#10 「国会の不毛を考える」8/10
金沢市で政治活動をしています『あらい淳志』です。
第10回目のテーマは、『国会』についてです。
今回は、多くの方が感じている政治への不満、不信感の理由を考えます。
【日本の国会は不毛か?】
挑発的な問いからスタートします。
皆さんはどう思いますか?
点数を付けてみてもいいかもしれませんね。
私は、日本の国会はまだ、必要な機能を果たせていないと思っています。
【なぜ、不毛だと感じるか?】
先に断っておきますが、国会が無駄だと言いたいわけではありません。
必要ですし、一定の機能は果たしています。
ただし、求められる改革を実現できていないのです。
少子高齢化や過疎化、デジタル化など、課題は山ほどあるのに、そうした状況を改善できないことに対して、国民はいら立ちを感じています。
仕事は山ほどあるのに、与野党が疑惑やスキャンダルの話で足を引っ張り合うような風景は、国民が期待をするものではありません。
「そんなことより先に、もっと大切なことがあるだろう」と思うわけです。それができない国会と国会議員に、不信感を持つのは、私は当然だと思います。
【まずは現状把握から】
皆さんの不満は、よく分かります。この状況は、変えなければいけません。
ですが、その前に、考えないといけないことがあります。
「なぜ、こんな不毛な国会が、政治の世界では当たり前に通用しているのか?」ということです。
私はさきほど、「国会は無駄ではない。一定の機能を果たしている」と指摘をしました。
意味があるから、今の仕組みが、なんだかんだで続いているわけです。
強いて言うなら、今の国会は、政治の世界に強い関心を持つ『専門家』にしか分からないような代物です。
政治にそこまで関心を持たない、普通に働くサラリーマンや主婦や学生にとって、国会は直感的には理解できないものです。
内側に閉じてしまっています。国民に開かれていません。
だからこそ、平成の間、日本の国会は、国民と政治との接点を広げ、改革力を高めようと「政治改革」を進めてきました。
「平成の政治改革」と呼ばれる動きです。
この改革がまだまだ道半ばなのが、現状だと思うのです。
現状を把握しないと、正しい改善策は出てきません。
まずは、今の国会がどんな仕組みで動いているのか、一緒に見ていきましょう。
『アリーナ型』or『変換型』
政治学では、議会の仕組みは、その機能に応じて2種類に分類されます。
『アリーナ型の議会』と『変換型の議会』です。それぞれ簡単に解説します。
まずは『アリーナ型』から。
『アリーナ』を別の表現にすると、『劇場』になります。
『劇場型の政治』。どこかで聞いたことがありますね。
劇場は、『観客』に見せるものです。この場合の『観客』とは、すなわち『国民』です。
アリーナ型の国会は、国民に向けて行われます。争点を提示し、選挙を通じて国民の選択を求めるわけです。
議会で、法案が修正されることは、多くありません。
多数派が一貫して政策を成立させる力を持ちます。
その代わり、審議を通じて争点が示され、選挙によって政権交代が起こることで、多数派が入れ替わり、政策の修正が起こります。
代表的な国は、イギリス議会です。
次に、『変換型』。
文字通り、国会を通じて、『民意』を『法案』に変換していきます。
アリーナ型が多数派の政策を一貫して実現させていくのに対して、変換型ではしばしば、法案の修正が行われます。
本会議の前に、『委員会』で議論をし、党派を超えて法案の修正協議が行われます。
議員は、自分の判断で政策への賛否を示し、勝ち取った成果をアピールしながら、自分の選挙を戦います。
代表国は、アメリカ議会です。
アメリカは大統領制です。
議会は議会で、それなりの力を持っています。
大統領が進めたい政策が、議会で反対されて実現しない、修正されるようなこともしばしばです。
日本はどっち??
アリーナ型か変換型か。どちらが優れているかという、明確な答えはありません。
その上で、日本はいったい、どちらだと思いますか?
次回は、戦後以降の日本の国会の仕組みを解説します。
日本の国会は、『アリーナ型』か『変換型』か。
ちょっとしたクイズです。
皆さん、ぜひ考えてみてください。
政治好きの皆さんは、昭和から平成にかけて、その変遷を考えてみても面白いかもしれません。
それではまた明日。
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