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脇を固めることで主役が引き立つのであるよな~

 最近、BS-TBSで再放送中の『赤い疑惑』の録画を視聴しながら、1日の終わりの儀式であるビールを飲み始めるのだが、光夫さんのお母さん役の原佐知子が本当に素晴らしい! と感じている。主人公に超絶意地悪をする、絵にかいたような憎まれ役を見事に演じきっている。リアルタイムで見ていたときは、ただただ憎らしく、本当に百恵ちゃんが(幸子ではなく)かわいそうだった。
 何が言いたいかというと、原佐知子さんだけでなく、めちゃくちゃ上手い俳優ががっちりと脇を固めてくれているからこそ、はっきり言って、当時まだまだ演技が稚拙な百恵ちゃんが全国の視聴者から涙を誘う悲劇のヒロインたりえたのだろうな~、と。

 それは、朝ドラについても強くそう思う。まあ、朝ドラというものは若手女優の登竜門的な存在であったと記憶しているが、最近ではそうではない場合も多々あるけれど…。主演女優がめきめきと演技の腕を上げていくのを目撃できることも、朝ドラの楽しみ方のひとつだと思っていて、やはりこれは周りを固める芝居上手な方々の影響というのがあるんでしょうね。
 ちょっと前に、再放送していた同じく朝ドラ『さくら』。このドラマで下宿先のおばあちゃんを演じていた佐々木すみ江さんも素晴らしかった。何が素晴らしかったかって、演技はもちろんですが、方言です! 出身に近いところが舞台だったので、変な方言には「ピキッ!」とアンテナが立ってしまうのだが(『最愛』よ……)、めちゃくちゃ上手かった。同時期に再放送していた大河ドラマ『篤姫』で、菊本という姫の養育係を演じていらしたが、たぶんその鹿児島方言も素晴らしかったんだと思う(演技は言うまでもなく)。『ふぞろいの林檎たち』のちょっと意地悪な中井貴一のお母さん役も印象に残っている。

 その昔、あたしがまだ女子大生だったころ。シモキタの駅の近くのこじゃれたカレー屋さんで食事をしていたら、近くの席に悪役でおなじみの石橋蓮司さんがお子さんと一緒にいらっしゃった。石橋さんのお子さんへの接し方が優しくて優しくて、すっごくビックリした。「ああ、恐ろしいのはあくまでも役のことなんだな~」と、おマヌケなことをシミジミ思ったことを覚えている。
 だって、石橋蓮司さんの悪役、本当に怖かったんだもん。


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