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ラムスデン現象

結構前に描いたけど放置されていたWiiU。

この絵を描いた時は何かネタがあったはずなんだけど、なんだったんだろう?思い出せないなぁ。

なんてことを思いながら、ホットミルクを飲んでいたわけで。暖めるだけで甘くなるなんてオトク!(お砂糖も大量に入れるけど)

でも、牛乳を暖めると表面にすぐ「膜」が張るのがどうも気に入らないワタシ。気分よく飲んでいると、口の中に異物が!となるあの瞬間がどうにもこうにも許せない。一体誰に断りを入れて固まっとんねん?と言いたいくらい気に入らないあの膜。

なので、膜ができるたびにスプーンを使ってよけたり、ふーっと息を吹きかけてコップの向こう側の壁に引っ付けてこっちに来ないようにしながら飲んだりしている。

でも、避けるのは結構難しいので口にペトッとくっつかれて「あ”あ”」と人と獣の間くらいの声を出したり、スプーンですくった後の残骸を見て「ぬ”-」と苦虫をかみつぶしたような声を出したり、飲み終わった後のコップの壁を見て「あ”あ”ぁ”」とやるせない声を出す度に、あの膜が無ければどれだけ幸せだろう…と、遠くの草原を眺める日々を送っている。


そんな牛乳の膜を気にせずに飲み干す人には結構出会ったけど「あの膜が好きだ!」と熱く語る人には合ったことが無かった。四半世紀。

しかし、十数年前に出会ってしまったのだ。あの膜を好んで食す人間に。

そう、その人とは 子 である。

子が小さかった頃、一緒にホットミルクを飲んでいた時に「あ~。膜張ってきたな~。取ったるわな」と、親切心であの膜をスプーンでスッと取り除いてあげたら納得いかない顔をされた。

「え?この膜、美味しくないやん?もしかして食べるん?」

しぶしぶ膜付きのスプーンを子に渡したところ、パクっと口にほおばった後にっこりとほほえんだ。うちの子モデルになれるかも(←

ってそれはさておき、牛乳の膜がたいそうお気に召した子は、その日からホットミルクを作ってくれというようになった。

その場にいる人数分を


子が飲みたいホットミルクは1杯分(子供用の小さめのコップ換算)

後は、牛乳に張った膜を順番にすくって食べる。食べる。食べる。コップに張った膜をとってくれるのはとてもありがたい。

しかし、ワタシはそんなに毎日毎日何杯も牛乳を飲みたくはない。それに、その場にいる人間すべてがホットミルクを受け取ってくれるわけでもない。悩ましい…。

かといって、小さなコップにちょっとずつホットミルクを作るのも面倒だ。


そこでワタシは子のコップ以外のホットミルクでは、子に渡す前に膜を取り除いてしまう作戦に出ることにした。

「はい、どうぞ~」

コップを子がいるテーブルに並べていく。スプーン片手にコップを覗き込んだ子は、不思議そうな顔をしている。それもそうだ。ワタシは他のコップの膜をすべて取り除いてしまったのだから。

「○○のコップ以外は、牛乳の膜出来なくなったみたいやね~。不思議~」

不思議でも何でもない。取り除いたものは無いのが当たり前だ。

「このコップは特別やな~。すごいね~○○のコップ!」

困ったときはとりあえず褒めておけ!ということで、ゴマすりレベルで言えば、すりごまを通り越してゴマから油が出てくるくらいの勢いで褒めちぎる。

「ふふふ~~~」

子は得意そうな顔でこちらを見ている。

チョロいもんだ(←


でも、ワタシは知っている。
「チョロいもんだ」と思っていたのは向こうの方だと言う事を。



あんな小さな頃から軽くかわされていたんだな…

秋の夜長に一人、ホットミルクの暖かさと切なさが身に染みる


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