氷魚もう4月だった・・「ハイジズ・ハイ」


 ハイジズ・ハイ             

何も音沙汰がない
というかたちで自分にかえってくる音が
あめいろのかえるになってひっついたり
じんせいをあらったりしています

一番
サードの子が光る、と話すおじさんたちに耳をそばだてて、永久的に大人になれない気が
していた

二番 
木曜日
エレベーター使う盗塁王、は、 バッチコーイ音楽のダンス
グランドに立つ理由とは水溶性の 地下アイドル

三番
おしえて、おじいさん
二回たずねてへんじがないから
ハイジは
草野球のグランドに
たずねてみた
誰もいない
あるむの、もりの、きよ

四番
たまねぎのカーブ
軌道がずれていくのをそう呼んだ

身近な人がわからない
だまって、いるとき
夢のなかに二つお墓を入れているから
たずねてみる
眠ることのつづきがつながらないとき
眠ってしまえばいいのに
のぎのぎと財布ばかり若くして
自転車のかぎなぜなくす
なんでも入る夢のお墓に眠ってみると
からっぽのおかあさんが入っている
なぜ
返事のないインターフォンと
おしゃべりしているなぜ
ロケットペンシールの
ブイヤーベースまわるとドキドキする
古い手のトギトギ
メの腕を着た、着た腕を脱いでメをまわして
まメをまわして
スープになべていく
しらこにもおかあさんがいる
だろう
おかあさんのかおの桟によじのぼったらははが吹いている 

ノギノギノギ
鳴るははをきこうとするおはか
まだ燃えない
ごみ、サンビーム、おかあさんビーム、かおの桟ですりおろす太陽の役割、おかあさんの桟を渡る風になる

ハイジを脱ぐと、脱いだハイジをかぶると、
ヘルメットどっちだったっけ

五番
いずれにせよわからないとき

あるむのもりのきよ
あるむのもりのきよ

返事がないことが
よくあるから

じぶんでわかるには
時間がかかる気がして電気を消すと
余力のできた町が
夜なかに電報を打ってくれる
とさはんのかえるがあつまってる
知らされても出来ることはなさそうだから
地面の真下にすすむ
地中を通り裏側から
這い上がるマラドーナの足を持たない
めめ、

拝啓が生える
しずかな、いわゆるしずかな

水たまり回
眠りにはまだおちまいと
といかけのブランコが
たまりを揺らすものだから
まざって揺れても
じぶんの居場所を見つけたちいさな
どうぶつの手でだきしめ
それがほとんど陽の当らない場所でも
だいじに暮らして
うなづいた水たまりで
そだってしまっていた
あるむのもりのきよ
あるむのもりのきぎよ水草よ背番号のこどもたち
吐くことができない
守れない子守り歌が
たちあがるこえで
ふとんのなかへ
くるしいおとうふが暮れてずる
のらねこずれてくる
洞窟ほってる歌がひとしずく
したたるあめいろのかえる
なにもかえってこないそのおとさたであらうこれからもきっと六番
ダイソンの吸い込み口につかえているつまようじ

もう一球
(定休日ない、グラウンド草の定食、重力を知るどんぶりのふたのお守り)
だらしないおべんとうがらで
今も背番号書いていますか
背中出してそこに
ゆびさきラジオを当てたらめめ、
夢のお墓からハイなる
声はとどく

ノギノギと
二塁を風が渡ってゆく

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