みだし

最新戦法の事情【豪華版】(2019年2月・振り飛車編)

どうも、あらきっぺです。最近は日中が暖かいので、過ごしやすくて良いですね。

それでは、さっそく本題に入りましょう。

なお、当記事の注意事項については、こちらをご覧くださいませ。


最新戦法の事情 振り飛車編
(2019.1/1~1/31)


調査対象局は62局。それでは、それぞれの戦型ごとに見て行きましょう。


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◆先手中飛車◆


18局出現。1月に最も多く指された振り飛車です。先手振り飛車のエースの座を確固たるものにしていると言えるでしょう。

先手中飛車は、11月頃から左美濃と△6四銀型を掛け合わす作戦に手を焼いている状況が続いていました。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。


しかし、1月に入ってから、その流れが変わりつつあるのです。(第1図)


2019.1.19 第12回朝日杯将棋オープン戦本戦 ▲久保利明王将VS△行方尚史八段戦から抜粋。

この△3三歩型の状態で銀を繰り出す指し方が、中飛車にとって厄介な作戦です。もし、△3四歩型であれば、5筋の歩を交換しやすい(角がぶつかりやすい、3四の歩を狙いやすいといった恩恵がある)のですが、△3三歩型では、そうもいきません。


第1図から▲5七銀→▲6六銀型を作ればすぐには潰されませんが、そうなると後手は高美濃に組んで、例の理想形を目指してきます。


という訳で、久保王将は▲6六歩△6四銀▲6七銀というマッチアップを選びました。以降は、互いに玉を美濃囲いの中に収めて、陣形整備に勤しみます。(第2図)


先手は▲6六歩を突いてしまうと、自分だけ角道が止まっているので面白くないように見えます。ですが、この場合は後手が早めに△6四銀型を作っているので話が違うのです。


具体的には、ここから▲6八角△8四飛▲7七桂と指すのが、後手の△6四銀型を逆手に取った構想です。(第3図)


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