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6/3にラジオでオンエアされたAimer「After Rain」のこと

今年の6月に飼っていた猫が亡くなった。元々心臓の病気持ちではあったけれど梅雨は一層しんどそうで、6月に入った頃から猫は何も食べなくなっていた。心配になり6/3 (土)には行きつけの動物病院へ連れて行った。

その動物病院のロビーではいつもFM802が流れていた。診察に行った前の日: 6/2 (金)は台風2号と線状降水帯の影響で全国的に雨模様だったが、週末には晴れ間が戻っていた。それに因んだのか、Aimer「After Rain」が流れていた (リクエストだったのかな)。綺麗なギターのイントロに耳が釘付けになり、優しく力強く抱擁されるような歌声に聴き入っていた (Aimerに出会ったのはGalileo Galileiの曲でゲストボーカルとしてフィーチャリングされた『バナナフィッシュの浜辺と黒い虹』の頃: 2014年秋頃で、その数年後のアルバム『daydream』あたりから注目度を上げて聴くようになったので、10年前にリリースされていた『After Rain』を聞いたのはその6/3が初めてだった)。

猫の容体を不安に思う気持ちはAimerの歌声で一時的に軽くはなったが、診察の結果、病状は芳しくなかった。高齢かつ心臓が弱いこともあって、ショックを与えないように採血をはじめとした刺激の強い処置ができず、薬をの飲ませること、なんとかご飯を食べてもらうことが必要となった。

その後の1週間弱、猫に生きていてもらうべく、嫌がっても口をこじ開けて、ペースト状にした餌を与えたり、錠剤を砕いて粉状にしたのをそのペーストに混ぜて与えたり、シリンジ (針のない注射器。押し出しポンプ)で喉に強制的に餌や薬を投与したり、自宅で点滴したり、酸素ハウスをレンタルしてその中で休ませたりした。

闘病の末、6/9 (金)の晩には猫は冷たくなってしまった。死が、開いたままの猫の眼から決定的な虚無としてこちらを見つめていた。

「昨日よりもずっと確かに 輝く明日がそこにある」……After Rainのサビではそう歌われていて、確かに私は6/10以降の世界を生きている。一方で猫は、雨のシーズンの後まで生きられなかったが、そう悲しい思い出として心に置いておくのではなく、自分が他の命に誠実に向き合って最後を共にできた、闘病の季節のテーマがこの曲だったと今では思える。

これからもAfter Rainを大事な曲として聴き続けるのだと思う。


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