ひとりでギルティギアREV2をこする -ジャック・オー編-

【文字数:約四六〇〇 初稿:二〇二〇/一一/二〇】

『GUILTY GEAR Xrd 公式攻略サイト ジャック・オー』
 https://www.4gamer.net/guide/ggxrd/031723012/

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 皆さんは、対戦格闘ゲームと云うものを、ご存じでしょうか。コントローラーと呼ばれる操縦するための道具を使って、画面の中にいる格闘家などを操り、相手をたくさん殴ったほうが勝ち、と云う、大変に業の深いゲームであります。自分の子供には勧めづらいですね。

 その、対戦格闘ゲーム、略して格ゲーの中に『GUILTY GEAR Xrd REV 2(ギルティギア イグザード レヴツー)』と云う、横文字ばかりで日本人的には意味が分かり辛い作品が有るんですよ。とりあえず、ギルティ、と短く呼んでおけば良いんじゃないですかね。

 そもそも、対戦格闘ゲームの火付け役としては、『ストリートファイターⅡ』(略してストⅡ)と云う超有名作品がございます。私も子供の頃にこのゲームによって脳髄を焼かれ、それがいまだに消えておらぬようでございます。今から二十五年から三十年くらい前の話でございます。年齢がバレますね。私もすっかりオジ、つまり、おじさんになり申した。あの、波動拳もろくに出せなかったような純朴な少年が、今ではギルティなんて闇のハメハメゲーム、もとい、戦術的に相手を画面端へ追い詰めて殴り続けると云う純粋な少年少女には刺激の強すぎるゲームを年月を経て哀しみを増したまなざしと共に黙々とプレイしている訳ですな。

 私はギルティに関してはおおむねオジになるまでプレイしておりませんでした。私が若い頃のギルティに対する個人的な印象は「なんかカッコいいゲーム。おしゃれなゲーム」みたいな漠然とした内容であり、ストⅡではリュウやダルシム、また、KOFと云う格闘ゲームではたぶん京とリョウとテリーのような、ずいぶんと汗臭いと云うか、野郎臭い格闘家ばかりを使っていたような当時の私としては、ギルティとは自分とは関わりの無いブランド品のようなおしゃれなゲームだったように思います。

 とは云え、歳を経る事によって、結局、私の持ちキャラ、つまり、自分の相棒として頻繁に使う格闘家は、ストリートファイターではジュリちゃんになり、さらには、さくらちゃんを使い込んだり、KOFに至っては、クーラ、アテナ、レオナと、女性キャラがおおむね一軍となりまして、野郎とはなんぞや、と云う、趣味まるだしの遠慮なき探求者(意味深)とあいなり申した。

 と云う訳で、歳を重ねた後になると、むしろ、ギルティのカッコ良さやおしゃれ感に惹《ひ》かれるようになりました。さらに、何の気負いも無く可愛くてエロい女キャラを使うようになった私が、現状ではギルティギアの最新作であるREV2をプレイし、その持ちキャラとしてラムレザルやジャック・オーと云った、特殊な性能の女性キャラを選ぶ事は自然の流れだったと云えるでしょう。エロかわいいは正義。

 そんな訳で、最初にはラムレザルを一人で練習し、さらに、CPU、つまり、コンピューターが操る格闘家相手に一人で黙々と戦っておりました。現状だと私のパソコンは画面が一瞬ノイズと共に止まると云う致命的な不具合がそこそこ頻繁に起こっているので、この状態でインターネットを使った対人戦をやるのはまさしくギルティ(有罪)であり、相手に迷惑が掛かるかもしれない事もあり、ひたすら強いCPU相手に力を振るうしかないのでした。新しいパソコンを買えるようになる、その日まで……。

 ともあれ、そのような形式で、ラムレザルの練習をそこそこ続けて、一番強い設定のCPU相手に10連勝し、それを全ての格闘家相手に達成すると云う、若干、マゾい、つまり、自分を苦しめる事が趣味なのか、と、疑われそうな目標を立てたのですが、その過程で、ラムレザルの戦法が最低限ながらも一通り出来上がり、あとはそれを繰り返すだけになりそうな状況になりました。なので、結局、私は新しいキャラを試しに使う事にしました。それがジャック・オーだった訳です。

 やっと話の本題にたどり着きましたね。まあ、この時点で、一般人向けの昔話は終わりであり、後は、オッサンが女性キャラを一人で練習する過程を語ると云う、何が見所なのか分からぬ魔境へと入ります。とりあえず、以下に私の個人用のツイッター(@arakimensei1)にてつぶやいた一連のジャック・オーについての練習風景を転載します(*体裁は修正済)。

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 REV2のジャック・オーを試しに使い始めてトレモのコンボ講座をやっているんだけど「君、投げキャラかよお!」みたいな感想になっている。この歳になって立ちスクリューの練習をする事になるとは…。

 朝練でREV2のジャック・オーの基本コンボ4を100回成功させて101回目をやったらカンストして数字が増えなかった。極みへ…達してしまったか…。天からの眺め…。

 REV2のジャック・オーの基本コンボ8ムズいな…。基本のくせになまいきだぞ! コマンドがムズいんじゃなくて動きがムズい。裏周りジャンプからの連続ジャンプキャンセルによるエリアルコンボって字面だけで強い。

 ジャンプキャンセルによるエリアルコンボ自体は感覚をつかむとむしろ簡単なんだけど「空中カウンターから裏周りジャンプしてコンボを入れてからの~」って枕詞《まくらことば》が付くと辛い。

