見出し画像

教科書見に行きましたか

各自治体でやり方は違うと思いますが、この時期検定済教科書を見に行く機会があります。

あたしゃ美術教科なので美術を見に行きます。

勤務時間内で見に行かねばならず、仕事がひと段落ついた15:30ゴロ職場を出て、近くの会場に見に行きます。教科書会社の人が一生懸命作ってくれた教科書を、申し訳ないのですが、ざっくり見させていただきます。美術は三種類見ました。(真剣に見ると)けっこう大変。他の教科は分担するにしても、真剣に見るとしたら結構時間がかかる。

報告書には愚痴、悪口、要望、感想は書いてはいけません。ですから、正直な感想と要望をここで書こうと思います。

いやいやいやいや・・・・年々ひどくなってくるんだよこれが。もしくは何もかわらんのかも

まず見た目。子供にとっては見た目重要。パッと見て読む気なくすのは困る。なんていうと間違えた方向に反応してはしゃいだポエムみたいな表題つけるけど、求めてるのはそういうことじゃない。

フォントである。

3社のうち2社は大体似ている。フォントが読みづらい。本文の文字細かすぎ。で、行間が無駄に空いている。写真画像の配置もそうだが、なんで美術の教科書なのに、こんなにレイアウトのセンスが悪いのか。さぞかし視力のいい人が作ってるんだろうなあというこまかーい文字で説明。もしかして、美術の教科書なんか誰も読まないって思ってるのかも。そしてテーマとなる表題もなんだかもっさり、くらーい。そんなに難しいことを要求するわけじゃない。フォント変えてくれ。ゴシック体でいいんだけどもうちょっとよ読みやすいフォントがあるでしょうが。頼むからフォントを読みやすいものにしてくれ。

次、作品画像の選定。

例えば・・・A社はかきつばた図を中央見開きで拡大してくれている。屏風を意識して、(見開きにすると折った状態になるので)オリオリしたらこう見えるよ〜屏風をイメージできるね〜と、いうのだろう。でも、せっかく見開き4ページ使って大きく見れるのに、尾形光琳の燕子花図って、そんな拡大して見るものでもないと思うぞ。あれは元呉服屋ならではのファッションセンス、群生するかきつばた、パターンの繰り返し、デザイン的な妙を見るもんであって・・そんなにかきつばた必死でかいてるわけでもなし、ま、そこがいいんだが、着物の図案のパターンを写したようなものを拡大して子供に見させても・・・・見させる側の教員も見る側の生徒も、そこから受け取るべきものが、ずれてしまうのではないか。

後、ルノワールの「ジャンとガブリエル」を「ピアノの前の2人の少女」(題はいい加減につけてます)に変えたな・・まあ・・いいのだけど、結構あの絵は大人と子供の衣服や皮膚の表現の違いをみんなで鑑賞してたんだぞ。似たような年齢の同じ性別の女の子の絵じゃあ、服が違うだけで、表現の違いを観察しづらいじゃないか〜。う〜ん・・これは私の主観かああ〜❓

全体に作品画像が減った・・もしくは小さくなった・・という気がするのは気のせいだろうか。これは、深刻なことだ。親しみを持たせようと生徒作品は拡大されているものがあったが、忘れてはいけないことがある。

教科書でしか名画を鑑賞できない子供もいるのだ。

頼むから、いわゆるいままで「名画」とされてきたものは、押さえておいてほしい。作品制作をするモデル生徒の写真とか、楽しそうに鑑賞活動をする生徒写真とか、大きくしなくていいです。

作品画像の選定で後もう一つ。例えば絵巻であれば、白描線、ひきめ鉤鼻、吹抜屋台、異時同図とか絵巻特有の表現があり、それを特徴的に示す場面があるだろう。そういった場面をちゃんと選んでほしい。授業で使うんですよ。

授業で使うといえば、色彩の知識、色相環に色の名前をつけてください。名前をつけていないのはあえて、だと思いますが、色覚に困難を持つ生徒が一定数いて、その子たちも色の勉強に参加する。色の関係を理解する上で、識別の手がかりである名前がついているのは助かります。

いろいろ書きましたが、本当に教科書って大事なんです。

これで世界が開けるんだもの。

本文のフォントが読みやすく、美術なだけに紙面のレイアウトには厳しく、作品選定は、オーソドックスで。どんな家庭の子供でも、美術の教科書があれば、ざっくりと日本と世界の美術史をわしづかみにするとともに、日本国内や世界の美術館をざっくりと(ざっくりと!でいいんです!)旅することができる。そんな教科書があればいいなあ。。。

3年間の学習についての説明は大事ですが、紙面を割きすぎるのはやめて。はしゃぎすぎのポエム表題もご勘弁ください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?