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♪コンテスト参加記事 【スズメ食堂】

♪これってなんだ?

保健所その他所轄へは未届けも、現時点ではお咎めなし。
無許可での野鳥の飼育は禁止も、彼らの意思で集っているのだから、これまた同上。
営業管理責任者としての最重要課題はズバリ、近隣からのクレームゼロ営業。
記憶も記録も曖昧ながら、2020年春頃から今日まで、お叱りの声は確認されず。
 
A : ベランダのスズメ食堂。
 
所在地は4階建て賃貸マンション最上階北側。
テーブルはエアコン室外機上部。
店主は基本在宅で収入を得る作業を続ける、主夫兼任の還暦越え。

世界中が禍に覆い尽くされた時期の開業だったのは、あくまで結果。
心理的影響は見当たらず、得意の『単なる気まぐれ思いつき』だったかと?
 
#ハマった沼を語らせて
 
体言止めを用いる箇条書きは堅苦しいので、ここから筆加減を柔らかく調整のうえ、本題に入りたいと思います。
 
 
 
1.  小鳥が大好きだった子ども時代
 
中学進学を機に、右手にギター・左手にテニスのラケットが基本スタイルとなった私。
これで性格(人格)がそれまでと180度真逆になり、今日に至っています。
 
*祖父母宅で手乗り文鳥と独り戯れる、目立たぬ泣き虫いじめられっ子。
 
小学校高学年までの私は、この説明だけで十分でした。
 
そんな私が天命を知るとされる年齢を迎えた頃、偶然遭遇したのが、大変めずらしいこの野鳥でした。

白いスズメ。

いわゆるアルピノのスズメ、野生動物としての生命力に不安も大きいとか?
 
運良く携えていた、わずか600万画素の古いデジカメで、大慌てで撮影。
場所は以前暮らしていた町に流れる、一級河川の河川敷。
冬になるとユリカモメが大勢飛来する風景も、それまでは我関せずでした。

2012年撮影。

遠い昔小鳥が大好きだったことを思い出すきっかけとなった、今思えば鬼籍に近い出会いでした。
 
2014年春に現在のこの部屋に越してきたことを機に、ベランダ越しに空を眺めることが、毎日の楽しみとなっていきました。

2020年5月撮影。
他にもさまざまな彩を捉えた画像を豊富にストックしています。

一人息子を実社会にリリースしたことで、心に『ゆとり』らしきものが生じたのでしょう。
それでもこの時点ではまだ、スズメたちに意識は向いていなかったようでした。
 


2.  始めたきっかけが思い出せない
 
15年来続けている自身のブログを、遡って確認してみました。 

(ライブドアブログ・6/3/2020掲出)
 
この時点ですでに 『日課』 となっていたらしく?
以来現在までの約3年間、気づけば大袈裟でなく、私の毎日はスズメ食堂運営が常に重要課題です。
 
飼育義務もなければ、元来野生動物ですから、放っておいても何の心配もないはず。
それでも日中長時間外出するとなれば、
「お腹空かせていないかな?」
さらには数日間不在にせざるを得ない時など……お察しの通りです。
 
Why?
沼にハマったかのように?
 
以下、これまでのスナップを振り返りながら、この答えを探してみたいと思います。
  
 

3.  たとえるなら再放送!?
 
ほどなく無理なく気づかされました。
 
*スズメ食堂は忘れていた場面の再現舞台。
 
大勢のスズメたちが日々、入れ代わり立ち代わり見せて魅せてくれる、可愛い世界。
ぼんやり眺めているだけなら、単なる『癒しの光景』でしょう。
しかしながらそれらの多くは、実は記憶の襞に刻まれ続けている、さまざまな場面の再現に他なりません。
 
 
★たとえば幼稚園の園庭風景
 
スズメ食堂の近隣には、複数の商業施設の植え込みや、巨大な鳥箱と化した空き家が点在しています。
直近のスーパーマーケットの従業員通用口付近もまた、スズメ食堂おかず部門らしく?

各々が自由に振る舞う人間の集団と、どうしても重なってしまいます。

ハシゴするかのごとく行き交う姿、食前+食中+食後の運動とお見受けするも、
「お腹痛くなるかもよ?」
日々呆れるばかりの本能に任せた食欲ですが、スズメたちからすれば、
「食えるときに食いだめしとかなきゃ!」
腹八分目などと綺麗ごとは、言っていられなくて当然でしょう。
 
そんなスズメたちも、1羽ずつ凝視すると、それぞれ個性的です。
 
毎回重なる光景は、幼稚園の園庭の自由時間。
 
ガキ大将・おすましさん・要領良い子・マイペースな子・輪に飛び込めない子 etc……
練習中の集団生活と映る食事風景、毎回思わず笑みがこぼれます。

 
 
★それは令和の大人社会の鏡写し?
 
