緑と白の攻防戦
うちの子は服に興味があまりないので「だぼっとした服やったらなんでもいい」と今まですべての選択権を私にゆだねてきていた。
アンパンマン狂の信者だった頃は、アンパンマンやドキンちゃん、バイキンマンのプリントされた服を色あせるくらい着倒していたけど、それが済んだ後は「服なんて布まとってりゃいいんでしょ?」くらいの温度で洋服とのお付き合いをしてきた子。
なので、ワタシが一目ぼれをした変な猫のシャツとか、変なキャラクターの服を見つけるや否や、ウキウキしながら子に購入していたワタシ。
そういうキャラクターが大好きだけど、自分ではさすがに着れないから代わりに着てもらうことで満足感を味わおうとしていたんだよね。変なキャラクターの服を着ている子は8割増しで可愛く見えるし(←
だけど、なんだか最近、そろそろ違うテイストの服に移行したくなってきたみたいで「服買いに行きたいんやけど」なんていっちょ前なことを言い出した。
せっかく微妙に可愛いキャラをそろえてあげたタンスなのに、お気に召さないだなんて。親子の趣味はなかなか合わないですね…
なんてことを考えながら、服を買いに行くことにした。
1件目
「ちょっと、これ可愛いんちゃう?」
ワタシは緑色のパンツを手渡した。
「もうちょっと白っぽいのがいいなあ」
子は白シャツを手にしている。
2件目
「これよくない?」
ワタシは緑色のシャツを手渡した。
「こっちの方がいいなぁ~」
子は白シャツを手にしている。
3件目
「ちょ、これいいって」
ワタシは緑のハーフパンツを手渡した。
「また緑~?緑すっきやな」
子は白シャツを手にしている。
4件目
「このデザインめっちゃよくない?」
ワタシは緑色のシャツを手渡した。
「いや、これにしようかなと思う。」
子は白シャツを手にしている。
5件目
「あー、このズボンええかんじやん?」
ワタシは緑のズボンを手渡した。
「ん~、これがイイかな~」
子は白シャツを手にしている。
・・・
そんな感じの買い物を終えた帰り道。
車内ではこんな会話が繰り広げられた。
「なんで人に緑の服ばっかり進めてくるん?」
「え?可愛いからに決まってるやん。」
「でも、緑の服、着てるの見たことないで?」
「持ってへんもん。似合わへんし。」
「じゃあなんで人に勧めてくるん?」
「え?自分では着ぃへんけど、可愛い服買いたいやん?」
「ちょっと意味わからんなぁ」
「あんたもな」
「え?何が?なんか変な服買ったっけ?」
「いや、今日どこのお店に行った時も白シャツ手に持ってたで?」
「そう?」
「買ったもん見てみ?」
ガサガサと袋をのぞき込む子。
「ほんまや…今日買った服の半分白シャツやん…」
「途中で教えたったのにこの成果やで?」
「白シャツの呪いにでもかかってるんか?」
「いや、多分大丈夫なはず」
(´ー`) タブン ナノカ…
多分、アウトやと思う。
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