オースブレイカーってなんなんだ
3月16日、 誓い破りという非公式フォーマットが公式から告知された。
EDHとの大きな違いは
・統率者がPWである(誓い破りと呼ぶ)
・トレードマークの呪文としてインスタントかソーサリーを1枚統率者領域に置いておける
・デッキがその2枚含めて60枚である
・誓い破りが戦場にいなければトレードマークの呪文は使用できない
・初期ライフは20。
その他細かい違いはあるものの、とりあえずやってみようぜということになりありあわせでデッキを組み週末にカードショップへ。
それでは一斉に誓い破りとトレードマークの呪文を公開。
僕から時計回りにデッキを紹介
aqua:実地研究者、タミヨウ+異界の進化
Aさん:神秘を操る者、ジェイス+パラダイム・シフト
Bさん:無謀な扇動者、ティボルト+ドラゴンの嵐
Cさん:意志を縛る者、ディハーダ+上古族の栄華な再誕
二戦やったが、ざっと何が起こったかだけ説明。
一戦目は時を越えた探索で墓地を空にしてパラダイム・シフトからジェイス+1で特殊勝利を決めたAさんの勝利。
二戦目
全員こいつはやばいと理解したためCさんが1ターン目から勇丸を出し、Bさんもドラゴンを出してAさんを叩く。
僕しかカウンターで直接コンボを弾ける人間がいないためカンスペを構えて一度ジェイスを打ち消し、その間にCさんのビートが間に合いAさんが脱落。
僕はこの時点でマナの合流点などのダメージを受けていたためライフが1桁に落ち込んでいた。そのまま流れで脱落。
Bさんもマナ加速からドラゴンの嵐を唱えるも、Aさんを倒すためにドラゴンを手札から出してしまっていたためコンボ成立ならず、Cさんの勝利。
二戦やったところで全員の感想は一致していた──
これはほとんどハイランダーヴィンテージである、と──
どの辺がよくないと感じた?
1.再現性が高すぎる
まずEDHはデッキが100枚であるため、ある程度のランダム性が担保されている。
しかしオースブレイカーは60枚である。というかメインデッキは58枚である。4積みできないという縛りはあるものの、大抵のカードは似たような役割のカードがあり、それをサーチするカードだってある。
2.禁止が緩すぎる
先ほどの話とも関連するが、サーチもコンボも禁止されていない。
先ほどのジェイスを使っていた方曰く、「勝つときはスッて勝つけど負けるときは自分をタコ殴りにして他の三人でゲームが始まるからどっちでも面白くない」らしい。
まずなぜこのジェイスが許されているのかがわからない。他にもググるといくつか強力な組み合わせが出てくる。
だが、PWをマスコットにすればもっと早くできる。
《夢を引き裂く者、アショク》をオースブレイカーにし、相手のサーチを禁止しながらデモコンタッサで勝利すればいい。
当然こちらもサーチや代わりとなるカードが存在する。
全員がガチでデッキを組むと数ターンでゲームが終わると思われる。
ライフが20点なのは最後の温情といったところだろうか。我々はいつも60枚デッキで相手のライフ20を削るゲームをしているのである。先ほどのように3人でコンボデッキ1人を叩けばなんとかなりそうな水準に見える。
ただ、オースブレイカーとトレードマークとなるスペルを見て誰が一番早そうか判断し、全員の統率が取れた場合、である。
こいつら大丈夫なの?なカードリスト
1.各種サーチカード
PWをマスコットにすることで任意の無限コンボを引っ張ってくることができる。
ただし、召喚の調べや異界の進化など挙げるとキリがない。
2.激情の後見/Fierce Guardianship のサイクル
通常の統率者と同じく、1回使用することにトレードマークとなる呪文も2マナずつ「統率者税」がかかる。しかし何度でも統率者領域に戻る。
この《激情の後見》の「統率者をコントロールしているなら、マナコストを支払うことなく唱えてよい」というテキストの書いてあるサイクルはこのフォーマットではやりすぎに見える。
オースブレイカーが通ったが最後、非クリーチャースペルは通らない。これはさすがにゲームではない。
手札から使う分には問題ないのでカードそのものを禁止にする必要はないが、トレードマークの呪文として使用するカードは禁止を出しておいた方がよいように思える。ジェイス+パラダイム・シフトも統率者領域にあると打ち消されてもマナがあれば何度もトライできるのが問題であり、手札に持っている分にはその分必要枚数は増え、ゲームスピードはだいぶ遅くなると考えられる。
3.ドラニスの判事
統率者戦でもかなりのヘイトを買うカードだ。しかし統率者はデッキの1/100なのに対し、このフォーマットでは誓い破りとトレードマークで2/60を封殺できる。出すとあまりにもヘイトを買うこと、先述したようなデッキに対する抑止力であることで許されるのかもしれないが、影響力の方が大きい気がする。
・結論
もともと非公式フォーマットだったものが公式にとりあえず認知されただけであり、競技性を求めるのはまだ早いかもしれない。誓い破り神決定戦などの大きな大会はしばらく開かれることはないだろう。
身内や近所のカードショップなどのコミュニティで遊ぶ際は独自の禁止カードを決めることを推奨する。
少なくとも特定の誓い破りとトレードマークの呪文の組み合わせは禁止した方がよいだろう。
今後に期待しよう。
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