見出し画像

Canon Canonet Giii QL17の分解

キャノンキャノネットGiii QL17は、コンパクトフィルムカメラの中でも特に人気が高い機種です。
レンジファインダーカメラと言う部類で、ファインダーの二重像を合わせることによってフォーカスを調整します。
QL17ではなく、QL19もあります。レンズが40mm F/1.7ではなく、F/1.9とわずかに暗いので少し人気は落ちます。(希少性でいえQL19の方が上かも)
分解方法は、一世代前のニューキャノネットとほぼ変わってません。

画像1
キャノンキャノネットGiii

トップカバーの分解

ゴムオープナーで巻き上げレバー上の押えリングを外します。

画像3

レリーズボタンを上に引き、他のパーツも外します。
レバー上の板バネのリングは表裏があるので注意して下さい。

画像4

軸の二股部分を固定して、巻き戻しクランクとその下のワッシャーを外します。

画像5

カバー周りの側面のネジ2本と後面のネジ1本を外します。

画像23

トップカバーを上に引き抜きます。
巻き上げ軸の上にワッシャーがのっているので回収しておいて下さい。

画像7

頭を抜いたらまずは露出計が動いているかを確認します。

画像23

ファインダー清掃

プラスチックカバーを外します。
マイナスドライバーを接着面に差し込んでやれば取れます。

画像9
画像10

ファインダー内には斜めにハーフミラーが入っています。
ミラー塗装が剥げるので水拭きは禁止です。
塗装が取れてしまうと二重像が見えなくなります。
他のレンジファインダーから移植することもできますが、接着を取るのが一苦労なので最後の手段です。

画像22

ハーフミラーは、端の部分を乾拭きしてみて問題なければ、全体を優しく清掃して下さい。
前後のレンズは水拭きOKです、ハーフミラーに水分が触れないように注意しつつ清掃して下さい。

画像12

トップカバーのファインダー部分を清掃します。
前方のファインダー周りに黒く塗装がしてあり、アルコールなどで拭くとはげます。塗装部分にはあまり触れないように、クリーナーで清掃して下さい。
中央のすりガラス部分もクリーナーで清掃してかまいません。
清掃後、ファインダー上部のプラスチックカバーを接着し、トップカバーを戻していって下さい。

画像23

タイマー動作の改善

レンズ脇のタイマーは動作が鈍っていることが多いです。
タイマーの付け根部分を揮発性の溶剤で洗浄してやると回復します。

画像23

レンズ清掃

銘板周りのリングをカニ目レンチで外します。
先が曲がったカニ目で合わせて、あまり押しすぎずに回します。
上から押さえ過ぎるとリングが曲がって取りづらくなるとともに、銘板にすべって傷がつきます。

画像23
画像15

銘板を上に引き抜いて外します。

画像16

金属板のリングを外し、前レンズをカニ目レンチで外します。
この時レンズを根本から取らないと分解に手間取ります。
ハズれないときに、溶剤などを手前のリングに注すと前だけ取れてしまいます。

画像17

絞り羽根前後のレンズ面が特にカビやすいです。
絞り全開でバルブでシャッターを切り内側のレンズを清掃して下さい。

画像19

外した前玉の裏側部分です。
周りの塗装が剥げるので、なるべく塗装を触らないよう清掃して下さい。

画像20

レンズを清掃したのち戻します。
金属板のリングは、穴をボディ側のピンにはまるように戻します。

画像21

銘板の裏側に丸い溝があるのでピンにはめます。

画像23

銀のリングは無理にはめようとすると曲がりやすいです。ゴムオープナーで回すといい感じです。

画像23

以上キャノンキャノネットGiii QL17のメンテナンス方法でした。
ファインダー内ハーフミラーの清掃は他のレンジファインダーと共通する部分なのでよく覚えておいて下さい。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?