容姿に自信がない日本人女性たち
わたくし、スタイリストあられは妊娠しまして、ただいま妊娠5ヶ月です。お腹周りがそろそろキツくなり出し、インナーとレギンスはマタニティ用を買い足しました。服はゆったりしたワンピースを3枚新調し、ほかにも手持ち服の中に、ウエストが紐やゴムのボトムがあったので、それを履いたりしておしゃれを楽しんでいます。
妊娠初期はつわりが重くて、寝込んだり、食べれなかったりして大変でしたが、それでもそこまで精神的に落ち込むことはなく過ごせたんですよね。しんどい時のやり過ごし方や人への甘え方が上手になったからだと思います。9年前の、1人目の妊婦生活とは精神力が全然違います♪
前回の妊娠・出産後にスタイリストになり、旦那さんの転職、大阪から和歌山への引っ越しなど様々なことを経験しました。その間に自己肯定感の低いマインドを何とかしようと、いろんな講座やワークを受けて克服してきた成果だと思います。
元々は、子どもの頃のトラウマから、容姿に自信がなかったんです。自分の私服スナップを見るだけで、トラウマを思い出して気持ち悪くなるくらいでした。
自分自身の子どもの頃の経験、お客様にも容姿にコンプレックスがある方が多いこと、海外留学で気づいた日本人の容姿コンプレックスなど、日本女性の容姿の自信のなさが気になっていました。
そこで「女性の見た目」「日本人」で検索したところ、ユニリーバのビューティケアブランド「ダヴ」が行ったアンケートに関する興味深い記事が出てきました。
「ダヴ」が発表した「少女たちの美と自己肯定感に関する世界調査(2017年)」によると、なんと日本の10代女性の93%もが、容姿に「自信がない」と答えていました。これは世界で1番多い数字でした。衝撃的です。。。日本人の容姿は海外ではとても人気です。人気があるか、実際にかわいいかどうかとは別のところに問題があるように感じます。
明日から9月。多くの学校で新学期がスタートします。心身に不調をきたす子、登校できなくなる子も多い時期。容姿の自信のなさも不登校やいじめにつながります。外見にコンプレックスを持っていたわたしだからこそ、今、子ども時代のことを書こうと思います。
わたしは毎日「学校に行きたくない」、毎朝「このまま自分がいなくなればいいのに」と思っている子どもでした。何か大きな問題があるわけではなかったのですが、何となくそう思っていました。優等生で、友達も多く、大人に対する聞き分けもよかったので、わたしの気持ちに気づいている人はいなかったでしょう。
学校に違和感を持ち出したのは小学校5年生くらいからだったと思います。体の成長が早かったわたしは4年生に初潮を迎え、その頃から体が女性らしく変化していき、心と体のバランスを崩していたのだと思います。周りより成長スピードが早かったので友達には相談できませんでした。
母親には初潮を迎えたことを伝えました。ナプキンの場所や使い方を教えてくれました。家事の合間にとても忙しなさそうに説明されました。その次の日の晩ご飯は赤飯でした。体の変化に戸惑っている時に、赤飯だけ用意されて、向き合って話をする時間を取ってくれないことにとても寂しさを覚えました。母親は話の途中でも、父親が帰ってくると、玄関まで走って行き、その後、話の続きを聞いてくれないことにわたしは寂しさを募らせていました。
体の変化があり、急に食欲が湧いてきて、おやつにおにぎりやラーメンを食べるようになりました。一時的なことでしたが、体重がとても増えました。体重が増えたことで容姿に自信を無くしたわたしは、表情も暗くなり、気持ちも落ち込むようになりました。
わたしの母親は小顔で、目が大きく、細身の人です。太ってしまったわたしは、近所の人や学校の先生など周りの大人から「お母さんは細いのにね。」「お母さんはかわいいのにね。」と言われるようになりました。それを母親の口から聞かされた時に、世界が灰色になったような気がしました。
「○○さんに、お子さんと似てないですね。お母さんは細いのにねって言われたわ。」と急に伝えられた時、言葉が出ませんでした。母親に自分のことを否定されたような気持ちになりました。
