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2. 灯滅せんとして光を増す

私には会いたい人がいる。最後にその人を見たのは、確か8年ほど前だった気がする。

その人は私にとって特別で、魅力的で、大切な人だった。自分の原動力でもあった。

人は過去を美化する傾向があるというが、その人と一緒に過ごした日々は、確かに美しいものだった。心がふわふわするような、ワクワクするような、
そんな気持ちにさせてくれた。もしタイムトラベルが可能なのであれば、私は確実に8年前に戻るだろう。

会えなくなった後も、私はしばらくその人のことで頭がいっぱいであった。だが連絡する手段もなく、ただ時間が過ぎていくばかりで、その人の中で私が死んでいくような気がした。

でも正直、時間が経つにつれて、私の中でもその人の存在は薄くなっていった。過去と同じ温度で、同じ気持ちで、その人のことを考えることが少なくなっていった。

でも、神様はやっぱり意地悪で、その人が消えかけるたびに、どこかの誰かがその人の名前を呼ぶ。そして私に思い出させるのだ。

灯滅せんとして光を増す


私は今もその人を探している。そして会いたいと思っている。


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