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#おうちで愛でる🌼体験は、塞ぎがちな世の中の心の隙間に寄り添う。

世の中は大変ですが、騒がせているそれ自体について私が話せることはありません。自分が真剣に取り組んできたこと、助けてもらった恩を形にして、必要と感じてくれる誰かに届ける、それを考えることが今できる精一杯のことです。

多くの方が自粛により家の中で過ごす時間が多くなったと思います。在宅ワークの環境に慣れ学習していくことにより、以前より「家 ≒ 生活、仕事の拠点空間」になってくるのではないのでしょうか?今回は国から外に出てはいけませんと言われているので、本格的にリモート環境やオフィス、住空間の価値が大きく変化していくのだと思います。

私個人的にも家で仕事をすることが基本になりましたが、働く環境を作るのが大変でした。色んなものを揃えないといけないし、なんだか切り替えが難しく止められなければずっと仕事をしてしまいます。ある時、殺風景な部屋を見渡し、空間が明るく楽しくなるような、あったかい優しさを与えてくれる「何か」があればもっと良くなるのではないかと思ったのです。私が今までずっと取り組んできたアクアポニックスとよばれる可視化された生態系をみなさんの過ごす空間の中に表現できないかと考え始めました。

#おうちで愛でる  体験があれば張り詰めた空間の緊張を少しでも和らげることができるのでは、と思い、こんなのを作ります。という決意表明をこのnoteで綴っていきます。

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アクアポニックスは可視化されたエコシステム

アクアポニックスとは、聞きなれないかもしれませんが、Aquaculture(水産養殖) と Hydroponics(水耕栽培)という言葉を組み合わせた循環型農業です。食糧生産の文脈として世界中で活用されてきました。カテゴリーは農業であり、省資源で野菜と魚を生産できるメリットから、国連が主導となって資源が限られている環境地域で展開されてきました。

仕組みはとてもシンプルです。通常、魚を飼うと排泄物やエサの食べ残しにより水が濁ることがしばしば起こります。アンモニアを含むこれらの水はやがて魚にも悪い影響を及ぼしてしまいます。しかしアクアポニックスを活用すれば、魚が生み出す有機物(排泄物やエラから出る有機物)が水の中で微生物に分解されます。

分解される過程:アンモニア → 亜硝酸塩 → 硝酸塩

この硝酸塩を含む水は、魚にとって住みやすい水環境となり、花木・植物にとっても養分となります。花木の根から栄養である硝酸を吸収するので、ろ過された綺麗な水は再び魚の生活する水となり返っていきます。つまり、水換えもほとんど必要ないメンテナンスフリーを実現でき、無駄なものを一切生まない循環システムが出来上がります。

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家の中に置ける生態系キット(さかなと花)

基本のコンセプトは、
①誰でも(Whoever can)
②どこでも(Wherever can)
③簡単につくれる (Easy to build)
の3つだと考えています。これらの要素を踏まえて、誰でも簡単に始められる生態系キットを開発しようと動き出しました。

アクアポニックスはインテリアとしての要素も高く(以下画像が参考例)、世界でもいくつかプロダクトはあるのですが海外の住空間に合わせているので大きいことが日本で進んでいない背景です。それ以前に多くの人はアクアポニックスという概念を知らないため認知度が低いのもありますが、日本の労働習慣が、「毎日出社し遅くまで残業することで世話ができないのではないか?」「水槽が汚れて掃除が大変になりそう..」という心理的な理由もあると考えれられます。アクアポニックスでは汚れた水を花木の栄養として使うので余すことがなく、水も綺麗な状態を保つことができるのでメンテナンスの負担を減らすことができ、始めるハードルがグッと下げられます。

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実は魚を飼うという文化は日本特有であり、江戸時代の「金魚を見ながら遊ぶ」文化から人々に馴染みがあるのです。鎖国していた都の江戸はいわゆる平和な時代であり、庶民に広がった金魚を木の桶に泳がせ、上から見る(上見とよばれます)ことで尾びれの動きやそれに合わせて動く水波の優雅さを愉しみ、江戸の人々の心の癒しとなりました。その歴史的背景から、金魚は平和の象徴としても知られており、今この状況に直接的な支援はできないかもしれませんが、魚の泳ぐ姿と上に咲く緑に目を逸らすことで少しでも心安らぐ瞬間を作り出し、次のアクションの原動力の一要因になれたらとても嬉しいです。

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『あつまけんしみたて五節句』(歌川国貞 画)

素材やパーツもこだわりたい

テーマは「循環」
キットはアクアポニックスにおいて「循環」というキーワードは優先したいので素材にはこだわりたい。プラスチックはできるだけ使用量を少なくして、ガラスを使用したいなと思ってます。地球に害がなく、返却すればガラスはもう一度ガラスとして生き返るのでガラスがいいなあと。

お魚🐠
まずは金魚、もしくはメダカを検討しています。熱帯魚などは海外からの仕入れになるのと卸業社からの話ではコロナの影響で飛行機が飛ばず空輸が滞っているとの話で、国内で完結させられるのは金魚かメダカ。金魚は平和の象徴と言われていて、平和だったからこそ多くの品種改良を重ねてこれた背景があります。戦時中もその文化は脈々と受け継がれ、平和の祈りを込めて人々に愛された存在。探してみると都内に歴史の古い金魚の問屋さんがありました。ここの女将さんがとても優しくて頼もしくて癒されました。(どちらだよ..)

