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最強戦から学ぶひとつうえのベタオリ

最高位戦所属・第38期最高位の新井啓文です。

最初の記事は最強戦の自戦記の予定でしたが、有難いことにキンマwebに載せていただくことになったためどうしよっかな、と考えていたところ。一昨日の最強戦最強の麻雀戦術本プロ決戦から思った所があったので書いてみます。キンマwebの自戦記ももちろんよろしくお願いします。

本記事を読めば勝率が0.0000123%くらい上がるかもしれません。

(以下敬称略)

局面は決勝オーラス。トップ目でラス親を迎えた滝沢の敗退条件をまとめると

放銃:白鳥に満貫・朝倉に跳満・勝又に倍満

ツモ:白鳥の跳満・朝倉の倍満・勝又の三倍満

滝沢は配牌から守備を選択。そして迎えた13巡目。

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前巡、マンズ一色模様の朝倉から9m(場に2枚目)が余ったところです。

この滝沢が持っている9m、極限まで切らない方が良さそうだなーと思ったんですよ。可能なら終局まで。

なぜか?

朝倉の立場に立って考えると、自身が切った9mを滝沢が合わせないと第一感、9mが山にいるように見えると思います。このミスリードを誘いたいんですね。(白鳥、勝又共に9mを持っていないように見えた)

ドラポンして回りが全員受けている。出アガリは期待できそうもない。そんなとき、山に残っていそうなフリテンに受けることってよくありませんか?相手がその思考に及んだ時、ほんのちょっとだけ得できそう。

宣伝したいわけじゃないですが、こんなアガリもよくあるんです(8:00くらいの選択に注目)。

実戦でも朝倉は残りツモ2回のところで選択がありました。

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打1m→36978m待ち、打3m→147m待ち

このとき、9mが山に残っていると思うかどうかで選択は大きく変わるはずです。そこでミスリードを誘発してアガリ逃しさせたら、気持ちよくないですか?

纏めると、ベタオリは高い手に放銃しないことや払うノーテン罰符を極力安くするのが基本。しかしひとつウエノベタオリを目指すなら情報を操作する努力を忘れてはいけません。そのためには可能な限り情報が薄い字牌を捨てたほうがいいでしょう。

「4枚目の数牌を見せないようにようにオリる」のはもはや一般的ですが、その応用とでも言えましょうか。

ベタオリして流局したときに完全安全牌の字牌が手に何枚も残っているそこのあなた。

あなたのベタオリがひとかわむけることを願っています。

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