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サピエンス全史をかる〜い感じでまとめてみました(第5章)

こんにちは〜 サピエンス全史も農業革命にはいります^^

前回も面白かったですが、今回も読み込んで理解を深めると、なかなか味わい深い章でした!

第5章 農耕がもたらした繁栄と悲劇

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狩猟採集の豊かな生活から過酷な農耕生活へ!
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(´-`).。oO(狩猟採集生活って豊かだよね)

という話を第3章でしましたが、

そんな充実した暮らしを捨ててまで、なぜサピエンスはあくせく働く生活を選んだのでしょうか?

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ところで、

紀元前3500年までには家畜化と栽培化のピークは過ぎているそうです。

過去2000年間に家畜化・栽培化された動植物にめぼしいものものはない

どんなに現代の先進テクノロジーが発達しても、古代の農耕時代にはかなわないんですね。

私たちの本能は狩猟採集民族の時代に由来しているように、私たちのカロリーは農耕民の技術の賜物ということです。


ちなみに「へー」と思ったのは、農耕は単一の場所から発祥して世界各地に広まったのではなく、発祥地が各所に独立して存在していて、

それぞれの地域の人が、他の地域の人たちが何をやっているかも知らずに、農耕の技術を身に付けたそうです。

へー(^^)

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農業革命は大躍進ではない!むしろ詐欺!
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「革命」というので、漠然とポジティブなイメージで捉えていたのですが、

第3章を思い出してください。

狩猟採集民族はサピエンス史上最も知能・技術共に優れていたし、現代人よりよっぽど栄養も摂っていたし、ストレスもなかった、

ということ。

農耕革命によって人類が食糧を生産できるようになっても、狩猟採集民族のような充実した生活にはならなかったのです。

農耕革命は、史上最大の詐欺だったのだ。

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詐欺(*ノε` )σ

読者をグイグイ引き付けるハラリの言葉のチョイスが、やはり「サピ全」の見所ですね^^


さてさて話を戻します。

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農業革命で、「サピエンスが家畜化」された!‥だと?
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ここでまた、おもむろに、

小麦の立場から農業革命について考えてほしい

とハラリ節が出てきて、「きたきたぁ〜💕(^^)」となりますね。

無題 - 2021年7月12日 19.51.13 2

なんかサピエンスがわちゃわちゃして、小麦がしたり顔になっています(つω-`)


狩猟採集時代の充実した暮らしを捨てさせ、過酷な労働をさせて、小麦はサピたちに何を提供したのでしょうか?見返りを与えたのでしょうか?

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■【ドSぶり!】サピエンス的には見返りに是非欲しいけど、小麦は与えてくれなかったもの2選

①安定した暮らし
ー 狩猟採集民は単一の種が手に入らなくても他の種で補えるが、農耕社会では飢饉などのトラブルが起こると何千から何万という単位で命をおとしてしまう。

②暴力のない安心安全なくらし
ー 狩猟採集民もそれなりに暴力はあったが、他から脅かされれば他所へ移動することができた。農耕民は畑や家や穀倉があるのでその場に留まり、戦わなければならなかった
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なんもくれてね〜じゃん!となりますね。

実は、個々の人々には上記の通り、本当に何も提供してくれませんでした。

ただ、ホモ・サピエンスという種全体には爆発的な人口増加をもたらしたのです。

進化の通貨は飢えでも痛みでもなく、DNAの二重螺旋の複製だ。

狩猟採集時代より劣悪な条件下であっても、より多くの人を生かしておく能力こそが農業革命の真髄だと、ハラリは言っています。

とはいえ飢えや栄養不足で、サピエンスは深刻に苦しみました。


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農業革命は贅沢の罠!
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そもそも農業の台頭は、少しづつ段階を踏んだものでした。

7万年前、中東に到達したサピエンスは、しばらくそこで農耕をせずに繁栄しましたが、天然資源が欠乏した時期は、ホルモンや遺伝子が働いて、繁殖をおさえていました。これが自然の人口抑制です。

次第に、「子供は移動の邪魔になる・世話が焼ける」という理由で、出産のタイミングを3〜4年空けるという文化的なしくみを作って人口を抑制してきます。

母乳をずっと出してる状態だと妊娠しないんですって。

「え!まじで」と素直に驚いてたら、割と常識らしいです。


さて、そのうち小麦の収穫ができるようになります。

定住するようになると移動しないので、女性は毎年子供を産んでもよくなります。

ちょうど良く小麦があるので、断乳してお粥で子供を育てるようになりました。

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「小麦取引」は真綿のようにサピエンスを苦しめていく。。
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こうしてどんどん子供を作って、指数関数的に増えていくサピエンス。

が、子供の数が増えると、より多くの小麦が必要となります。

そして母乳を減らしたため子供の免疫が弱まり、定住も感染症の温床となりました。加えて穀倉を盗賊が襲ってこないか見張りを立てることも必要となります。


なんでこんなに小麦中心の生活で、小麦の事ばかり考えてるんだろうボクたち…(涙目)


残念なことに、これら小麦の立場でいうところの「もくろみ」に気づいた時は、人口も増加した後で、もう引き下がれない状態になってしまいました。

かつての豊かな暮らしを思い出す術もないので、これが当たり前とされてしまった、というのもあります。

そして農耕民族は汗水を垂らしながら、

前より一生懸命働けば、以前より良い暮らしができる

と信じてせっせと小麦の世話をするのです。

贅沢は必需品となり、新たな義務を生じさせる

贅沢に慣れてしまうと、それなしでは生きられなくなってしまうことって、現代でもありますよね。ビジネスとか株で一発当てたひとが、セレブな暮らしをしてしまうと、もう生活水準下げられないとかなんとか。


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農業革命切り替え説がもう一つある
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楽な暮らしをしたいから農業革命を起こしたわけではない、という説もあります。



古代の建造物ギョペクリ・テペを建設したのは、なんと狩猟採集民なのです。

これは実用的ではなく、何らかの文化的目的で作られたということ。

ギョペクリ・テペは規模から言って、異なる部族が協力し、莫大の手間をかけないと作れない代物です。

そんな体制が維持できるのは、宗教的組織しかありません。

そしてですね、ここからが本題なのですが、

ギョペクリ・テペの30キロ圏内に、小麦の栽培のルーツであるヒトツブコムギが発見されたいうことなのです。

これは、神殿を建設する人々を養うための小麦だったと考えられます。

つまり、狩猟採集文化から農耕文化に切り換えたのは、通常の食糧供給を増やすためではなく、神殿を建設・運営するためだった!

ということになるのです。


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繁栄の犠牲になった動物の描写がエグい
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農業革命によって小麦の奴隷となったサピエンスは、どえらい苦労をしましたが、動物たちも散々なとばっちりをくらいました。

第5章の後半では、これでもかとサピエンスが家畜に行った残虐な仕打ちが書かれています。

それでも家畜化によって数が爆発的に増えた牛やヒツジたちは、種の進化上は「大成功👍」となるのかもしれませんが、

個としては「惨めすぎる」とハラリも言っています(T ^ T)


第4章の最後に、「人類の大虐殺」という大洪水を唯一生き延びるノアの箱船に乗るのは、人間と家畜だけだと言っていました。

サピエンスによって多くの動物が虐殺されましたが、サピエンスと一緒にノアの方舟に乗って生き残ったのはいいけど、奴隷のように船を漕ぐのも嫌ですね。


これ以降の章でも「進化上の成功」と「個々の苦しみ」についてはたびたび語られるそうです(≡ε≡;)

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