初めて携帯電話を買ったあの時の俺へ
拝啓
どうも、iPhone14がでたけど12miniで粘ってる俺です。このサイズがええんよ。
あの時の俺は20歳、1995年かな。
春先に仕事の出張で関東地方に長期滞在したね。仕事は大変だったし、滞在してる間に大きな事件もあったね。周りの大人たちがざわざわしてたの覚えている。
仕事も大変だったけど、俺の大きな目的は携帯電話の購入。
公務員になってからの2年間は寮生活で、週末以外は外出禁止。連絡手段といえば2つだけあった公衆電話。テレホンカード大量に持ってた。
当時遠距離で付き合ってた彼女に電話するために、限られた時間でみんなで公衆電話の奪い合い。ダッシュして、急いで電話かけて、短い時間で終わって。週に1回できるかどうか。
まあ若い時の遠距離恋愛なんてうまくいくわけもなく、夏休みでのようやくの帰省でめでたくフラレるんだが。
俺が田舎の高校生の時、東京では既にポケベルが流行ってた。だが田舎にはまだ来てるわけない。当時の肌感覚だと東京で流行ったものが地方にくるのに半年ぐらいのタイムラグがあったような気がする。東京はテレビの中の世界だった。
ポケベルのステップを飛び越えて、いきなり携帯電話。だからポケベルを使ったことがない。公衆電話で高速で打ち込みしたかった。ポケベルが〜鳴らなくて〜♪
出張の合間の週末に向かったのは秋葉原。あの頃の秋葉原はThe電気街で、あのカオスな感じが大好きだった。この年にWindows95が出たんだな。
初めて買った携帯電話はmova NⅡTZ-805型 前期型。NECの携帯でまだアナログで固定電話の子機ぐらいあった。今風にいうと1Gに当たるのかな。確か7万ぐらい払ったような。下記は後期型。懐かしい。
ディスプレイは2行ぐらいで表示されるのは英語カタカナと電話番号のみ。電話帳にポチポチ入力したな。と思って検索してたらメルカリに前期型が出品されてる！欲しい！買おうかな。
プランは基本使用料と無料通話分の組み合わせで毎月の料金払ってた。ドニーチョ懐かしいな。毎月10,000〜15,000円ぐらいは携帯代に消えてた。
電池がすぐ切れるので予備のバッテリー何個も買って持ち歩いてた。アンテナを伸ばして電話してたな。
この携帯を買ってから、携帯電話マニアみたいになってもうしょっちゅう機種変してた。PHSとか色んなキャリアで契約したりとかで3台同時に持ってることもあった。友人にどれが今の電話番号かわからん！ってよく言われてた。P203は傑作だったな。あの手に持った感じ。折りたたみに負けないスタイリッシュさ。今でも十分通用すると思う。
iモードが始まって、メールでやり取りするようになって、合コン行って連絡先を赤外線通信で交換してたあの頃。いかに連絡先交換にこぎつけるか。やんわり断られたりしたこともいい思い出。
スマホになって、iPhone5ぐらいからは見た目は殆ど変わらず、大きさと性能、カメラが違うぐらいになってきた。あのガラケーの頃のワクワクはなくなってきたな。どのメーカー、キャリアのスマホも電源入ってないとただの黒い板。
ガラケーの頃の日本の携帯電話シーンには本当にワクワクしてた。あの未来を手にする感じが田舎者には堪らなかった。
しょっちゅう携帯電話を変えてたあの時の俺。
実際詳しかったし、友人からどれ買えばいいか、どのキャリアにすればいいか相談されることも多かった。
当時付き合ってた彼女に携帯見られて修羅場になったことも何度か。富士通の携帯が出たときはすぐ変えたね。プライバシーモードは最高だった。
随分お金を使ったし、本当に自己満足の世界だったけど、興味があることに没頭するのは悪いことじゃないよ。
十数年後、ひょんなことから俺は携帯電話にかなり近いネット業界で働くことになる。その時にその知識が役に立つから、無駄にならないから。
iPhone作ったスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式の演説で言った "Connecting the Dots" を実感する時が来るよ。
何がどこでどう役に立つか、その時は分からない。でも色んなものに興味もってやってるとある日突然その点同士が繋がる。だからその興味を失うことなく、色んな携帯にそのまま触れてほしい。点を増やしてほしい。
じゃあな、頑張れよ。あの時の俺。見られて困るメールはこまめに消すんだぞ！
敬具
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