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中国共産党の成立100周年大会を欠席した人たち

 とうとう江沢民も力尽きたのか。中国共産党の成立100周年という一世一代のイベントには姿を見せなかった。

 天安門の楼上や全国人民大会堂で開催される本体イベントの前々日くらいには、色々な出し物を鑑賞する演芸イベントが開催されるのが常だが、そこはスルーして本体イベントに全力投球というのが、江沢民のこれまでのスタイルだった。

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 江沢民は2019年の李鵬葬式、続いて開かれた建国70周年式典で、介添2人に両脇を抱えさせて無理やり立つ力技で出席していたのだが、今回はそれも出来ず天安門イベントに出てこないというのは、相当体調が極まっていると考えられる。ついにその時が来るのではないか。

 朱鎔基も今回は両方欠席しており、常務委員経験者(胡啓立除く)で両方欠席したのは羅幹を加えると3人になる。

 朱鎔基の場合は、恒例となっていた、自身がかつて初代院長を務めた清華大学経済管理学院が1年に一度開催する総会にも出てこなくなっている。よほど体調が優れないのだろう。昨年の誕生日を病院で迎えていらい音沙汰がない。

 羅幹は2015年9月の反ファシズム戦争勝利70周年を記念したイベント以降の消息がない。16期の常務委員では最年長で、李瑞環の一つ下だ。

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 江沢民、朱鎔基より10歳上の104歳で、何事もなかったかのように鎮座している宋平は、一体どういうことなのだろうか。

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 楼上までは車椅子を押されていたが、そこからは立ち上がって自分の席まで歩いていっている。20歳年下の李瑞環も介添付きになっていたし、色々とおかしいのではないか。

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※赤色が演芸イベントを欠席し、本体イベントには出席した人

 前々日の演芸イベントに出席した現役副国級、引退した副国級は144名。そこを欠席し、本体イベントにのみ出席したのが36人。その中には、李強(上海市委書記)、李鴻忠(天津市委書記)の政治局委員も含まれている。

 この2人は、6月25日に北京で開かれた政治局の学習会に出席し、地元に戻って100周年イベントに顔を出した後、朝早い北京の100周年イベントに前日前乗りといったタイムスケジュールだろう。

 ところが、地方自治体のトップを兼任する政治局委員で両方のイベントを欠席した者がいる。広東省委書記の李希だ。

 李希は当時のイベントの様子を、省委や政府の首脳部と一緒に、モニター越しで眺めていたというアホみたいな話が省委機関紙・広州日報に報じられている。その現場は、「厳粛かつ盛大であった」とシュールな描写がされている。

 李希は前述の学習会も欠席した当日、省委常務委と新型肺炎防控領導小組との合同名義で会議を開催している。

 会議の内容からは、何がなんでも他の地域への蔓延は阻止するという強い意志が感じられるが、同時に省委書記が100年に1度のビッグイベントを捨ててまで残らねばならない、厳しい状況であると捉えることもできる。

==参考消息==
https://tv.cctv.com/2021/07/01/VIDEAm34Xoc6zJaizfYIjzeC210701.shtml
https://tv.cctv.com/2021/06/29/VIDEk0Ik8JaBnIsiNR2kbPC0210629.shtml
http://www.gd.gov.cn/xxts/content/post_3334728.html
https://gzdaily.dayoo.com/pc/html/2021-07/02/content_866_760640.htm
https://tv.cctv.com/2021/06/26/VIDEwIqimSDx3hJebkvJ4xGH210626.shtml
https://gzdaily.dayoo.com/pc/html/2021-06/26/content_866_760069.htm
https://www.youtube.com/watch?v=opVo0AwDuLs

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