あくまでも個人的に面白いと思っている悠木碧さんの声優としての役5つ

【文字数:約三千 初稿:二〇二〇/一〇/二七】

 あらかじめ云っておくが、私はガチの声優オタク、略して声オタと云うほどでは無いはずだ。いわゆる、一般人からしたら声オタに見えるかもしれないが、業界内では一番下、みたいな人種である。

 そんな私がなにゆえいきなり覚醒したかのごとく声優である悠木碧《ゆうきあおい》氏の記事を書き始めたかと云うと、『わしゃがなTV』と云う、声優である中村悠一《なかむらゆういち》氏と、なんだかよくわからない怖そうな人もといライターであるマフィア梶田《かじた》氏による動画番組のゲストに悠木碧氏がご登場なさっておられたからである。以下に参考動画を挙げる。

 実は他にも悠木碧氏がゲストの回が有り、最初にはそちらを視聴したのだが、そちらの方は冒頭からいきなりオチャメな梶田氏がやらかしていわゆるモザイクが掛かるセンシティブな内容になっているので紹介しづらァい! ので、セーラームーン回の方を紹介させて頂いた。

 こちらの動画もキャラの濃いオジサン二人がセーラムーンに囲まれている図なので上級者向けな気がするが、まあ、よかろう。オジサンがセーラームーンを語っても良いのだ。オジサンがローゼンメイデンの銀サマのフィギュアを貯金をはたいて買っても良いのだ。「推しや好きは自由だ!」と三代目メイジン・カワグチばりに主張すれば心が広い人のように思われて得かもしれない。しかし、実際にはどこまで許容できるだろうか……。人類はどこまで分かり合えるのだろうか……。

 ともあれ、悠木碧氏の話である。こうして悠木氏の動画をがっつり視聴させてもらったからには、記事として語っておいても良いのだろう的な精神で、個人的に思い浮かべる、悠木碧氏がご担当なさったアニメやゲームなどのキャラクターの中で特に印象的な役を5つほどご紹介したいと思う。


1.アニメ『じょしらく』の覆面女
 悠木碧氏と云えば、可愛らしい少女系の声が代表的かもしれないが、この役は「ほとんどしゃべらねーじゃねーか!」って感じの基本的にはかなり控えめな役である。しかも、いわゆるカワイイ系のキャラでは無く、たまにちょっとだけ出す「ハッ!」「フッ!」みたいな声も暗かった記憶が有る。「これだけのために悠木碧さんを呼んだんですか……?」とツッコミを入れたくなる役であり、それだけで面白みが有るのだが、話の後半のとある部分でいきなり猛烈にしゃべりまくる。しゃべりまくると云っても、やっぱりカワイイ系の声では無く、なんか怨念こもってそうなくぐもった声である。これは貴重ですね。でも、最後の叫び声はしっかり碧さんでした。安心。


2.ビデオゲーム『三国志大戦』の郭氏《かくし》
 悠木碧氏は職人的に様々な声音をお持ちらしく、例えば、三国志大戦の郭氏の場合には女王様のような気高い声をお出しになっておられる。これがね、悠木碧さんです、って云われないと気付かないくらいに、珍しいし、分からないの。云われても分からないくらい普段と違うんです。今回、この話をする前にも、「本当に悠木碧さんだったよね……?」と不安になって公式ページで確認したくらいである。堂々かつ上品な声音である。


3.アニメ『ベン・トー』の白粉花《おしろいはな》
 ベン・トーはライトノベル原作のヘンなアニメである。一云で説明すると、主に学生さんなどが半額弁当を奪い合うためにガチで格闘する話である。ヘンな話ですね。とにかく、そんな話である。

 ちなみに、私はこの作品の原作一巻を自動車免許の教習所のバスの中にて学生さんみたいな若い人たちの中へ座りつつ読んだ。そして「なんでこの話はアニメ化していないのかな。アニメ向けなのに」みたいな事を思っていたら、後からアニメ化した。さもありなん。

