Vivienne Westwoodから学ぶエシカルファッション
創刊86周年の老舗ファッション雑誌『荘苑』
2022年5月号に、パンクの女王と呼ばれるイギリスのファッションブランド『Vivienne Westwood』について興味深い記事が載っていたのでシェアします。
『Vivienne Westwood』とは、伝説のパンクバンド『SEX PISTOLS』と共に80年代にパンクカルチャーを作り上げたブランドです。
そして、『SDGs』が採択されるずっと前から環境汚染対策やその元凶とも言える戦争への反対を表明していました。その上で循環型ファッションの楽しみ方を追求し続けてきました。
今季テーマ『SAVE OUR SOULS(私たちの魂を救ってください)』
コレクションに再生農業による特殊なウールや再生素材を用い、多くを作らずミニマムに。そして、それぞれはパワフルなアイテムを。
このように企業として量より質を常々訴えてきました。
そんなブランドを運営してきたVivienneは、2022年1月、81歳で、本当にしたいことを実現させるため、ブランドから全く独立した『The Vivienne Foundation(ビビアン・ファンデーション)』を立ち上げました。
そのマニフェストは『世界経済の仕組みを変える』『気候変動を止める』
(以下の「」内は、『荘苑』5月号P126〜127Vivienneのインタビューから抜粋)
『世界経済の仕組みを変える』
「人々は土地を奪うために戦争をしてきました。」
「真の価値ある経済とは、土地が誰にも属さない状態であることではないでしょうか?」
『気候変動を止める』
「気候変動を止めるためには、①戦争を止める、②熱帯雨林を守る、③海を守る、という3つに特化していきます。」
「英国の博物学者でテレビ司会者のクリム・パッカムに話を聞くと、地球温暖化の原因となる温室効果ガスを最も多く排出しているのは農業だそうです。」
「政府が助成金を出し、政府が思うままの生産方法は土壌や生態系のことを考えていないのですから、こうした工場系の農業をやめなくてはいけません。」
「農業に次いで、環境に有害な影響を与えている産業は何だと思いますか?ファッションです。」
「これからはセールをしない方針にするつもりです。」
「人は安さを基準に物を買う、または買いすぎるべきではありません。」
「物を作りすぎるべきではありません。」
こんな思いから始まった『The Vivienne Foundation』は、サービスとオンラインショップからの資金で運営されます。
サービスとは具体的には、パンク映画『PISTOL』へのアドバイスや衣装提供などです。そこで得た資金で設立されました。
オンラインショップでは彼女のライフワークである手描きのアートが印刷されたトランプや彼女がデザインした服が売り出される予定です。
彼女は最後にこう締めくくっています。
「今までにないほど幸せで、ワクワクしています。」
海を超えたイギリスのファッションデザイナーが日本人にとっても大切なことを教えてくれています。
エシカルというとアースカラーの服やナチュラル系の服、と思い込んでいる人も多いです。まずは、そんな思い込みを取っ払うことから始めましょう。エシカルは全ての人に当てはまるのです。自分のこととして捉えましょう。
どんなジャンルのファッションでもエシカルは成立します。オーガニックコットンでパンクファッションなんて、最高にパンクでかっこいい。
また、今ミニマムな生活が流行っています。
「ミニマムな生活に憧れている」「服を買わないようにしている」という声もよく聞きます。
ミニマムって、物を少なく持って、要らない物をただ捨てたらいいと思っていませんか?
今あなたが持っている服は、あなたの人生を豊かにしてくれていますか?要らない物をどんどんゴミ箱に捨てて、地球のゴミを増やしていませんか?
おしゃれをすることは、人生を豊かにすること。
恋してる時はとびきりおしゃれしたり、仕事で頑張りたい時はいつもより高い値段の服を買ったりという経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
エシカルなコミュニティで話していると、我慢することばかりにフォーカスして、おしゃれを楽しむことを忘れている人と出会うことも多いです。それって、とても残念です。
ファッション業界の環境汚染は深刻ですが、最前線は変わり始めています。買うのをやめるのではなく、ストーリーを大切に、心あるファッションサービスにしっかり投資してください。みんなが何にお金を使うかがファッション業界の未来にかかっています。
わたしは、ファッションアドバイスなど、形のないものがファッション業界の新しいサービスの形だと思い、『アポルテコーデ マルシェ』を運営しています。世界的デザイナーのVivienneも、映画へのアドバイスを資金にしていますね。
ちなみに、わたしの、国立和歌山大学教育学部国際文化課程現代文化コース(2009年3月卒業)の卒業論文は『Vivienne Westwood』です。
Vivienne Westwoodのアイテムも長年愛用しています。
「経済の仕組みを変える」「気候変動を止める」はわたしの信念でもあるので、運命を感じます。
スタイリストあられ運営『アポルテコーデ マルシェ』
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