S-WORKS SL8 ターマックのインプレ

備忘録がてら記事にします。

■買ってよかったと思えたか?
まず一番初めにSL8買って、正直なところどうなのよ?
という点が気になると思う。

結論を言えば、
「最近やっと買ってよかったと思えるようになった」

含みのある言い方で大変申し訳ないが、
素直にこういう感想に落ち着いた。
詳細は下記に。

■買った直後の感想
めちゃくちゃ進まない

これが購入直後乗った感想だった。
重量が軽くなり、さぞかし速くなるのだろうと考えていたが、
そんなことは全くなかった。

いろいろなペダリングを試した。
トルクをかけたり、ケイデンスで漕いでみたり。
どれもしっくりこず、スクルやオストロよりも進まないという感想しか生まれなかった。

ネットや動画では、とにかく平坦だろうが上りだろうが
なんでも速く走れますと言われていたり、

どんなペダリングをしても推進力に変えてくれるといった記事が目立ち、
期待に胸を膨らませていたが、一気にその胸はしぼんでしまった。

正直買って後悔していた。

■唯一感動した乗り味
平坦も坂も遅いと感じた。
しかし1点だけ、これまで乗ってきたどのバイクよりも優れた点があった。

乗り心地の良さだ。

荒れた路面でも地面からの突き上げがかなりマイルドになっており、
通常なら手がしびれるくらい振動を感じる路面を走行しても、
ほぼダメージがない。

さらに、これは自分の感想でしかないが、この乗り心地の
おかげか、トラクションがかなりよいと感じており、
荒れた路面でも速度の低下をだいぶ軽減して走ることができているように感じた。

これまで自分は乗り心地は二の次に考えており、
特に重要視していなかった。
しかし、SL8に乗ったことにより、もう乗り心地の悪いバイクに乗りたくない
と思えるくらいに考え方を改めさせられた。

この一点だけは、乗り出し直後から感じることができた、SL8の良さといえる。

■実際のタイム
いろいろな峠に行き、
スクル、オストロ、SL8のタイム差を比較してみた。
全く同じパワー、風向き、体調を合わせるのは難しいため、
あまりあてにはならないが、各バイクの乗車回数は最低4回を測定値とし、
その平均で数値を見てみた。

その結果、面白いほどタイムが拮抗していた。

結局いかにバイクの性能があがろうが、エンジン次第なんだと思えた。

うすうすそんな結果になるのではと感じはしていた。

どのハイエンドバイクも、もういきつくところまで行ったのではないかと最近自分の中で考えるようになった。

乗り味や重量、デザインに差が生じはするが、
タイムは大きく変わらないんだろうなぁと。

よく時速40kmで走行したときの比較といって、パワーがこれだけ省エネできました!という
記事を見るが、
普通に考えたら素人である自分が時速40kmで走り続けるシーンなんてそうそうない。
しかもヒルクライムを専門にやっているのならなおさらだ。

つまり、この時速40kmで走行したとき得られるメリットは考えるだけ無駄なのだ。

となると、バイク選びに重要なのは、

重量だったり、乗り味だったりデザインになってくる。
もちろん値段も考慮する要素に入ると思う。

これまでの自分のバイク選びは、値段がメインだった。
とにかくコスパ重視。

その点ではスクルは最高だった。
ヤフオクにて新古車として出品していたものを25万以下で購入できた。
昨今の激高ロードバイクと比較にならないほどお値打ち。
よいタイミングで買うことができてよかった。

しかしデザインとカラーリングがどうにも自分好みではなかったのだ。
オストロについても実はカラーリングが気にいらなかった。

あとは満点だったが。

そんなわけで、今回はデザインや色も考慮したうえで購入に踏み切った。

ちょっと話が脱線してしまったが、よく走るセグメントのタイムは
劇的に変わることはなかった。
バイク選びはメーカーの謳い文句を真に受けず、別の要素で購入を検討すべきと思った。

■剛性
スペシャといえば剛性が気になるという人も少なくないはずだ。
リムのスクル、オストロと比較した場合だと、
SL8のほうが硬いと感じた。

スクル<オストロ<SL8

このような感じ。

ある程度予想はしていた。
しかし、ネットのインプレ記事を読み漁ると、
硬いけど嫌な硬さではないような内容が多かった。

自分もこれには同意しており、
確かに硬いなー思う瞬間はあるが、嫌な硬さではない。
実際に150kmくらいポタリングしても疲労感はそこまでなかった。

ただ、少し頑張って走ろうとするとしんどいと思う場合もある。
また、まだ乗りなれていない部分もあるため、
力を入れているのに進まないので、無理やりトルクをかけるようなペダリングを
すると、足へ跳ね返ってくる感覚はどうしてもぬぐえない。

剛性といえば、漕ぎ出しの軽さについても触れておきたい。
剛性が良いと聞くと、漕ぎ出した瞬間グッと前に加速していく感覚が強い印象が自分にはあった。

その点からいうと、SL8は鋭い加速感を得られるような剛性は感じなかった。
ホイールの剛性もかかわってくる部分ゆえに、結論を出すのは早計だが、

少なくともDRIVE40Dというホイールとの組み合わせにおいてはそう感じた。

しかしながら、加速感がなくて遅いという話ではない。
あくまで自分が想定していた加速感がないだけであって、
遅いということは決してないことだけお伝えしたい。

もしも鋭い加速感を得ようとするならば、ホイールでいくらでも調整可能な範囲のように思えた。

剛性についてはこんなところ。

■下りの加速感
だいぶ乗車時間が増えたことで、おっかなびっくりに下っていたダウンヒルでも
それなりにスピードを出しても大丈夫になってきた。

そのおかげで、このバイクの下りがめっぽう速いことに気づいた。

特に自分が速いと思う瞬間は、
コーナーを旋回し、コーナー脱出に向けて走るタイミング
(コーナリング後半とでもいうのだろうか)

