26.機能性ディスペプシアと食事②(主にたんぱく質について)

前回のnoteでは主に炭水化物について書きました。次はたんぱく質の話です。胃で出される消化液、すなわち胃酸にはペプシンというたんぱく質分解酵素が含まれています。ということは、胃くんはたんぱく質の消化が得意なはず。

《胃酸について》
ところで、私のようにFDを逆流性食道炎と誤診されていた人などの中には、「胃酸」に悪いイメージを持ってしまっている人もいるかもしれません。しかし、胃酸は食べ物の消化をするために出ているものなので、本来、悪者などではなく、むしろ必要な良い奴です。ましてFDの場合、消化力が落ちてしまっているので、胃酸を抑えるなんて逆効果になりかねません。「胃酸が悪い」のではなく、「胃で知覚過敏を起こしてしまっているために、本来あって当然で、問題ない存在であるはずの胃酸に対してまで痛みを感じてしまっている」状態が良くないので、以前のnoteで書いた通り、この神経過敏な状態を治しましょうということです。

※ちなみに、逆流性食道炎の場合は、食べすぎ・飲みすぎで胃酸の分泌量が多くなっているなら、食べるものの量や種類を直す、肥満で腹圧が高いなら痩せて余分な脂肪を落とすといった、FDとは別の対処になると思います。

《食べやすいたんぱく質》
さて、たんぱく質の話に戻りますが、胃の調子が良くない時には、油っこいものを食べるのがつらいですよね。(次のnoteで書きますが、決して油も悪者ではないです。)なので、私も調子が悪い時は、なるべくあっさりしたたんぱく質をとっていました。
:目玉焼きやスクランブルエッグではなく、ゆで卵、温泉卵、玉子豆腐、茶碗蒸し
お魚たらやかれい、鯛などの白身魚を煮たり、シンプルに塩焼きにして食べていました。しらすも食べやすいですよ。少し元気になったら、鮭やめかじきも食べられるようになるし、もっと元気になったら、またブリやサバも食べられるようになりますよ。
ちなみにお刺身も食べやすかったです。「生もの食べていいの?」と思う人もいるかもしれませんが、魚に限らず加熱したものより生の方が消化に良いという説もあるし、実際、お刺身はもたれづらくて食べやすかったです。もちろん生ものこわいと思う場合は無理して食べなくて良いと思います。焼き魚や煮魚が悪いわけではないので。お刺身の場合は、サーモンやブリのような脂ののったものではなく、鯛やひらめ、まぐろの赤身のような脂っぽくないものが食べやすかったです。
お肉:お肉はちょっとハードル高く感じますよね。でもたんぱく質補給のためには、食べられる時は食べた方が良いと思いますが。豚肉や牛肉は脂が多めなので、具合が良くない時には、やはり鶏むね肉を選んでいました。パサパサしないように、片栗粉などの粉をまぶして茹でたり煮たりすると、しっとりするので食べやすかったです。サラダチキンやハムも、冷たくてあっさりしているので食べやすかったです。ただし市販のものは添加物が含まれるので、利用する回数は少ない方が良いと思います。あとは、お高いですがローストビーフ。しっとりやわらかいので、加熱して固い牛肉より食べやすいです。栄養補給もできて良いと思います。

《糖質制限について》
上にリンクを乗せたnoteで書いたように、落ちてしまった消化力を上げるには、たんぱく質とミネラルの補給が大事だと考えました。それは、消化液の材料がたんぱく質とミネラルだと読んだからです。
特に、糖質制限推しの人は、たんぱく質第一主義という感じで、そこから得られたヒントも多くありましたが、私自身は糖質制限推しというわけではないです。
糖質の摂取量を抑えることにより痩せることはできるでしょうが、脂質の摂取量が増えることで、脳梗塞や心筋梗塞などの血管詰まっちゃう系の病気のリスクが上がるという説もありますし、自分自身がFDで体重が落ちすぎたことによりSMA(上腸間膜動脈症候群)という別の病気を発症してしまったため、痩せすぎ危険、極端なダイエットは体調を崩すおそれがあると思うからです。
なので、今すでに太っていて痩せたい人も、「厳しい糖質制限」ではなく、標準的な範囲内に体重を維持できるくらいまで少しずつ糖質を減らしていくという程度にしておいた方がリスクが少なくて良いのではないかと思います。それなら”糖質制限”ではなく、むしろ”過剰だった糖質を適正量に戻しただけ”ですしね。
糖質制限って、たんぱく質と脂質で充分なエネルギー補給をすることが前提なんですよ。なので、そんなことができない(=いっぱい食べられない)FDの人は、糖質制限は目指さない方が良いと思います。単なるエネルギー不足(=間違った糖質制限)になってしまうので。虚弱タイプのFDの人は、これ以上体を消耗して弱らせないために、外からのエネルギー補給もした方が良いと思います。

たんぱく質の話だけでもけっこうな量になったので、またnote分けますね。次に続きます。

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