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ロウバイ


 ふれる白雪の
 朝を待ちます
 
 そっと手で桶の水をすくい、
 鏡がわりに顔を見る
 冷たい産毛

 ぱきりと柱から音がして
 ひろがる煙のような不在の気配
 
 窓から灰色のひかりがにじむ

 もうこんなにも経ってしまったのですね

 今日も米を食べ衣を洗い敷くように眠ります

 ふさわしい生活です

 ときおりこの家の隅から

 けもののようにもうもうと湧く怪物をのぞいては

 どうしてでしょう、どうしてでしょう
 必死に問いかける頃にはもう
 すべて終わっているのは
 どうしてでしょう

 広い居間にまたひとつ、もうもうと湧いたそれに

 やっと名前がつきそうです

 月のような灯りをほうる雪を待ちます
 
 さみしくなんか、ありません


ロウバイ


ポチッとしていただけたら泣いて喜びます。ヤッターッ!