夢でもし会えたら

久方ぶりに長い休みを得て、実家に長期間の帰省をした。

両親と会う際は最近の出来事や近況の報告で滞在時間いっぱいまで話をするのだけれど、流石に1週間も実家にいると、最近の出来事だけでは間が持たない。

両親ももう良い歳になってきているので、昔を思い起こすことも多くなったようで、ふとしたきっかけで、若い頃の何気ない話が飛び出す。

専業主婦の母とは子供の頃から一緒に過ごす時間が長かったこともあり、「亡くなったおじいちゃんは厳しい人だった」とか「若い頃はこうやって週末を過ごした」とかいろんな話を聞いてきており、正直母の昔話は「耳にタコ」状態ではあったのだけど、時間に余裕のある中で「ところでおじいちゃんって何の仕事をしてたの」とか「その頃どんな家に住んでいたの」とか、突っ込んで聞いてみると意外な事実が発覚していったりする。

その流れの中で、父が一人暮らしをしていた時の話や、仕事中にちょっとした怪奇体験をしていたこと(!)など、両親がお互いに30年以上連れ添ってきて初めて聞いた、トンデモ話も飛び出す始末。

人に歴史あり、というか、今まであまり知らなかった母の祖父母の話や母の叔母さんの話など、ちょっとしたルーツを探るきっかけともなった。

そんな中で、数年前に亡くなった祖母の墓所について、どうやら叔母の意向で、実家近くの祖父の眠る墓ではなく、現住所近くのお寺に叔母(祖母にとっての3女)と共に預けられていることを思い出した。

思い立ったが吉日と、実家から帰宅後、早速祖母の眠るお寺へお参りに行き、今まで気に留めて来なかったことを詫びると共に、母や叔母たちの健康を祈願した。

その翌々日の今朝、20年ぶりくらいに祖母の夢を見た。
小さい頃は可愛がってもらったものの、叔母の家で介護されるようになってからはめっきり会う機会が減って、接点が減ってしまった祖母。
どうしても自分の中で日々出会う人々に押されて、こうやって夢に登場するほど祖母を思い出すことが少なかった気がする。

自分のルーツを思い出し、先人の存在に感謝すること。
それが案外一番の「自分探し」で、原点回帰なのかもしれない。


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