 ともあれ、この作品に登場する悠木碧さんの声はいわゆるいつものカワイイ系女子である。ド直球である。その声はだいたいどかマギ(『魔法少女まどか☆マギカ』)のまどかちゃんである。だから、ヤバいのだ。

 このアニメが放映された当時には、まだ、おそらく、悠木碧さんと云えば鹿目《かなめ》まどか、と云う初々《ういうい》しい状態であり、鹿目まどかはいわゆる純朴かつ聖女的な少女であるので、二次創作ならともかく、公式ではヘンな所は無い。

 しかし、ベン・トーの白粉花氏は、逆に、ヘンの塊みたいな女子である。私の記憶する所だと、主人公の男子をダシにして男同士のアブナイ恋愛を妄想してライトノベルとして執筆するのが趣味という業の深そうな女子である。あと、たぶん、生徒会長みたいな人(学級委員長らしい)と女の子同士のアブナイ関係みたいになっていた気も……? それを、あのカワイイ声のままやる訳だ。ああ、分かっているさ。白粉氏がまどかちゃんとは別人だってことくらい……。でも、

「公式でまどかチャンがヘンタイにーっ!?」

 みたいな思いは禁じ得なかったよ。


4.ビデオゲーム『怒首領蜂最大往生』の陽蜂《ヒバチ》
 怒首領蜂はいわゆる縦シューティングゲームである。つまり、縦長のゲーム画面の上から機械の敵がたくさん出てきて弾丸等で攻撃してくるのを、こちらも戦闘機でズババーンと撃墜していくゲームである。このゲームは元々には硬派な雰囲気だったのだが、途中で「巨大な美少女ロボがボスとして次々と登場して主人公に襲い掛かってくる」と云う予想の斜め上を行く改修を受け、その名残《なごり》みたいなものが今作にも残っている。

 と云う訳で、このゲームの隠しボスとして登場するのが陽蜂である。ヒバチはこのゲーム一連のボスとしてお馴染みなのだが、今作では美少女化している。で、この陽蜂の性格がブッ飛んでおり、いきなり悠木碧さんの声帯で「だだだだだだだだだだぁ!」と叫んで攻撃を仕掛けてくるし、こちらがボムを撃てば「♪ばーりあー! 平気だもーん」と叫び、こちらが撃墜されると「ウェヒヒヒヒヒ!」みたいな感じで笑い、戦闘中に唐突に「わたしのおはなばたけ~!」と叫び始める。当然、超鬼畜な弾幕でこちらを攻撃しながらである。怖い……。公式設定では誰もが好きになってしまう性格らしいのだが……。かくして、彼女はヒバチならぬ「ウェヒヒ蜂」と呼ばれるようになったそうな。

「たのしくなーい、もうサヨナラ!」


5.アニメ『咲-Saki-阿知賀編』の麻雀全国大会準決勝の大将戦の前に親友であるアコチャーからいきなりいつものジャージじゃ無くてちゃんと阿知賀の制服を着てから出場しろと云われてしかも着る制服は自分のじゃ無くて今着ているアコチャーの制服と自分のジャージを交換すると云う要求に対してガチでドン引きした声を漏らす高鴨穏乃《たかかもしずの》

 原作漫画だと「えー!(汗)」って感じの悲鳴なんですけど、アニメ版だと悠木碧さんの声帯で「えぇぇぇ……」と露骨にドン引きしていた感じだった記憶が有る。好き。あこしずジャスティス。


 以上。悠木碧氏の魅力の一端などをお伝え出来たのであれば嬉しい。ちなみに、私は別に声オタでは無い。単なる通りすがりのオタクの出来損ないみたいな者だ。では、さらばだ。次の戦場が待っている。

 あ、忘れていた。普通にカワイイ悠木碧さんと云えば三国志大戦の侯氏ですね。公孫瓚《こうそんさん》の奥さん。

「白馬には傷一つ付けさせないよ!」

 良し。では、そう云う事で。[了]

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<更新履歴>
2020/10/27,11/20:文云等を微調整。

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