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ぼくは魔法使いになりたかった

毎日の単調な仕事の合間に
ふと空を見上げた。

ただ、ぽつんと浮かぶ月は
まるで1人でも
寂しくないと言いながら、

くちびるを噛み震える
少年のようにみえた。

いろんな仕事をした。

でも、たまに想う。
ぼくは魔法使いになりたかった
って前は癒し系になりたくて

今は火マジ・・・だって火力
ないと、パーティー守れない
じゃないか

友達と遊んでたころ、パーティー
でPVP(プレイヤー対プレイヤー)
して、コテンパンにされた。

対モンスターなら仕方ないって
思えるけど、相手は人間スキルが
どうあれ無理って悔しかった。

毎日レベルあげにダンジョンに
潜った。学校もバイトも忘れて

ただ、強くなりたいって
それだけだった。

めちゃくちゃレベルあげて、
友達誘いモンスター狩りにいく。
レベルが違いすぎて、PT組めない

仕方なくぼくだけソロになった。
チャットはそれぞれと開くことに
した。

ダンジョンまで移動少し重いが、
なんとかなるかなと思っていた。
入ってすぐ、嫌な予感がした。

歩きずらいし、チャットの返信
が来ない。そのうち目の前に
いたパーティーが全滅した。

タゲガウツル・・・強くない敵
普段のぼくなら楽に倒せる。
みんなたかをくくっていた。

強いマジいるし、大丈夫だろう
何も備えない。タゲラレタラ
魔法使いは詠唱出来ない。

あわてて足元にセーフティを
おいた。ファイヤーオールで
すら、間に合わなかった。

急いで、チャットにハエ飛び
しろと打つ。守れないと思って
でも、誰もしない。

みんなはほぼ何も出来ず、
しばらくしたらチャットに
「先に行きます」とぽつんと
入ってきた。

ぼくだけ助かったけど、あと
味悪かった。みんないいやつら
だった。

あれだけ重いと仕方ないと
言ってくれた。
ぼくだけ助かったと言う奴は
内心どうあれいなかった。

「ハエ飛び思いつかなかった」
1人が言うと、
「あっ!オレ今それきた」と笑
った。

「スゲーあの状況でチャット
オレら即死したもんな。」
ちょっとチクリと心が痛む。

第一回ここまで

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