「高速フェリー」就航・北陸新幹線開業に間に合わず むしろ好機
来春(2015年)就航予定の、小木~直江津航路の新造高速カーフェリーの就航日が4月21日と決まりました。
3月14日の北陸新幹線開業に間に合せてほしいと、佐渡市や上越市の関係者は要望していましたが、間に合いませんでした。
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20141128148094.html
マスコミも「北陸新幹線開業に間に合わず」と見出しを打っています。
しかし、僕はこれはむしろ良かったと思っています。
新造高速カーフェリー「あかね」
先ず、新しく小木航路に就航するのは「双胴船」と呼ばれるタイプの高速カーフェリーです。先日、一般公募の中から「あかね」という愛称が決定しました。
これまで、直江津~小木はカーフェリー「こがね丸」が2時間40分で結んでいました。(新潟~両津の「おけさ丸」も同じく2時間40分)
これが「あかね」になると1時間40分となり、所要時間が1時間も短縮になります。
これに、北陸新幹線開業も絡めば、「佐渡への誘客」に強力な後押しとなる・・・という事なのだと思います。
しかし、北陸新幹線との連携には、不透明な部分があります。
上越妙高駅の位置と乗り継ぎの懸念
北陸新幹線は「直江津駅」よりずっと内陸・脇野田にある「上越妙高駅」に停車します。「直江津駅」から佐渡汽船のりばのある直江津港までは車で約6分だったところが、上越妙高駅からだとバイパス利用で約20分。現時点では上越妙高駅から直江津港までの連絡バスについてはまだアナウンスがありません。
以前、頸城バスが検討していると言っていましたので、運行はされると思いますが、所要時間・運賃はまだ不明です。乗り換え時間等々を考えると、少なくとも30分はかかるかと思われます。
また、既に報じられている通り、北陸新幹線の速達タイプは上越妙高駅には停車しません。こちらもまだ運行ダイヤが発表されていませんが、新幹線→連絡バス→カーフェリーの乗り継ぎが上手く行かないと、せっかくの1時間短縮も意味がなくなってしまうかもしれません。
(この辺は、JR、佐渡汽船、バス会社でうまく連携して欲しい所です)
首都圏からの最短ルート
しかし、「あかね」就航のインパクトはかなりおおきくなると思います。
佐渡汽船では既に高速船「ジェットフォイル」(両津航路/以前は小木航路にも就航)、「あいびす」(両泊航路)が就航しており、共に65分で結んでいます。
しかし、「ジェットフォイル」と「あいびす」は、車を積むことが出来ません。しかし「あかね」は高速カーフェリー、車を積載できます。
首都圏から自家用車で佐渡へ行こうとする場合、関越道~北陸道で新潟か、関越道~上信越道で直江津に来ることになります。
東京からだと、直江津も新潟も、所要時間:高速料金とものほぼ同じです。つまり、カーフェリーが1時間短縮となる小木航路が、首都圏からの最短ルートとなります。
さらに中部・関西方面からも、北陸道・東海北陸道と繋がっています。
PRするタイミング
「あかね」の価値がもっとも感じられるのは「車が積めて、最短時間」という点です。この点をPRするのであれば「北陸新幹線」に強引に絡めなくても良いわけです。
むしろ、「北陸新幹線開業」に合せて就航すると、どうしてもマスコミも世間も新幹線に注目が集まります。
であれば、4月下旬という大型連休目前・春の行楽シーズンのこの時期にこそ「新高速フェリー“あかね”就航」「首都圏から佐渡への最短ルート誕生」と大々的にPRできると思います。
ただ「あかね」は1隻のみです。このため、両津航路のように便数を増やすことはできません。(現在の1日1.5往復から1日2往復くらいになるようです)
また、小木地区は佐渡の中でも魅力的な観光集積地です。しかし車を持ち込む観光客は、小木地区以外もあちこち回りたいでしょう。(また運賃・航送料も・・・)
そこで、「小木航路:あかね」と「両津航路」のカーフェリーを組み合わせたセットプランなんかも出来るといいな、と思ってます。
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