ひとりごと 〜最近のマイブームなど。「1993年の女子プロレス」を読む
「プロレス」というコンテンツの楽しみ方は言うまでもなく「実際にライブで見る」ということが前提なのだが、その他にも「映像を見る」「語らう」「活字で読む」などの方法が主にある。
私が好きなのはこの中の「活字で読む」という手法。「そんなものは本来の楽しみ方ではないだろう」という批判を承知の上で、この手法はとても楽しい。プロレスに限らず、野球でもサッカーでも同じ楽しみ方はよくある訳だが、とりわけプロレスは「正解がないジャンル」とうこともあり、ルポやインタビュー等が何倍にも味わいの深い熟成を生み出していく。
今までにプロレスに関する書物をカウントできないほどに読んできたが、女子プロレスに関するものはほとんど読んだことはなかった。最近凝っているのは女子プロレス、しかも今はなき全日本女子プロレスにまつわるエピソードを持った活字を読むことである。
この「1993年の女子プロレス」、ちょっと前から読みたいとずーっと思っていたのだが、最近ようやく安価なものを入手することができた。著者による執筆ものかと勝手に思っていたが、内容は著者による著名レスラーへのインタビューとなっており、内容は長く、又、濃いものとなっている。
著者はいわゆるブックやケーフェイ的なものをすべてをさらけ出すことを前提に本音を引き出していく人だが、ミスター高橋のようないやらしさや嫌悪感をだけを残す曝露本ではないアプローチで「女子プロレス、とりわけ全女(全日本女子プロレス)とは何か」をひとすら求道していく内容に仕上がっている。
一言で語りつくせる内容ではないが、全女とは「世界最狂のプロレス団体」だったということにひたすらと紙面が埋められている。
昔話風に言えばこんな感じだろう。
昔々、男より男らしいプロレスをする狂った団体が、地球の端っこにあったとさ。
全女は20年弱くらい前に崩壊し、今はもうない。