私たちは年齢を重ねるにつれ、次第に集団の中における立ち振る舞いを、自ずと身につけていきます。
我が家のスズメ食堂のお客さまもまた然り?
 
基本それぞれの巣(=植栽)で暮らす大家族単位で飛来しますが、
「この子たちはマナーを知らないな」
「こっちの家族は毎回静かだな」
何気に見守っているうちに、どの集団が来ているのか、自然と区別がつくように。 

ランチタイムの席取り合戦?
様子を伺い素早く見極めたなら、迷わず入店!

ちなみに食パンを千切って与えた際には、チュンチュンからギャーギャーと賑やか。
米粒や冷飯をほぐして与えた際には、お行儀良く静か …… 和食だからかな?
 
彼らの食事風景、毎回私たちのそれと重なるから、これまた興味深く。
「今日こそランチ難民になってたまるか!」
限られた昼休みに飲食街を右往左往 …… そんなサラリーマンと映ることも?


★ごめんね!の数だけ届く新たな学び
 
真偽は定かではありませんが、
「野生のスズメと人間との最小距離は1.5メートルで、それ以上近づいてはこない」
複数のこのような情報を確認しています。

水飲み場が凍ってしまうことも。
今冬は冷え込みが厳しく、回数が多かったです。

しかしながら我が家のスズメ食堂の一部の常連さんは、私の指先から奪い取るように食べてくれます。
カメラを構えると警戒するため、その場面を自ら撮影することは叶いませんが……

おもてなしの準備中。
ドングリは食べてくれないと思うけどね……

開店からどうやら丸3年。
都会のスズメの寿命は平均2~3年らしく、お客さまは当然入れ替わり続けています。
 
ここでご紹介するのは、1羽の老スズメ。
人間でいうところの認知症、とりわけ食欲を司る神経がダメらしく、
「これ以上食べてはダメ!そんなお腹じゃ飛べなくなるよ」
他のスズメは警戒して近づかない、我が家のがっこちゃんたちも無警戒。

ご飯しか見えていません。
なによりこのお腹、生命の危機が否めず、私も頭を抱えるばかりでした。

このあと案の定飛び立てず、しばしベランダに居ました。
その後見かけることはなかったので、これが最期の食事だったのかも?
 
ちなみに非常に寂しい話ですが、これまでベランダで亡骸を確かめ、簡易お葬式で見送ったスズメは計4羽。
豪雨に撃たれた・寿命を迎えた・他の大きな野鳥に致命傷を負わされた……
 
時に『命』と真っ向対峙の場面が避けらないのも、スズメ食堂の一面です。
 
 

5.  Together?
 
大阪府北部に位置する、私(ども)には分不相応な、桜と古墳の街。
年中無休のスズメ・鳩・カラス以外にも、四季折々にさまざまな野鳥が飛来します。
 
ウグイス・メジロ・ツバメ・モズ・セキレイ・白鷺・青鷺・その他……
 
ちなみに我が家には出窓がありますが、その上の狭い出っ張り部分では、こんな奇妙な同棲生活が?
 
*家主さん的な鳩と冬季限定で飛来するヒヨドリが、仲良くルームシェア
 
建物の構造上、これまた写真が撮れません。

何代目かの家主さん。
数週間戻ってこないと思ったら、忘れた頃に "くるっくるゥ~" の繰り返しです。

信じる/信じない、読者各位に委ねます。
 
 
★ヒヨちゃんと鳩と私たち
 
ヒヨドリの一種だと思われますが、間違っているかも?
それでも『ヒヨちゃん』と命名から、今冬で3度目の冬季滞在です。

初年度から無警戒。
ご飯粒は食べづらいらしく、パンが大好きです。

春の訪れとともに旅立つ際には、やはり寂しさを禁じ得ません。
そんな昨年のサヨナラを記事にして、現在も配信中です。  

(ココナラブログ・4/22/2022掲出)
 
スズメ食堂としてスタート前から、野鳥にとって住み心地の好い我が家?
夏場は日の出前から賑やかに音や鳴き声を立てて …… 眠いぞ。
 
 
★結果飛び抜けて綺麗な模範的我が家!?
 
