カップの10

画像1 自立して幸せに充ち満ちて進んでいると、急に速度が上がった。 振り返ると彼が船を押していた。 「押してくれるの?しんどくない?」 互いの存在を意識しながらも、必要以上に寄りかからない。 言葉は少ないが、空気は柔らかく、穏やかだった。 以前は一言一言に意味を見出そうとしていたけれど、今はただその瞬間を味わえる。彼が隣にいることが、言葉よりも深い安心感を与えてくれる。ふと彼が視線を投げかけ、私が微笑み返す。 お互いが自立した存在でありながら、その中に自然に寄り添う愛があることを感じた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?