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最新戦法の事情 【居飛車編】(2021年1月号 豪華版)

どうも、あらきっぺです。

タイトルに記載している通り、相居飛車の将棋から最新戦法の事情を分析したいと思います。

なお、当記事の注意事項については、こちらをご覧くださいませ。

前回の記事は、こちらからどうぞ。


最新戦法の事情 居飛車編
(2020.12/1~12/31)


調査対象局は102局。それでは、戦型ごとに見て行きましょう。


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◆角換わり◆
~△3三金型早繰り銀が要注目!~


17局出現。12月に入ってから、ガクンと出現率が落ちました。11月と比較すると、26.1%→16.7%と急落しています。

この数字から読み取れるように、環境に変化が訪れています。まず、先手は腰掛け銀よりも早繰り銀のほうが採用数が多くなりました。具体的には、腰掛け銀は3局、早繰り銀は8局です。これは、腰掛け銀ではなかなかアドバンテージが取れなくなってきていることが主な要因だと考えられます。


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腰掛け銀で優位を掴めない理由は幾つかあるのですが、その中の一つに基本形の将棋で攻めが上手く刺さらなくなっていることが挙げられます。詳しい解説は、以下の記事をご参照くださいませ。

こういった事情があるので先手は早繰り銀に鞍替えする動きが活発になっているのです。

なお、早繰り銀も簡単にリードを奪えるとは言えないのですが、この戦型は「玉を固めて先攻する」という将棋に誘導しやすいので、こちらの方が先手番らしい戦い方が出来る印象を持っています。詳細は、下記の記事をご覧ください。参考になれば何よりです。

ただ、現環境では後手にも面白い作戦があり、これが先手を悩ましています。それは、△3三金型早繰り銀ですね。(第1図)

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よくある定跡形の将棋は△7七角成と指すものなので、図の△3三角は風変りな一手です。△3三金型早繰り銀を採用する場合は、まず、この手を指しましょう。

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既存の感覚では、これは▲同角成と取られて損という認識でした。なぜなら、角換わりにおいて3三にいるべき駒は銀だからです。要するに、後手は愚形になってしまうので冴えないと見られていたのですね。

しかし、[▲3三同角成△同金]と進むと、後手は一手得することが出来ます。(先手は角の移動で手損する)そこで得た手得を活かして速攻に打って出れば面白いのでは? という思想が、△3三金型早繰り銀の骨子となる考え方になります。(第2図)

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△3三金型早繰り銀は、まず第2図の形を目指すことが基本です。なお、△9四歩に代えて△4二玉も普通ではありますが、後手は居玉を維持しておく方がバランスが良い意味があります。

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さて、先手としては「△3三金」という愚形を咎めに行きたいですね。あの配置の欠陥を突いてしまえば、後手の作戦を根本から打ち崩すことが出来るからです。

そうなると、▲3七桂が最も王道と言えるでしょう。将来▲4五桂と跳べば金に当たるので、通常の角換わりよりも威力が高いですね。

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しかし、▲3七桂には、当然後手にも策があります。具体的には、△4四歩▲4八金△5四角が有力な対応。結論から述べると、すでにこの局面は後手が一本取っていますね。(第3図)

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