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多魚種に通用するルアーを紹介したいって話③ ラパラ・カウントダウンシリーズ

世界で最も多くの魚を釣り上げているかもしれないルアーのひとつ・カウントダウン。1965年にファーストロットが発売されて以来、50年以上に渡って無数のフィッシュイーターを虜にし続けており、日本最大の釣具チェーンである上州屋からAmazonなどのネットショップまでありとあらゆるお店で取り扱いの続いているルアーですから今さら解説不要かとも思いましたが……意外と最近の10代〜20代アングラーは投げたことがないなんて話も耳にしますので、今さらながらオススメ記事を投稿したいと思います。あらゆる肉食魚に対して効果的なこのルアーは、各魚種・各釣法ごとに細分化されたタックル・技法を駆使する現代のルアーフィッシングにおいて、同じ使い方で数多くのフィッシュイーターに通用するという点で逆に(?)革命的ですらあるかもしれません。

▲東京湾奥、某川を遡ったところでカウントダウンに反応したシーバス。

カウントダウンはその形状からシンキングミノーに分類されますが、実質的には細長いクランクベイトです。ただ巻きでブリブリと力強くボディを振る反面、ロッドアクションにはあまり反応しません。この特性は最小サイズのCD1から最大サイズのCD11まで共通です……たぶん(筆者が使用しているのはCD3〜CD9のみで、最小サイズのCD1と最大サイズのCD11は所有したことすらないのです。CD1はエリアトラウトや渓流釣り、ハゼクラなど幅広く使用できそうですし、遠からず入手したいですが)。そのため、投げた後は狙いたいレンジまで沈めた後、ただ一定の速度で巻いてくるかストップ&ゴーを繰り返すくらいしかできることがありませんーーけれど、それなのに数多くの魚を連れてきてしまうのがカウントダウンの名作たる所以です! 使用者の力量を問わず、ただ「投げて巻く」だけで魚が釣れるなんて、理想のルアーといっても過言ではないでしょう。同社のフローティングミノー・オリジナルフローティングシリーズよりも全長に対して重量があるため、遠投しやすくおかっぱりで使用しやすいのも魅力の一つです(当然ながら着水したあと放置していると水底まで沈んで根掛かりしてしまいますので、そこは注意が必要ですよ!)。

▲一定の動きを安定して続けるカウントダウンは、ナマズからも愛されている。

また、装着するフックの重さが変わっても泳ぎがあまり変化しないのもカウントダウンの良さの一つでしょう。狙うターゲットや使用するフィールドに合わせて適切な針を乗せられる、というのは便利ですよね。たとえば初めて訪れるフィールドに投入するのであれば、前後ともにダブルフックに換装しておけば見えないストラクチャーに根掛かりしてしまうリスクを下げられます。イトウやナマズなど大型の魚を狙うなら、太軸のバーブレスシングルフックを乗せる必要がありますが、カウントダウンはその位の調整なら全く泳ぎが破綻しません。特に最近の日本製ルアーはフックの重量も含めてルアー全体のバランスをとっているモノも多く、気軽にカスタムできませんけれど、目の前にある状況に適宜対応するためには、ルアーそれ自体の設計がある程度大雑把(というと語弊がありますが、ボディだけである程度バランスが取れているという意味)な方がむしろ便利なことも多いのです!

▲札幌は豊平川のアメマス。強い流れの中を通したCD-3に食いついてきた。ダブルフックを使用。

とはいえカウントダウンは基本設計が古いルアーですから、今時のルアーと比較すると機能面で物足りないと感じることもあるでしょう。たとえば重心移動機構は備えていませんから気をつけないとキャスト時に回転してしまいますし、障害物にぶつけると容易にリップが折れてしまいます。ただ、あなたがもし肉食魚を狙うルアー釣り師で、このルアーをまだ使ったことがないのならーーとりわけトラウト族やシーバスを主な目標としているのなら――ただ投げて巻くだけで絶大な集魚力を発揮するこのルアーをタックルボックスにひとつ忍ばせておけば、他のルアーが通用しない状況においてもいい思いができるかもしれませんよ!

◆ルアーデータ◆
全長:25mm〜110mm(※最小サイズはCD-1、最大サイズはCD-11。両者ともフックを除いた状態でのサイズ)
重量:2.7g(CD11)〜16g(CD11)
実勢価格:500円〜1700円程度
適合フックサイズ:全長に対して大きめ・太軸のフックを装着しても泳ぎが破綻しづらいのが魅力(筆者の個人的感覚です)。


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