Olympus Pen EEの分解
オリンパスのペンシリーズは、整備品でもない限り、ファインダーが汚れていたりやシャッター切れなかったりとほぼ分解必須のカメラです。
とはいえ分解自体は簡単かつほぼ共通なのでこの機会に覚えちゃって下さい。
トップカバーの分解
トップカバーを外すためには、巻き戻しクランクとフィルムカウンターを外す必要があります。
フィルム室の開け方
フィルム室の開け方は少し独特で、開けるのではなく分離させます。
底板にあるレバーを立て半回転させます。
本体からスライドさせて下に抜きます。
本体と、蓋で分離されます。
巻き戻しクランクのノブを上げ、その下のネジを外します。
金属板を外します。
表裏と向きを覚えておいて下さい。
フィルム室内の二股を固定しつつ、巻き戻しクランクを左へ回します。
二股の部分も外れるので取って下さい。
クランクの下に隠れていたネジを2本外します。
続いてカウンターを外します。
中央のカニ目を回します。逆ネジです。
ギザギザしたカウンターのダイヤルを外します。
側面のネジを外します。
分解に必要なパーツはすべて外したので、トップカバーを上に引き抜きます。
レリーズボタンと、カウンターの針は乗っかっているだけなので、メンテ中に落ちないように回収します。
カウンターの針のあるリングは表裏に注意して下さい。内周の突起がでっぱてる方が上です。
その下の金のリングはただのワッシャーのように見えますが、カウンターの軸と内側の突起でかみ合ってます。
露出計の確認
オリンパスペンEEシリーズは露出計が動いていないと話になりません。
トップカバーを外したらすぐに露出計が動いているか確認して下さい。
レンズ前面のぽつぽつ(セレン)に光を当てたときに、左側に針が動いていけばOKです。
動かない場合は、先の細いもので触ったり、ブロワーで吹いたりと針を物理的に動かし、つっかかったりしていないかチェックします。
直接動かかしても針が動かない場合は、露出計上の金の板を外してみてください。
本体内部のネジが入り込んで動きを止めていることがあります。
「そんなことめったにないでしょ」
と思うかもしれませんが、しょっちゅうあります。
下の画像はその決定的瞬間で、針の根本あたりに白く見えているのがネジです。
他にも、針自体が上に曲がってしまい、金の板と干渉して動きが鈍くなっていることもあります。
その時は針を下方向に曲げて、整形すれば動作は戻ります。
明るさを変えても針が動かず、物理的に止まっている様子もなければ、露出計の不良と判断します。その場合は、カメラ的な価値はほぼなくなります。
モルトの交換
トップカバーを開けたタイミングでモルトも交換してしまうのが楽です。
フィルム室上側のモルトをまずはぎ取ります。
端からモルトを貼っていってください。
ファインダー部分のモルトは除去しておけば、張り替えなくとも十分です。
ファインダー清掃
ファインダー上の黒い紙を剥がします。
張り付けてあるだけなのでむしってしまって問題ないです。
このカバーが金属性の場合もありますが、同じく剥がせばOKです。
剥がしたあとのけばけばは、ファインダー内部に入り込まないように除去して下さい。
ファインダー内の内側四面を清掃して下さい。
丸めた綿を使うと隅々まできれいにできます。
組み戻し
ファインダー上のはがした黒紙はボンドで貼り直してください。
先ほど外したフィルムカウンター上の金具を戻していきます。
レリーズボタンの位置も注意して下さい。
前面と右側に直線の部分が来ます。
底板のモルト交換
底板のモルト部分は、他の機種に比べ、実は光漏れをしやすい部分です。
張り替える際は、2㎜以上のモルトを使うようにしてください。
少し複雑な形をしています。
まともにこの形にモルトを切ろうとすると大変です。
モルトを一本切り出します。
左右を曲げつつ、糊で張り付けてください。
シール付きのモルトだと形に合わせてうまく曲げられません。
どうしても端っこには隙間ができてしまうので、それを埋めるモルトを作ります。
隙間より少し大きめサイズでモルトを作ります。
埋め込むような感じで隙間をふさいでください。
うまくできれば、継ぎ目は全く見えません。
レンズ分解
レンズ部を分解していきます。
頻繁に起こる不具合である、シャッターが切れないや絞り羽根が動かない等の不具合対処はレンズを外す必要があります。
ペンEEは距離計がないので、ケガキ(元あった戻せるように印をつけること)は必要なくレンズを外していけばよいです。
これが、ペンEES、EES-2、Trip35のレンズを外す場合は、印を付け(ケガいて)外していく必要があります。
銘板部分をカニ目レンチ回します。
意外と固いです。
レンズ周りを上に抜いて外します。
6時の位置につながっているコードが切れたら露出計が止まります。
負荷がかからないように注意して下さい。
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