無給医をはじめとする大学病院の医師の待遇の解決への糸口

無給医問題をはじめとする大学病院の勤務医の待遇についての解決策をTwitterで募ったところ、沢山の回答を頂いたのでご紹介します。

無給医からの訴訟が相次ぎ、全国の病院がそれに恐れをなすところまで行かないと、実行力はないのでは。
違法であるということはわかっていながら、何十年も放置されていたので、適法かどうかは最早経営者は気にしていないと思う。(医師1~9年目)
大学病院への受診制限(完全予約紹介制)、大学病院受診時の自己負担増(保険費適応、1回の外来受診1科あたり1万円、入院1日に付き5000円)(医師10~19年目)
大学病院に勤めている。厚労省が取り締まるしかないと思う。業務の範囲の明確化が必要。
大学病院自体が給与が不当に低いことも原因。
大学の給与をしっかりとせめて月額手取り40万くらいには上げて、大学の人減らす。業務も極力減らして、スタッフは自分の仕事自分でやるようになるべくして、出来ないことはクラークさんに任せる。下の医者に振る業務は最低限にする。
これを徹底できるには取り締まるしかない。つまり厚労省から圧力かけてもらい給与水準を上げる→大学の人を減らすしか無くなる→大学の医者を減らすしか無くなる→賃金の安い事務員を増やすしかなくなる→仕事を減らすしか無くなる→無駄なことから減る。(医師1~9年目)
大学院生の時給が上がって、院生にも外来時給出せばそれなりに問題としてはレベルが下がる。デメリットは、スタッフの雑務が増える。大学で勉強したい医者の枠が狭くなる。私が今まで見てきた中で、大学に残りたいと本気で思っている人間は少数派です。医師が結局は厚労省に直訴する、もしくは自分がそういった待遇にならぬよう身をうまく振る、しかないと思う。(医師1~9年目)
・医師の名義貸しから含めて、本来あるべき配置数が実態として不足しているのを官民挙げて誤魔化してきたのが遠因。一つ誤魔化す為に医局の人事支配という労働者斡旋に関わる不正についても誤魔化す必要に。
 現状を肯定して少しずつ改善する常識的対応では生ぬるい。現状否定、現状評価(足りない事に正直に、名義貸しも不足に数える)からはじめる。
 せめてこれ以上医師が死ぬ前に、HIV感染同様に、雇用の自由に制限課してILO111号条約を批准出来る国内環境作りを司法も協力して欲しい。
 勤務医の過労死は戦後直ぐ始まっています。例)昭和20年代にある県の結核療養所医師が立ち去りサボタージュで孤立して100名越える入院患者対応で過労死。昔からみて見ぬ振りが真面目な医師の使命感を利用しているんです。(医師 20年目以上)
・大病院が高度医療と研究の双方を行っており、大学院生など本来研究に従事すべき医師が臨床業務に低賃金で忙殺されてしまうという状況と解釈している。ただ、日本の保険診療が現状の低価格、アクセス良好、それなりに高品質の3つの要素を保ったままこの問題を解決するのは実際のところ困難のように思う。医療に対するアクセス制限を設けて臨床医の仕事量を減らす、もしくはコメディカルやパラメディカルに対してタスクシフトを進めて医師がするべき業務を分散させるなどは現実的かもしれない。もしくは医療費の患者負担を上昇させて、保険点数を上げるなど(おそらく無理だと思うが)。日本の政治が大学予算や医療費の抑制政策を続けていく以上、現状の医療体制を維持したままこの問題を解決する手段は残念ながら思い浮かばない。(医師 10~19年目)
・医療経営コンサルにて経営状況を把握してた経験から言えば、大学病院における本件は、看護職の給与(ボーナス)を数万円単位で減らすだけで大きく解決に向かう。
看護職は職員の約50%占めており病院経営幹部に厚遇を受けている状態。これは手当だけでなく働き方や手技等も。
事実、診療報酬においての寄与率と還元率の関係性が大学病院の医師を遥かに超えている。
ただし需要供給にて給料が決まる側面から考えると致し方ない点もある。しかしその側面で論述すると医師も少ないが、労基法や労基署が味方せず、モラハラや専門医取得しないといけないなどの無駄な競争環境から搾取し続けられた結果、数十年前の看護職の政治的運動を発端に現在まで優遇を許してしまってると考えられてます。
極論を言えば、保険点数が足りない。(医療経営コンサル)
・まずは世間一般が医師も労働者であることを認識することが大切。労働に対する対価は支払われるべきであり、勉強のため、将来のためといった言葉で無給または低給与で働くことを当然としてきたこれまでの慣例を完全に排除することが大切。(大学院生)
・医学部の教員と付属病院勤務医の分離(兼務不可)と付属病院の診療報酬の引き上げ(医師 10~19年目)
・看護師、パラメディカルの業務を拡大する(医師 10~19年目)
・根本的には、大学病院における医師の仕事内容の改善が必要。大学院生が臨床を手伝わなければならない診療体制に問題がある。(医師 10~19年目)
・研究も仕事とみなした上で完全に出来高制の給料体制にし、さして仕事をしていないのに時給が高い人物を職種問わず解雇すれば良いと思う。(医師 1~9年目)
・急性期病院の集約化で総ての診療科で常勤専門医の交替勤務制による24時間対応体制を整える…そのためには、原則、急性期病院は2000床規模にする。(医師 20年目以上)
・大学院生としての時期と病棟業務や外来業務などの医師としての仕事をする時期を完全に分離する。
 ①医師として仕事をする時期:(肩書き上、院生ではない時期)は、現行の無給医・低給医制度を廃止して仕事量に見合った給与を支払わう。外病院などの外勤は+αの収入で考えられるレベルまでには病院から給与を支払せる。(外勤しないと生活できないレベルの病院給与は言語道断) 
 ②大学院生としての時期:あくまで「学生」の立場として、臨床業務からは完全に離れる。(研究としてのデータ収集として臨床に関わる場合はその限りでは無いが、臨床業務に責任を持たせない)この時期はあくまで「学生」なので、病院からの収入は最悪なし・所属・入局しているという意味で現行程度の収入で構わない。外勤先からの給与も含めて生活できるようにする。外勤のバイトは切れないが、研究する日数が現行より圧倒的に増えるので、研究により集中できる(1週間のうち4〜5日は研究、1〜3日を外勤など)
(医師 1~9年目)
・医者の最低時給1万円以上(バイトの一般的な相場)を義務にする。サービス残業が発覚した場合は院長、事務長に刑事罰を科す。(医師 1~9年目)
・保険医療費を増やす、大学を自由診療にする。(医師 10~19年目)
・診療報酬の抜本的な改正。まず大学が儲からないと給料払えない。女性医師の離職問題を含めた人員不足の改善。(医師 10~19年目)
・医師の仕事を全体として減らすなど、全てにおいて現在が異常だという認識を高める。(医師 1~9年目)
・労働基準法に関して勉強会やメーリングリストなどで周知する。(医師 10~19年目)


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