 と、呟《つぶや》いてからわりとすぐにコンボ成功したのでなんやねん。エリアル前のコンボと後のコンボを分解して練習したのが生きたな。

 かーらーのー、イヤな予感を覚えつつ基本コンボ9のレシピを開いたら「うわあああああああ」ってアスキーアートの人みたいに心がわなないて震えたわ…。特殊かつあまりにも長いコンボにおじ(おじさん)の古びた心はたやすくくじかれたのだった…。[To Be Continued…>

 基本コンボ9は良く見るとそんなに長くは無いのだが…レシピを初めて見た時の「圧」がすごかった。ジャック・オーは設置キャラだから…バリアも張るから…それらを混ぜたコンボを出されると未知との遭遇感がパナかった。

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 以上です。こんな一般人からしたら意味不明な単語の羅列をツイッターへ連投するなんて事をしていたらフォロワーはなかなか増えないですわな。

 ともあれ、要するに、ギルティはコンボつまり連続技が長くて難しいって事です。対戦格闘ゲームでは、一回相手を殴ると、そこから連続して殴り続ける事が出来る場合があり、それをコンボと呼んでいる訳です。

 ちなみに、対戦格闘ゲームは大きく分けると二種類あります。一つ目は、昔ながらの「駆け引き重視」もしくは「差し合い重視」のゲーム。これは、要するに、相手を殴りまくったり、殴られまくったりする前のにらみ合いをしている状態から、どのような攻撃手段で有利を取るか、と云う点を大切にしているゲームの事です。これは要するにじゃんけんと同じであり、それをちょっとおしゃれに云うと「差し合い」や「読み合い」と云う言葉になる訳でしょう。じゃんけんと違う点は、どのようなキャラを使って、どのような間合いで、どのような技を出すかによって、勝ちやすさが変わってくる点や、先出しで一方的に勝てたり、後出しで勝つ事が出来たりする場合が有る点ですね。

 二つ目は、比較的に新しい「コンボ重視」つまり「連続技重視」のゲーム。これは駆け引きの結果として、どちらか一方が相手を上手く殴った後に、そこからどれだけ一方的に相手を連続して殴り続けてヒドい目に遭わせられるかを競う事を大切にしているゲームの事です。コンボゲーと呼ぶ事が多いでしょうね。ギルティギアはコンボゲーの元祖だった気がします。この種類のゲームだと、相手を一回殴るとそのまま延々と殴り続ける事が出来る場合が多いはずなので野獣的な喜びが高まるかもしれませんが、逆に、相手に一度殴られてしまうと、そのまま自分の大切なキャラがコンボによってひたすら攻撃され続けるのを沈鬱なまなざしで眺め続ける事になりがちかもしれません。

 極端なコンボゲーだと「相手に殴られてコンボを決められ続けている間に席を立ってゲームセンターの自動販売機でジュースを買ってくる事も出来る」みたいな冗談なのか本当なのか判別しがたい話が有るくらいです。まあ、これはさすがに北斗の拳とか北斗の拳とかみたいな世紀末ゲームに限った話だとは思いますが、この点を苦痛に感じてしまうなら、コンボゲーをやるのは向いていないかも、と云う事ですね。私もいまだにこの点は苦手な気がします。CPU相手なら気になりませんが、対人戦をやったらどうなることか。

 逆に、コンボを決めた際の爽快感や高度な技術性に楽しさを見出せるのであれば、コンボゲーは最高の形式になり得るでしょう。また、今の私みたいに一人で格闘ゲームを楽しむ際にも、難しいコンボを練習する楽しみが数多く用意されているはずなので飽きにくい利点も有るでしょう。

 そんな訳で、今の私はジャック・オーのコンボを練習する事で、コンボゲーの楽しみを味わっております。世の中にはこんなゲームの楽しみ方もあるんだな、程度の軽い話として、皆さまの人生の憂さを晴らす事がいささかでも出来たのであれば幸いでございます。

 ちなみに、私がジャック・オーを使い始めた時の感想は、

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 ジャック・オー…一撃必殺技…君…ガンバスター的な何かだったんか…? 『トップをねらえ2!』にこんな娘が居たような…? 2はまだ一話しか観ていないけど…。今だと微妙に見づらいよな…2…(話題が逸《そ》れていく)。

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 ギルティ関係無い。これはアニメの話ですな。一般人おいてけぼり過ぎっやろ。しかも一話しか観てないんかい。

 まあ、ギルティREV2は演出面が新しいアニメ並みに美しいと思うので、そこも大きな魅力の一つです、と、キレイにまとめておこう。 ジャック・オーの勝利時の笑顔もカワイイぞ。ヨシッ。

 なお、ギルティは2021年4月に最新作である『ギルティギア ストライヴ』が発売され、内容も一新されるようなので、今からギルティを始めれば、ギルティの世界にどっぷりハマり、さらに、最新の格ゲー環境とも付き合えるかもしれません。ギルティギアの壮麗にして苛烈なる闘争の世界に興味を持たれた方は、引き続き注目していくのも良いかもしれません。

 ただし、ストライヴの問題点としては、いまのところジャック・オーが登場する予定が無い事だ……。ストライヴは萌えキャラを求める層の取り込みが課題ですかな。いや、私は別に、ことさらカワイイキャラを求めている訳では??? くっ、ダメだ。もはや、硬派を気取れぬ。実績が私を軟派野郎だと証明している。まあ、もしストライヴをプレイできそうであれば、適度に自分に合ったキャラを使うつもりです。ラムレザルは出ますし、新しく出るナゴリユキもシブいですからね。[了]

GUILTY GEAR -STRIVE- Trailer#4 - IGN Summer of Gaming(ラムレザル公式紹介動画)


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