で、バイクがスーーーっと加速していく感覚を味わうことができる。
これが恐ろしく速い。

あまりに速くてブレーキをし直してしまうくらいだ。

これまで乗ってきたバイクでは無い感覚なので、最初は戸惑った。
慣れてきた今でもどうしてこのような加速をするのか謎である。

直線ではなくコーナーで顕著に感じられるのが不思議。
ちなみにタイヤはGP5000の25C。

度定番の装備となっている。

実際に下りのタイムを測定してみると、オストロやスクルに比べて速い。
これが技術の結晶というやつなのかもしれない。

■ヒルクライム能力はそこまで高くはない?
これまた乗りなれてないからかもしれないが、
正直2000キロほど走った今でもヒルクライムが速いのか?
少々疑問に思う。

フレーム重量はみなさんご存じの通りめちゃくちゃ軽い。
数値を見るだけでヒルクライムは速いと思えてしまうほどだ。

しかし実際ヒルクライムをしてみると、そこまで速いといった印象は
受けなかった。

結局エンジンに依存するのだろうか。

この辺は半年、1年と乗り込んでみて結論を出したいところだ。

とはいえ、納車して数週間で出場した富士ヒルではゴールド取得できた実績をみれば、
ポテンシャルは間違いなくあるといえる。

よくネットのインプレ記事で、どんな踏み方をしても推進力に変えてくれるとみかけるが、
まさにそれが証明された。

これからさらに乗り込んでみて、バイクのポテンシャルを少しでも引き出せるように頑張りたい所存。

■購入するにいたった理由
すでにオストロという平坦も登りもオールラウンドにこなせる1台を持っていて何が不満なのか?
という話ではあった。

もちろん不満なんてなく、今でもオストロはとても良いバイクだと思っている。

ではなぜ1年経たずで鞍替えしたか?

実は昔からS-WORKSを所持したい欲があったのだ。

なんだ結局ブランドかよと思われるかもしれない。
その通りである。

基本的にS-WORKSの評判が悪いという話は聞かない。
人によっては合わないという意見もあるが、それでも世間一般的に見れば
すごいバイクだということは明らか。
まず間違いのない買い物だと思う。

最悪合わなくてもオストロがあるしという考えもあった。

ブランド力で買いはしたが、事前にいろいろ情報を調べ、デザインが自分好みか?なども
ひっくるめての購入だった。

過去にSL4(無印)に乗っていたこともあり、いつかはS-WORKSを所持したいと思うのは、
自然なことのようにも思う。

購入直後は満たされた気分だった。

これまで少ないながらいろいろバイクを購入したが、今回ほど一生懸命に
いろいろ調べたのは後にも先のも今回だけ。
ゆえに、購入してすぐに乗った時の感想がとても残念だったのはショッキングだった。

さらに購入した理由について掘り下げて語りたい部分がある。

自分があと何年自転車競技をやっているかという問題だ。
正直肉体的なピークはとっくにすぎさっており、これから先どんどん衰えていくと感じている。
タイム事態はまだまだ伸びるとは思う。
が、確実に肉体は老いていく。

つまり一番若くいられるのは今現在この瞬間なのだ。

だったら元気なうちに、自分があこがれていたバイクを一度くらい所有して、
満足いく走りをしたいというふうに考えた。

おそらくハイエンドバイクを買うのはこれが最初で最後だと思う。
不慮の事故で破損させたとかない限り、SL8を乗り続けるだろう。
(もしくは何かの間違いでお金に余裕ができるとか)

そういった最後の1台にする覚悟で購入した。

色選びもかなり直前まで悩んだ。

最初はハイパーノヴァというカラーーリングが欲しかったが、納期が7月くらいだろうといわれた。
できることなら富士ヒルに間に合わせたいという気持ちもあった。
いろいろネットを探していると、スーパーノヴァのフレームを紹介しているものもあり、
実際には見てはいないが、若干自分の好みじゃないなと思うようになり、
今度はカオスレッドに注目した。

最近はやりのマジョーラカラーというやつだ。

これはネットにもあまり情報が出回ってなかったため購入するのはかけになるなということで保留とした。

やはり買うなら実際に見ようということで、スペシャを扱っている店舗を回ることに。

3月にでたばかりのレッドカラーが店舗に飾ってあった。
思っていたよりも深みのある赤で、ワインレッドのロードスターのカラーリングをほうふつとさせていた。

完成車のこれよりも明るいレッドのほうもかなりきになっていたが、完成車専用のカラーのため購入はできずあきらめていたが、
このワインレッドのカラーリングはかなり自分の好みだった。

納期を聞いたところ5月中旬くらいといわれ、ほぼ8割くらい買いますといって退店した。

実際に所有して家の中でバイクを見ると、ついつい撫でまわしたくなる美しさだ。
デザイン色ともに買って満足できた。

■いろいろ書いてきましたが・・・。
ざっとまとめると下記の通り
・最初は進まないバイクと感じた
・乗りなれるにつれてそれh誤解だったと気づけた
・悪路での走行が快適
・下りはなぞに加速して速い
・登りはぶっちゃけそこまで軽さの恩恵を受けたているようには感じなかった
・デザイン、カラーリングは最高

こんなところだろうか。

購入するきっかけは上記で語ったようにいろいろあったが、
決め手になったのは8というナンバリングというのがある。

自分の誕生日が8月8日で、何かと8という数字には惹かれるものを感じている。
というなんともふわふわした理由だったりする。

なんにせよ、今では購入してよかったと思えるようになった。

より速く走らせられるように精進してゆきます。

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