見出し画像

戦争と不思議な体験と

「凪良ゆう」が好きだと言うと
これまでどういう恋愛したきたかかバレる。

どうも 荒木です。

学生の頃、この時期は夏休みの宿題に追われていました。
漢字の書取り、あれは未だに必要性が分からない

8月も終盤、この時期になると毎年日本のメディアでは度々太平洋戦争の特集を組む。もう数十年すればこの国から戦争経験者は居なくなってしまうこの時代だからこそ、記憶を後世に残すためにもこういう報道には意義がある。と、私は思う。
非常にセンシティブな題材だけど、今日はふと思い出した戦争にまつわる話をしたい。


私が中学〜高校生ぐらいの頃に母が体験した話で、当時の母は40代だったと思う。
ある晩に母がふとテレビを付けると、終戦記念特集の番組がやっていたそうな。恐らく太平洋戦争にまつわる番組だったと母は記憶している。

(ここから先は母談、聞いたまま記載する)

なんとなく流れる映像をそのまま見つめている際中、途端に別の意識に襲われた。視界のチャンネルが切り替わるように、見ていた景色が居間のテレビから急に見覚えのない住居に移った。
まるで母が、母ではない誰かになって、そこに居るような不思議な感覚。
視界が変わると同時に、瞬時に、とてつもなく悲しい気分に襲われた。
そこに居る自分は見覚えのない男性の写真を握りしめていて、どうやら泣いているらしい。視界に映った自分の膝元は古い生地の、まるでモンペのようなものを履いていて、俯瞰ではなく主観的に、軍服を着た男性が写る写真を見つめただただ泣いていた。

再び途端に視界が変わる。
見慣れた居間でテレビを眺める自分に意識が戻った。
普通ならここでパニックになるし、私なら居間から飛び出す、速攻娘の私に飛びつく。
しかし母は、飛んで行った意識の中で感じた悲痛から抜け出すことができず、そのまましばらく呆然としていたらしい。

この一瞬で体験した出来事は果たして夢だったのか、それとも意識だけ時代を遡って別の誰かの身に起こったことを追体験したのか、はたまた前世の記憶なのか、今になっても母は分からないと言う。

一つ言えるのは、私の母は霊や超常現象の類を全く信じていない。
「そんなものより人間の方がよっぽど怖い」が口癖で、断じてこんな風な冗談を言うような人間ではない。

この話を聞いた時、私の中である想像が起こった。
仮にそれが母の前世の記憶の一部だとするなら、意識が飛んだ先が太平洋戦争の頃だったとするなら、あの女性は果たして天寿を全うできたのだろうか。母が生まれた年代から逆算すると、恐らく40歳前後では亡くなっている。当時の平均寿命は今よりずっと若いけど、それにしても少し早い。
悲しみに打ちひしがれるあまり自分で命を終わらせてしまったのか、はたまた戦争の犠牲になってしまったのか、誰にも真相は分からない。
最も、輪廻転生なんてものが本当にあるかどうか自体が怪しいし、こんなことを推測し始めたらキリがないのであくまで想像だけど。

一つだけ確実なのは、あの女性は過去に確実に存在していたということ。
正しくは、あの女性と同じように最愛の人を亡くし悲しみに打ちひしがれた人が大勢いたということ。
本当に、大勢、いたんだと思う。

もし本当に前世の記憶ならば、今世の母があの女性のような体験をせず、天寿を全うして欲しい。

もちろん来世も。そのまた先も。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?