに増えて料理も上手になってきた。息子のオムツも変える事はできるし、息子が熱を出した時は、俺が病院に連れて行くことが多かったので、息子が具合が悪くなってもそれなりに対処できていた。
あの時の俺は
「俺は家事育児ができる、何なら元妻がいなくても平気だ」
と思っていたね。

今世の中では我々が小さい頃見てきた昭和の父親母親像はなく、夫婦で協力して家事育児をやる。
女性だから家事をやらなければならない、男性は外で稼いでくるのだから、家事なんかやらなくていいと言う価値観は古いものとなってしまった。

俺はその令和の価値観を先取りし、仕事しながら家事育児ができる、協力的な夫だと自分で思っていたね。

今、再び独り身になってみて思うのは、家事、育児と言うのは夫や妻どちらかがやるのではなく2人でやるもの。
そして
「奥さんが出張でいない1週間で子供が熱を出し、病院に通うことになっても全ての事項を対応できる」
これで初めて
「俺は家事育児を手伝うことができる」
と初めて言えると思う。1人で出来るじゃない、手伝うことが出来るだ。

離婚してみて何より大切な息子に毎日会えないのはとても寂しい。
でも息子は日々成長していてどんどん大きくなっている。
毎日面倒を見ているのは元妻だ。息子はいつも笑顔で俺に接してくれるが、子供ながらにきっといろいろ考えているだろう。そしてこの息子が日々立派に成長しているのは元妻のおかげなのだ。
決められた養育費を払うのは当たり前、それ以外にも息子が欲しいものやりたいこと、全て叶えてあげたい。
養育費ちゃんと払ってるぐらいで偉そうにしてはならない。でも厚労省の調査によると養育費を受給できている世帯は2割強に過ぎず、多くのひとり親世帯が養育費をもらえていない現状がある。俺は死んでも払う。

結局男なんて、役に立たないものである。
だからといって、女性が全てをやればいいじゃないかと言うものでもない。
男性はできる事は全部やった上で、家事育児を手伝うことができますと言う真摯な姿勢を忘れてはならない。俺が養っている、俺が飯を食わせてやっているだろと死んでも思ってはいけない。思い上がりも甚だしい。

あの時の俺、確かによく頑張っていたと思う。
周りの他の旦那さんと比べれば、いろんなことに対応できてたと思う。
ただ、そんなのは当たり前なのである。そして自分は人の力を借りなくても家事育児ができる。なんて決して思ってはいけない。
2人で協力して頑張るのだ。どちらかがやるのではなく2人でやるものなのだ。その中の役割分担で得意な方できる方がやればいい。
その傲慢さはさっさと捨てろ。何の役にも立たないから、

気づけば12月。
次の息子との面会でサンタさんにお願いするプレゼントを2人で探しに行く。息子はきっと気づいているだろう。24日までに元妻に託したそのプレゼントはサンタさんからではなく俺が買ってきたプレゼントだってことを。
それでもサンタさんからもらったプレゼントだと言って喜んでくれている。
それでいいのだ。

何か見返りを求めようとするな。
その息子の笑顔が最高の見返りだ。グダグダ言わないでとっとと働いて稼いでこい。今できることをやれ。元妻への感謝を忘れるな。

じゃあな、頑張れよ、あの時の俺。奥さんの言うことなんて全部聞く位でいいんだぞ。男ってそういうもんだ。
敬具


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