忘れっぽい私や誰かのための短い読書 11

 多くの瞑想体験者は、体験後は広い視野で物事をとらえることができたり、恐怖や不安の感情に飲み込まれないようになったり、衝動的に過剰な反応をしてしまう傾向が抑えられるようになります。そしてそれらの変化は、実際に脳内で起きた変化として科学的に証明されているのです。
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 当たり前のことですが、私たちの生活は瞑想をしているときよりも、していないときの方がずっと長いです。私たちは瞑想をしていないときでも、常にマインドフルな状態でいられるようにすべきなのです。
 日常生活をマインドフルにするには、一見複雑に見える仕事や、一見ややこしく見える状況でも、「今、ここ」で何をやるべきかに集中すると、次第に次に何をすべきか見えてきて道が開けます。
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「今、ここ」に目がいっていない人ほど、迷ったり悩んだりしていることが多いです。そういう人は、大きな言葉で考えてしまう傾向にあります。「仕事をやる意味はなんなのか」「人生の目的とは」といった感じに。
 未来への不安や過去の失敗など余計なことは考えず、今、何をしたら自分の人生が良くなるかに集中することが大事です。「今、ここ」に集中していると、考えていることや感じていることを客観的に観察できて、心と体が休まり、ストレスや緊張から解放され心が穏やかになります。
 例えば、お茶を飲んだらほっとした、お風呂に入ったらゆったりした気持ちになった、掃除をしたらすっきりしたなど、些細な瞬間に集中して「今、ここ」を感じれば、それは日常の中で瞑想をやっているようなものです。  

茂木健一郎 脳を鍛える茂木式マインドフルネス

 


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