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最新戦法の事情【豪華版】(2020年4月号・振り飛車編)

どうも、あらきっぺです。

タイトルに記載されている通り、振り飛車の将棋を見ていきましょう。

なお、当記事の注意事項については、こちらをご覧くださいませ。



最新戦法の事情 振り飛車編
(2020.3/1~3/31)


調査対象局は64局。2月よりも12局増加しました。それでは、戦型ごとに掘り下げて行きましょう。


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◆先手中飛車◆


8局出現。2月は1局のみ出現という衝撃の数字でしたが、3月ではそれなりの数字に戻りました。

居飛車は超速系統の作戦が主流で、それにどう対抗するのかが先手中飛車のテーマです。基本的には▲6六銀型に構える将棋が多いのですが、これは以下の局面になったときに、どうするのかという問題があります。(参考図)


最新戦法の図面

この局面は2019年10月頃には活発に指されていたのですが、そこを境に対局数が徐々に少なくなり、今年に入ってからはめっきりと見かけなくなりました。

理由としては、

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(1)5五の歩が負担になりやすい。 
(2)居飛車は桂が容易に活用できる。
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これらの要因が振り飛車にとって面白くないので、先手は避けるようになったと考えられます。


そこで、現環境は参考図ではない駒組みを模索する動きが顕著です。(第1図)

最新戦法の図面

2020.3.26 第46期棋王戦予選 ▲黒沢怜生五段VS△佐々木勇気七段戦から抜粋。

例えば、このように早い段階で5筋の歩を交換する手法は一案と言えます。どのみち5五の歩が負担になってしまうのであれば、さっさと交換した方が戦いやすいという判断ですね。


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