江戸時代から350年続く都内唯一の金魚問屋「金魚坂」

什器(魚水槽)
ガラスは素材として環境負荷が少ないです。もしお客さんが諸事情でそれ以上飼えなくなったとしても細かく砕きそれを溶解し再び製びんする事が可能なので、人にも環境にもやさしい素材なのです。生態系、循環をテーマに設定するからには、素材、買った後のコミュニケーションも循環し、巡り巡るようにしたいのが理想です。530weekのトークイベントで拝見した大川硝子工業所さんが本当に素敵な硝子製品を作っているのでこれを使えたら最高だなと。。代表の大川さんに話すと、キットのお話にご興味を持ってくださって実現可能かどうか相談に乗ってもらっています。本当ありがたい。

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やはりガラスはお魚が綺麗に映るんだよなあ。

花木のプランター💐
まだまだ構想中ですが、ガラスと相性の良いプランターを考えていて、インフレータブル(折りたためる)な構造だったらパッケージも小さく送れるなあと想像を膨らませています。以下のようなイメージです。

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あと個人的にこれは良いいいい!と思ったのは、ワイヤーで作られたフラワーベースです。これに一輪挿しのお花やハーブ、野菜の苗なんかも自由に選択できたら色んな空間に色んな組み合わせの生態系ができたらこの上なく嬉しいなと妄想してます。

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生態や水、緑を扱う者としての社会的責任

【循環する仕組み】

一貫したテーマとして「循環」があるのでプロダクトに対しても、お客さんやファンの方々に対してもずっと繋がっていたいし、声あらば何かできないかな、と一緒に考えていきたい。

LINEを通してのコミュニケーションで継続的な繋がり

この仕組みはアクアポニックスなんですが、生態系(アクポニ)と人が関わり合い初めて完成するのがこのキットです。既存のテクノロジーを活用してこれまで面倒であったメンテナンス負担を和らげるのにLINEを使ったり。購入後、分からないことや魚の不調があればLINEでコミュニケーションを取り、適切なアドバイスを送ることができます。

生き物を扱う者としての社会的責任

ライフスタイルの変化や引越しなど様々な理由から飼えない状況が生まれることもあるかもしれません。なのでもし何かあれば、当社で引き取る導線も作っておきたい。決してやむを得なく近くの川に流してしまう、なんてことは止めたい。。ダンボールや酸素ボンベなどを送付先キットもこちらで準備することで、近年の水生動物の川への放流など社会問題への姿勢をサービス提供者として見せなければならないと思うんです。引き取った魚たちは、しっかり塩水浴で体調を回復させ、当社のアクアポニックスファームにおける魚として再び水槽へ戻り、野菜を作る工程に組み込まれていくので大丈夫です。

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(子供たちと一緒に作ったアクアポニックスワークショップ)

今、足りないもの。

自分の好きなことになるとつい長く書いてしまい、何を伝えたかったのかグラグラになるのですが、そうです!伝えたいのは、私のアクポニに対する「愛」と、まだまだ人もリソースも資金も全然足りないゾ〜〜!ということなんです。特にプロダクトデザイナーさん!一番重要で、ある程度のコンセプトや形は固まってきたのですが実現可能性や製造ラインまで相談に乗ってくれる方がいればとても心強い。。

クラウドファンディングも挑戦したいのでご興味持ってくださる方がいれば、ぜひフェイスブックのグループに参加していただけると泣いて喜びます!プロダクトの開発具合やイベントなどのお知らせもここを通して発信していきたいと思います。

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さいごになりますが、生態系キットは色んな形や組み合わせがあっていいと思っていて、ホームセンターや家にあるもので作ることができます。目的は多様であるべきなので、オシャレで色鮮やかなアイテムを取り入れたい!でもいいし、家の中に生きものを買ってみたい!でもいいし、家族で飼って子供の食育のために。でもいいのです。

うちにいる金魚のポンちゃんは本当にバカっぽい可愛い顔でゆらゆらと泳いでいるので癒しを供給してくれています。でもこの「ポンちゃんは平和やなぁ」という数秒がなんだか心の平和をもたらしてくれている気がするのです。

#おうちで愛でよう 💐

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弊ぽんちゃん

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