「糞害は大丈夫?クレームから強制退去勧告とか、不安はないのかな?」
ごもっともな囁きが聞こえたような?
 
*清掃+消臭+除菌の徹底
*スズメたちに言い聞かせる
 
2番目も至って真面目です。
 
ベランダである以上、晴天時には私たちの洗濯物を外干しします。
これらへの糞爆弾投下の完全回避は不可能ですが、
「わかっているな!?ウンコしたらスズメ食堂を閉店するぞ!」
日本語で釘を刺し続けるなか、こうした残念な展開、限りなく低確率に。

鳥の言葉がわかるつもりの私。
私の言葉がわかるスズメたちだと信じて。

さらに頻繁に清掃を重ねた結果、食堂開業前よりも格段に綺麗なベランダが現実のものに。
そうなれば室内の清掃まで気合が入る、プラスの相乗効果が発生。
最低でも週1回は壁や床などを含めた、本腰を入れた除菌拭き掃除を継続中です。
 
適度な運動にもなりますし、外からは見えずとも、こういう雰囲気は伝わります。
玄関扉の外側から集合ポストの自室の扉まで磨き上げます。
結果大袈裟でなく我が専有部だけ、心なしか浮き上がっているような?
 
過剰な潔癖症と誤解されるのは問題ですが、現状は『結果オーライ』だと判断しています。

 
★育むとは?相手との適正な距離感とは??
 
野生の生態系に人間の意向が絡んではなりません。
この観点から言及すれば、スズメ食堂は褒められた行為ではありません。
 
過ぎたるは猶及ばざるが如し。
 
与えすぎは禁物ですが、この匙加減が難しいのも、人間の勝手なところ。
ペットに餌を与えすぎて肥満体に……これと根っこは一緒でしょう。

この点は自問自答を心がけていますが、正しく自制できているかと問われれば、胸を張って「はい!」とは申せません。
 
難しいところですね。
 
 
★継続は力なり・反復は習得なり?
 
日々食パンを指先で千切り続けた結果、手に取った面積から瞬時に、
「これなら70欠片千切り出せるな」
無造作に作業を始め、きっちり70欠片目で終了できます。 

これならこの大きさで◆◆欠片できるな。

『寿司職人は手に取った寿司飯の塊が米粒何粒なのか瞬時にわかる』
この説、私は信じます。
 
己が日常生活に直接プラスとなる特殊技能未満ではありませんが、興味深いと釘習得となりました。 

人間用を買い忘れても、スズメ用は常時余裕を持って備蓄。

ちなみに1日に与える食パンの欠片、終日在宅時には『1,000超/1日』が最低ライン。
先にご紹介の挿入画像を見直していただければ、納得の数値でしょう。
 
毎日必ず1,000欠片とは限りませんが、ここまで約3年間を推察すると、
 
*1,000(欠片)× 300(日)と換算 × 3(年)= 食パン900,000欠片。
 
きゅーじゅーまん(驚)!?
 
 
 
ベランダのスズメ食堂に関しては、これまでブログや私小説など、複数の手法で発信しています。 

(ココナラブログ有料小説・2/23/2023掲出)
 
ここまで延々綴り続けましたが、それでも思い出せない最初のキッカケ。
それでも気づけば、私の24時間からカットできないライフワークに?
 
#ハマった沼を語らせて
 
天邪鬼(あまのじゃく)な私ゆえでしょうか、どうしても『沼にハマる』という表現が、スムーズに受け入れられません。
しかしながら言語は時代とともに変化するもの。
 
・あらたしい(新しい)→ あたらしい
・ヤバい(マズい・危険だ!の意味)→ ヤバあ~いいいっ(GOOD・HAPPY!の意味)
 
ここでの『沼』もまた、令和世代にマッチした比喩表現なのでしょう。

ヒヨちゃん?
スズメさん?

現時点でスズメ食堂廃業の予定はありませんが、その日は必ず訪れます。
この部屋は終の棲家に値するお気に入りですが、将来必ずここを引き払う日が訪れます。
 
ある日突然閉店したとしても、スズメたちは瞬時にこの食堂を忘れ、たくましく生きて行けると信じています。
 
昔の人は物覚えが極端に悪い人を『鳥頭(とりあたま)』と揶揄したとか・しないとか?
 
スズメ食堂のことなど、鳥頭でいいからね。
君たちのことはどうやら今後も、鳥頭にはなれそうもないけどさ。


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