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偽りのステータス

 以前面白い話を聞きました。

 ある人が、ある掲示板での車の話題に、「車にはこだわりも無く、ちゃんと動けばいい」と書いたらば、車がステータスな方々から総攻撃を受けたと。まあそんな趣旨の話だったんですが、攻撃を受けた方は大人ですから、人それぞれでいいじゃないのと思ったそうで、それはまあ当然の事として、問題はそこで熱くなった人たちの方ですね。

 そもそもステータスってのは社会的地位や身分。また、社会的地位の高さであって、乗ってる車でその人のステータスが決まるわけじゃござんせん。
 しかしそここそがポイントで、おそらく熱くなった人々にとっては車こそがステータスだったんでしょう。車取ったら何が残るん? ぐらいに。

 まあちょっと、フェラーリやらランボルギーニとかのスーパーカーは、実はお金だけの問題じゃなくて、運用に際しては結構な気合いが要るので別として、ベンツ、BMW、レクサスあたりはもう、なんかドングリの背比べじゃないのかと思うし、ほとんどの人も気にも留めないんじゃないかなあ? 少なくともその程度じゃステータスにはならないでしょ。

 本当にステータスのある人にとって、車なんて自身のごく一部であって、どってことない道具の一つ。金があるから適当なの選んで乗ってるってのがほとんどじゃないですか? アラブの方の本当のお金持ちは、飛行機のハンガーみたいな倉庫に、数百台単位でコレクションしてますよ。金のある家の子供がミニカー集めるのと変わらない。

 つまりですね、見栄です見栄。ステータスなんかじゃない。金持ち程、車なんかで自分を見られたくないんじゃないですか?

 稼ぎのほとんどを中古のフェラーリやらポルシェに突っ込んで、メンテでヒーヒーいいながらも楽しんでる人もいる。でもおそらくそういう人達にとっては、フェラーリだろうがポルシェだろうがステータスだなんて思っちゃいないですよ。人がどう見てるかなんてほとんど関心無い。
 むしろどこをどう弄ったら調子良くなるだろう?  次のメンテはどこを弄ろう? とかね。

 むしろ、車なんか動きゃいい、道具なんだし、普通に買える価格の車なんて、ごく限られたカテゴリーの車以外は、使えば消耗しすり減ってデカいゴミになる。そう考えている人の方が多数派だと思うし、これはバブル以降、より顕著だと思いますね。
 フランス辺りじゃとっくに車じゃ見栄なんか張れないと悟って、高級車なんか無くなっちゃった。
 ドイツでは速度無制限のアウトバーンがあるから、性能に金を払うのであって、ハッタリ効かせる為じゃない。むしろデカいエンジンのベンツ程、エンブレム外しちゃうんだから。

 車で己のステータスを主張しようなんてのは下劣な精神。ほんとに金のある奴は何乗ろうと胸張ってますよ。

 どんな車に乗っていようが、大事なのは中身の人間です。


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