ぼくは魔法使いになりたかった38
洞穴の中は意外に過ごしやすかった。
じっくり眺めたこともないけど、柔らかな風がふいている。
イラついているだろう人を目の前にして、あまりキョロキョロも出来ない。
それにしても、なんだか土龍若い気がする。気のせいかな?
「何ですか」ぼくの視線に気づくと尋ねてきた。なんだか、ぼくの出会った時より若い気がすると率直に言うと、軽やかに微笑んだ。
「あなたがいたのは、子供が生まれてから50年先の世界ならば、今子供が出来たとしても、数えて150年は先になりますね。」
オレはきょとんとしてしまった。
生まれるまでに100年てスゴイな、じゃなくて
「なっなんでだよ。じいちゃんの代わりに来ただけなのに」とんだ計算違いだ。
「どうでしょう、わかっててこの日を選んだ気もしますよ」またもや、柔らかく微笑んだ。綺麗な人は笑うだけ違うなとチラッと思う。
「帰って来たようですね。」外が騒がしくなる。魔法で近くの木を焼いている。
入ってきた時の怒った顔が、あまりにも艶やかでつい、
「うわぁ~美人」思わず、さけぶ。ハデな服装にも驚いたけどね
「・・・」
「ふふっイイコね」どっちが無言かわかるよね。
「お帰り」ぶすっとしてしまった。
「ただいま~帰って来て早々に、家の前が汚くて怒ろって思ったけど、まぁいいわ」凄まじい笑顔に目が眩みそうだ。
さっき言った事を簡単に伝える。
「まぁ、私らしいけど子供なんていないわ」またもやがっくりした。なんなんだ。
「丁度いいわ。最近家の回り煩いから」
「子供が出来たら奪われないように、見張りに立って貰うわ。」また微笑んだ。
要約すると、龍が巣を作った。子どもがいるかもしれないと近隣諸国から、連日お客さんらしい。
人間相手に本気で戦えないし、煩わしくてかんしゃくをおこした火龍が、家出した。近くの従姉と遊んできたらしい。
・・・なるほどだから、土龍の機嫌悪かったんだ
よく助かったなぁ、ぼく。
第38回ここまで
いや、私もビックリしました。今回が本当に38回です。すみません😢⤵️⤵️
つまらない、あきた、どうでもいい、
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