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もしもトマトが冒険に出かけたら
追熟させているトマトを見てふと思った。
「トマトの冒険」
字面はなかなかいけてる気がする。
‐‐‐
毎日毎日同じことの繰り返し。珈琲を飲みながら、いつものため息にも似たつぶやきが口からこぼれる。
何か楽しいことはないかなぁ。
そう言ってはいるものの、日々の暮らしには非常に満足している。
冒険に出たい気持ちも、無いといえばうそになるが、実行に移すほどの熱量は持ち合わせていない。
あぁ、今日もいい天気だ。
そんなこんなで、今日も一日が終わるのであった。
end
‐‐‐
ワタシを主人公のトマトにしたら、冒険に出る前に終わってしまった。
‐‐‐
さぁ、冒険に出発だ!
ドアの横に置いてある刀を手に取り、気合は十分だ。冒険に出ることを夢見て、毎日鍛錬に精を出してきた。
このあたりでは、ワタシにかなうものは誰一人としていない。新しい土地に出発する準備は完璧だ。今まで住んでいた家に別れを告げ、眩しい太陽に向かい歩き始める。
あぁ、いい天気!
澄み切った空を見上げながら歩いていると、足元の石に躓いた。
いてっ
転んだ拍子に、体の皮が破れてしまった。あまりの痛さに顔をしかめる。
ぐぅっ
傷口を抑えている手の隙間から、赤い血が流れ出る。傷はだいぶ深いところまで到達しているようで、体液が後から後からどんどんとあふれ出てくる。
このままだと、種まで流れ出てしわしわになってしまう。
仕方がない、家に帰ろう。
ワタシの冒険は、家から5メートルで終わりを迎えるのであった。
end
‐‐‐
不注意満載の子を主人公のトマトにしたら、冒険に出たところで終わってしまった。
結論:トマトは冒険には向いていない(←
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