中国の女性政治家の割合(省委)

 省委における女性の割合に手を出してしまった。統計を取り始めた8月末ごろから、一部の地方自治体でトップの交代が続いており、浙江省の寧波市委書記(前任の鄭栅潔は省委副書記を兼任)は9月5日時点で空席だ。

 引退ラインの65歳に近い書記が何人もいて、2022年の第20回党大会までに退任しそうなのが13人いるが、貴州省委書記の孫志剛や雲南の陳豪、書記では無いがチベット自治区のショハラト・ザキル (雪克来提·扎克尔)主席はすでにこのラインを超えている。

 第19回党大会では王岐山が常務委員を退任し、68歳定年は守られた。一方で、66歳の李源潮が退任し、67歳の楊潔篪や孫春蘭が現役を続行したように、68歳以下の政治局委員が退任することはあるし、年齢による画一的な足切りは無くなったものと見られる。

 以前からわかっていたことではあるのだが、各自治体の政治委員の正体がイマイチわからない。今回使用したのは「地方黨政領導人物庫」というサイトなのだが、政治委員の年齢や民族名、これまでの職務などが掲載されていないことがある。

 他の記事で補完できるものは補完したのだが、4人ほど年齢が不明なままになってしまったので、省委ごとの平均年齢からは除外した。

 以下、気になった点を。

(1)周慧琳・上海市宣伝部長が男

  女だと思うだろ普通。

(2)直轄市と広東、新疆の書記は人大主任を兼任していない

 新華社は「省級の党委員会書記が人大常務委員会主任を兼任する人事は、党の主張を法的な順序を通じて国家の意思とするのに有益である」と、書記が人大主任を兼任する意義を説明していた。

 人大主任を兼任していない地方自治体は、いずれも政治局委員が書記を務める地域だ。副国級はそういう些末なことはしないという意味でもあるのだろうか。

(3)担当部門に偏りがある

 女性常務委員27人のうち、16人は統一戦線部、宣伝部どちらかの部長で、統一戦線部部長が11人、宣伝部部長が5人だった。

 残りは省長(自治区主席)が3人、副省長2人、組織部部長2人、政法委書記1人、紀律検査委書記1人、省会書記1人、専任副書記1人だった。

 女子供は統一戦線()でもしとれ、という強い意思が感じられる。

(4)女性の副書記、常務委員が少数民族の半分以下

 380人いる書記、副書記、常務委員のなかで、女性は27人(7.1%)、少数民族は64人(16.8%)でダブルスコアをつけられている。

 中央委員に比べれは割合は増えているものの、27%いるはずの女性党員が、省委まで登ると1/4近くにまで落ち込んでいるのだ。

 昨年、雲南省のある女性幹部2人が、2年間の産休後に抜擢されたものの、家庭を見られない、(産後すぐなので)体力がついていかない、との理由で昇進を断ったことが報じられている。

 紀律検査委からは「個人的な利益を重視し、家庭や身体などを理由に、組織と駆け引きをおこなった」として、処分を受けている。これじゃ男性と同じようにキャリア形成できないはずで、呉儀みたいに未婚じゃないとまともに男性と渡り合えない。

 大学卒業後のキャリアが隙間なくビッシリと埋まっている女性幹部の略歴を目にすると、呉儀と同じようなことやってんのかなと心配になってしまった。

 組織部のトップが女性になると、無茶苦茶な抜擢も減るのかもしれない。

==参考消息==

https://m.thepaper.cn/newsDetail_forward_3959042
https://note.com/aquarelliste/n/n99513bdb477e

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