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パイロットはUFOを見たことがある?

こんにちは、あらいぐま機長です!
今日はくだらない話をします!

『パイロットはUFOを見たことがある?』

テレビ番組なんかで見たことがある人もいると思います。

『パイロットは空を飛んでいて、UFOを目撃することがあるが国家機密なので口外することは禁止されている。』

これについて現役で空を飛んでいるあらいぐま機長が真相を激白します。内容によっては、僕も消されてしまうかもしれませんね。その時は誰か僕の意思を引き継いでください。

より正確にイメージしてもらうために、まずはコックピットの窓がどうなっているのか見てみてください。
こんな感じです。

セスナコックピット

これはセスナの左席から見た窓の外の景色で、切れてしまっている左側後方にももう一つ窓があります。

当然、副操縦士が座る右席にも同じだけの窓があります。
客席の窓から見える景色に比べて、かなり視界が広いと思います。

これにはちゃんと理由があって、パイロットには『見張りの義務』という義務が航空法で定められていて、フライト中は外を見て何か障害物に衝突することがないか常に見張っていなければなりません。

だから外の様子がよく見えるように大きな窓が必要なわけですね。それだけの理由でもないんですけど、とにかくコックピットからの眺めは最高です。宇宙飛行士に次いで、世界で2番目に眺めのいい仕事だと思います。

地上を見下ろしても楽しいし、夜は星がめちゃくちゃ綺麗に見えます。流れ星なんかも、バンバン流れます。

セスナコックピット夜

また自分の機体の近くに他の機体が通るときは、管制官がそれを教えてくれます。管制のことをATCと言いますが、ATCでは

“Animal air 90, traffic your eleven o’clock B777 FL390, 30nm ahead report traffic insight”

とか言われます。日本語に訳すと、「君の11時の方向30マイル先、39000ftにトリプルセブンがいるよ、見えてら教えてね」って感じです。

パイロットの世界では方向を時計に例えて言います。時計を思い浮かべて欲しいんですが、12時が正面で、3時が右、反対に9時が左ですね。だから11時の方向っていうのは、正面かちょっと左側ってことになります。
こういう言い方をすることで単に右とか左で言うより相手機を見つけやすくなります。

とはいえ、30マイル先っているのは54kmも遠くです。そんなに遠くでは大きな飛行機といえども、ほんの小さな点にしか見えません。それをこの広い視界の中で探さないといけないんですよ。

でも熟練したパイロットほどこれを見つけるのが上手いんですが、やはり経験によって小さな物体でも見つけるのが上手になってくるわけです。

だから経験のあるパイロットならば、UFOが近くにいたならばすぐに気づくと思います。

じゃあ本題、あらいぐま機長はUFOを見たことがあるのか?

答えはNo、ありません!

残念です。
でも実は僕のパイロット人生で2回ほど、不思議なものを見たことがあります。

一回目は10年くらい前に、東南アジアに向かっている時、昼過ぎくらいですかね。まだ全然明るい中ですが、東シナ海上で前方に火の玉みたいな巨大が物体が見えて、一瞬目を疑いました。僕は当時副操縦士でしたが、びっくりして『キャプテン!!』と言ってしまいましたが、その時のキャプテンは落ち着いて、『おーあれは隕石だな、珍しい。久々に見たよ。』と言いました。

さすが経験のある機長は落ち着いていてすごいなぁって思ったもんですが、その機長は『この辺(東シナ海)では比較的よく隕石が見えるんだよ。』とか言ってました。その時は『さすがキャプテン!』なんて感心しましたが、たぶん嘘ですね。ある一定の場所に隕石が落ちやすいなんて、そんなわけあるかって気がします。

でもその時は本当にびっくりして、戦争でも始まってミサイルでも降ってきたのかと思いました。
それくらい大きな火球が降ってきていたんですよ。

これはパイロットならではの経験だと思います。そんな大きな隕石でも、地表に到着する前に燃え尽きてしまうか、落ちても海ですからね。一般の人はよほど運がよくないと見れないと思います。

これが僕の1回目の怪奇現象の目撃経験でした。

2回目は北から羽田空港にアプローチをしているときのことです。

みんな知っての通り、羽田空港は東京にある日本最大の国際空港で、降りてくる飛行機も上がっていく飛行機もたくさんあって、羽田空港の周辺は降りてくる飛行機が大行列になって飛んでいます。

その時は夜でしたが、飛行機には衝突を防止するために衝突防止灯というライトがついていて、かなり遠くからでも『あそこに飛行機がいるな』って分かります。昼間は見えないですけどね。羽田空港に北からアプローチする場合、西からアプローチしてくる飛行機が太平洋上にずらーっと並んでいるのがよく見えてなかなか圧巻の光景です。

その時も僕は副操縦士でしたが、ぼんやりそんなことを考えていたら急に機長が

『あそこに明るい物体がたくさん見えるけど、UFOじゃないかな?』

って言い出したんですよ。『まじか!?』って感じですよね。

『いやあれは西からアプローチしてくる飛行機が並んでるだけじゃないすか?』って言ったんだけど、

『いや場所が違う。あれはUFOかもしれない。』

って言うんですよ。『いやどー見ても飛行機だろ!』って感じなんですが、機長にそんな強く言えないし、まあいっかって思っていたら、その機長が

『一応管制官に報告しといて、「10時の方向に未確認飛行物体がある」って』

って言うんですよ。『おいおい嘘だろ!?』って感じですよね。

最近はドローンも増えてきて、違反を犯して高く飛んでいるものもあるし、飛行機がそれに異常に接近したら危険なので、そのことを管制官とか航空局に報告することになっています。
それを思って機長は報告してくれって言ってたんだと思いますが、『いやいやいや、あれは明らかに飛行機でしょ』って感じなんですよ。

それこそあれをUFOなんて報告しちゃったら後で何を言われるか分からないし、『絶対言いたくない…』って思ってたんですけど、やっぱり機長の指示には従わなければならないことになっているし、、で困り果てた挙句

『じゃあもうちょっと近づいてからでもいいですか?やっぱり飛行機だと思うんですよ。』

って感じで、そのままうやむやにしてやろうって思っていたら、空港に近づくに連れてやっぱり飛行機だって機長も気づいたんですよね。そのまま何も言われず、なかったことになりました。

そういうこともあります。
疲れてくると変なこと言っちゃうんですよ。

今日はここまで、パイロットはUFOを見たことがあるのか?
結論として、僕はない!ってことと僕の怪奇現象(?)の実体験でした。

じゃあまた次回!最後まで読んでいただきありがとうございました!

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