そうやって、心と体のバランスを崩していきながらも、何とか持ち前の明るさや体の丈夫さでその場を取り繕って生きていました。不登校になることもなかったですし、学校に行きたくないと行ったこともなかったです。母親は普段はニコニコして優しい人なので、なんとなくその雰囲気に流されて過ごしていました。嫌だったことを今更掘り返して、家庭の雰囲気を壊すことが怖かったんですよね。子どもだから、家を出ても、行くところがないですし。
なんとなく、ずっと心にモヤがかかっているような感じだったんです。
学校でも常に自分の外見が否定的に見られているような感覚に陥ってしまいました。そうしたら実際に見た目を否定されることも増えました。自信がなくなると猫背になったり、目つきが悪くなったりして元々の容姿のいいところが消えていきました。自分で嫌な現実を引き寄せてしまっていたのです。
この心のモヤは、学生時代が終わったら消えるものだと思っていました。だから、早く社会人になりたくてしょうがなかったです。
けれど、心のモヤは消えることはなく、社会人になっても、毎日「仕事に行きたくない」、毎朝「このまま自分がいなくなればいいのに」と思っていました。もう心の癖みたいになってしまっていたんです。また、体が疲れている時などに食べ過ぎてしまう癖も子どもの頃のまま続いていました。だから、太ったり痩せたりをよくしていました。そして、だんだん肌も荒れるようになっていきました。
一方で、目標に向かって努力する性格でもあるので、スタイリストになるという夢を叶えました。
スタイリストになりたいと思ったのは、小さい頃から、キラキラしたものやカラフルなものが好きだったからです。母親と母方の祖母が、よく心斎橋や梅田に買い物に連れていってくれて、そこで見た世界がとてもキラキラして見えたんです。
母親は楽しい世界もたくさん見せてくれた人でもあります。4人の子育てと亭主関白な夫に対して完璧に振る舞おうと頑張っている人なので、いつもいっぱいいっぱいだったのでしょう。わたしも今子育て中ですし、時代や生活環境も違うので母親が大変だったのもわかります。母親の批判を書きたいわけではなく、母親には感謝しています。これは、わたし自身の人生の課題だと捉えています。
ここから、わたしが自分のトラウマをどう乗り越えていったのかを書きますね。
子どもが生まれ、スタイリストになってから、「自分の子どもの頃のトラウマと向き合うワーク」というものに出会いました。イメージの中で、5歳の頃の自分(イメージしにくければ自分以外でもOK)の話をよく聞いてあげ、抱きしめてあげるというワークです。そのワークがわたしにはとても合い、ずっと持っていた心のモヤがサァーっと消えていったのです。毎朝、気持ちよく起きられるようになりました。
心というのは、子どもの頃から土台を作り上げていくものなんだということも知りました。まるで、土を耕し、種を蒔いて、根を張り巡らせて、植物を成長させていくように。
大人になってからでも、心の土台を作り直すのは遅くありません。今でも自分の心が弱っているな、と感じる時には、このワークをします。そうすると心の芯が太くなり、温かくなります。心の傷が癒されると、不思議と容姿のコンプレックスも小さくなり、ファッションを楽しめるようになりました。今では自分の写真を見て気持ち悪くなることはありません。モデルさんのように美人でスタイルがいいわけではないですが、だからこそ人に伝わるものがあるのだと信じて発信しています。“美人““スタイルの良さ“が価値基準では無くなりました。
また、わたしには8歳の娘がいるので、イメージだけでなく、実際に娘を抱きしめながらワークを行うこともあります。娘も母親に抱きしめられて落ち着くようです♪
