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絞り羽根の清掃

レンズ内の絞り羽根が汚れていたり、動きが悪かったりした場合の対処法です。
絞り羽根を一枚ずつ分解して、洗浄するのが本式ですが時間が掛かりすぎます。
今回は絞り羽根をレンズに付けたまま清掃する方法の紹介です。

まずレンズを分解して前後共に絞り羽根を露出させます。
片側のレンズが外れない時の対処法は後述します。

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絞り羽根は、一見汚れてないように見えても、動きが悪くなっていることがあります。
絞りリングを回して、絞り羽根を動かしたとき(マニュアル)は問題なくても、絞りと連動したピンで開閉させたとき(オート)は動きが遅くなっていることが多いです。
その為、動作チェックは、マニュアルだけでなく、オート(自動絞り)で閉じた絞り羽根が素早く開放へと戻って行くかチェックして下さい。

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絞り羽根部分に揮発性の溶剤を流し込みます。

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絞り羽根及びその周辺、連動するピンにも注して下さい。
※露出している羽根だけ清掃しても治りません。

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前からだけでなく、後ろからも溶剤を注します。

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何回か絞り羽根を開閉して全体に溶剤がまわるようにして洗浄します。

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絞りを閉めて、羽根の表面をシルボン紙で拭きます。
拭き上げるのではなく水分を軽く取るような感覚です。
羽根が曲がると一巻の終わりなので慎重に!
使った紙は、油をすっているので再利用せず捨てて下さい。

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ブロワーで乾かします。
溶剤を差す→拭き取り→乾燥を1セットとして3回繰り返します。
再発する可能性があるので、何はなくとも(動きが治っても)3回は洗浄作業をすることが基本です。

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乾燥のあとは水跡が残るので、綿で拭き取ります。
これまた羽根が曲がると一巻の終わりなので慎重にです。

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絞り値を変化させると、羽根同士が重なり拭き取れなかった部分の水跡が出てきます。
マニュアルで絞り値を変化させ拭き取って行きます。

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絞り羽根周りのレンズが片面残っている場合

細い綿棒の先を曲げ、綿の部分を少し平たく整形します。

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絞り羽根が露出している面から綿棒を入れ、綿棒の先を回転させて清掃します。親指と人指し指をすり合わせて綿棒の軸を回すイメージです。

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以上絞り羽根の清掃方法でした。
今回は、レンズの絞り羽根を清掃しましたがコンパクトカメラのシャッターなどにも共通する清掃方です。

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