スタイリストの仕事は「子育てと両立できない」と言われてきました。スタイリストと同じくらい子育てもしたかったわたしは、どうにか両立の道を切り開いてきました。田舎暮らし、子育てしながら、というスタイリストとはかけ離れたように見えるライフスタイルですが、パーソナルスタイリスト(同行ショッピングやファッションアドバイスなどを行う仕事)の認知度の向上やリモートワークの広がりなど時代の変化が味方をしてくれて、可能性がどんどん広がっています。
わたしは子連れで同行ショッピングに行くこともあります。母親の仕事を間近で見ることは子どもにとって貴重な体験になっています。また、リモートワークのため、家で子どもと一緒にいる時間が長いです。子どもの話を聞いたり、表情の変化に気づいたりする機会が多いです。このライフスタイルは、わたしたち家族には合っているようです。
わたしの経験から「自己肯定感を高める子育て」を心がけてきました。成功も失敗もどちらもマルっと受け入れるようにしています。(“褒める“というより“受け入れる“イメージです。)
目標を立てるより、その時その時を気持ちよく過ごすようにシフトしました。娘は、機嫌のいい子に育ち、この夏休み中も鼻歌を歌いながら、家の中で好きなように動き回っています。表情や体の動きがスムーズで、生命力に溢れている感じです。ママとパパとしか話しませんが、友達とのコミュニケーション能力は高いという唯一無二の子に育っています(笑)女の子らしい服やキャッチーな柄の服が好きで自分で選んだ服でおしゃれを楽しんでいます。
1度、保育所時代に、娘が友達に耳元で「ブサイク」と言われたことがありました。その友達はその時期にみんなにそう言って回っていたそうです。その時は、娘は寝つきが悪くなり、「うんうん」唸りながら浅い眠りを繰り返していました。起きている時に自分の思いをわたしに言葉にして伝えたり、絵に描いて伝えたりしているうちに、嫌な気持ちが心の外に出たようで、おそらくトラウマにはなっていないと思います。
まだ8歳の娘、心と体の大きな変化はこれからですが、小さい時期に、母娘で過ごした濃密な時間は一生の心の土台になるでしょう♪
自分の経験はすべて役に立つ。自分が嫌だったことは人にしない。これがわたしのモットーです♪
今、第2子を妊娠中で、日々変わる自分の体型を幸せだと受け入れられているのは、心の土台作りをしてきたから。発信も続けてきて、みんなと共有してきたから、その土台は簡単には崩れません。
ハッピーマインドの妊婦さんが増えれば、少子化問題の解決の糸口にもなるとも思っています♪
心の土台をしっかり作っていれば、マタニティ期だけでなく、産後や年齢による「容姿の変化」も前向きに受け止めていけると思います。子育てがしんどいだとか、年を重ねることが嫌だとかいう日本人が多いですが、そんなマインドを吹き飛ばしたいな。そして、大人の前向きな言葉が、子どもたちに降り注ぐようになれば、生きる力の強い子どもが増えていくでしょう。
初めにあげた「ダヴ」のアンケートで「自信がないから、やりたいことを諦めたことがある」という回答結果がありました。
思春期は容姿の変化で自信を無くしやすい時期でもあります。挫折することもあるでしょう。けれど、何歳からだってやりたいことはできるのです。やりたいことに容姿は関係ありません。どんな容姿でも好きなファッションを楽しむこともできます。
わたしもスタイリストになることを1度あきらめたことがあるんですよ。それでも諦めなかったから夢が叶いました。スタイリストになったことはゴールではなく、どう生きるからわたし次第です。容姿のコンプレックスを克服してからは、できることがどんどん増えています♪
もし、あなたの心が弱っていると感じるなら、1番居心地のいい場所に身を置いてください。気持ちのいい言葉を投げかけてくれる人と一緒にいてください。そして、心の土台を順番に積み上げていってください。
わたしたち大人も、子どもたちが生きやすい世界を作るために、前向きに生きる姿を見せていきますね。
人と地球をHAPPYに
「アポルテコーデ マルシェ🇫🇷」主催
エシカルファッションスタイリストあられ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?